特別招待作品として上映された10月27日、上映を前に六本木ヒルズアリーナの舞台に主演のチャン・チェンとSABU監督の登壇するイベントが開かれました。
誰でも入場できるアリーナの舞台前には、大勢のファンが駆けつけました。
アリーナの大きなスクリーンに映し出される予告映像。
台湾の腕利きの殺し屋ロンが、ワケあって日本の地方の町で台湾牛肉麺の屋台を開くという物語。
司会の伊藤さとりさんから、「劇中で呼ばれている“ロンちゃん”で呼び込みしてくださいね」との合図で、皆で「ロンちゃ〜ん!」と叫びます。
牛肉麺の屋台を引いて出てきたのは、ロンちゃんならぬ、三ちゃんの愛称で親しまれている三中元克。
「太りすぎで、どうみても、ロンちゃんじゃないですよね」と伊藤さん。
めちゃくちゃ面白い映画なので、応援隊長を買って出たという三ちゃん。
今度こそ、ほんとにチャン・チェンを呼び込みます。SABU 監督と登壇するチャン・チェン。
「東京国際映画祭に来られて嬉しいです。この後の上映をぜひ楽しんでください」と挨拶。
SABU 監督は「大家好!」と中国語で挨拶。
続けて、「学生服みたいで、中2のよう!」とチャン・チェンをからかう監督。
「代わりに出てきて申し訳ありませんでした。カッコ良さが全然違う! ごめんなさい!」とひたすら謝る三ちゃん。そんな三ちゃんに、「可愛いですよ」と声をかけるチャン・チェンでした。
左から三中元克、チャン・チェン、SABU監督
さて、ここから真面目に映画の話に。
MC:SABU 監督というと人気の監督。チャン・チェンさんとの出会いは?
監督:2005年のモントリオール国際映画祭で初めて出会いました。2年前(2015年)に、『天の茶助』の台湾公開のキャンペーンで台湾に行ったら、打ち上げに来てくれて、映画を撮ろうということになりました。
チャン・チェン:ずっとSABU監督のファンで、作品はすべて観てます。もっと監督のことを知りたいと思って話しかけました。思ったより寡黙な人でした。なので、撮り終っても、まだ聞きたいと思って聞けてないことがあるんです。
MC:何を聞きたいのでしょう?
チャン・チェン:監督のインスピレーションの強さに興味を持ってます。
監督:僕は寡黙なので・・・(と、笑う監督) 思い浮かんだことが降ってくる事も多いんです。特に、明大前から笹塚に向かう時によく降って来ました。
三中:牛肉麺、食べてみたいです。
チャン・チェン:今度!
監督:ほんとにかっこいいんですよ。クールな殺し屋が似合うかなと。それが、人を喜ばせる道具になると面白いかなと。日本で形が変わっていって、文化の違いも描いてます。なにより泣けるんです。そこを言ってもらいたい。
三中:チャン・チェンさんは、ほんとにふだん料理するんですか?
チャン・チェン: たまに (と、日本語で)
三中:得意料理は?
チャン・チェン:牛肉麺
監督:この間、トン汁と言ってましたけど!
MC:昨年の9月から撮影スタートされました。六本木でも撮影されたとか。日本での撮影の思い出は?
チャン・チェン:(笑って)東京の町はとても好き。プライベートでもよく来て散歩してます。初めて国際映画祭に参加したのも東京でした。15 歳のときで、『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』(1991 年)で参加しました。
MC: 台湾でも撮影されてますが、どんなところが違いますか?
監督:違うというより、昔の日本のようなところもあって、スタッフとも親交が深まりました。
MC:裏話は?
監督:男前でスタッフが皆惚れてまして、撮り甲斐のある絵になる方。
MC:日本のスタッフと仕事していかがでしたか?
チャン・チェン:日本のスタッフの仕事はとてもよかったです。日本での撮影は初めてじゃなかったのですが、仕事を分担されていて、すんなりと撮影に入れました。日本のクルーはとてもプロフェッショナル。スタッフの努力で完成されるもの。スタッフに皆さんに感謝したいです。
MC:監督からご覧になって、子役の男の子バイ・ルンイン君との関係はいかがでしたか?
監督:あまり覚えてないんですけど・・・ いい感じでしたよ。
チャン・チェン:バイ・ルンインの日本語は僕より上手でした。とてもすごい子だなと。感情豊かな子です。眠いと怒る以外は、とてもよかったです。
監督:普通、俳優は子どもの頭をなでたりするけど、1回、突き飛ばして泣かしてました。それくらい本気!
三中:陶芸をしていましたが・・・
チャン・チェン:台湾で子どもの頃やってました。
三中:映画に出たことないので次回出させてもらえますか?
チャン・チェン:この映画がヒットして、Part2が出来たら!
監督:はい、大丈夫ですよ!
MC:最後にひとことお願いします!
チャン:チェン:僕の宝物。とにかく名作です。
********
このトークを聞いただけでは、どんな映画かあまりよくわからなかったのですが、その後、観てみたら、確かにクールな殺し屋がとてもよく似合うチャン・チェン。ワケあって日本の地方の町で、身を潜めるようになってからは、言葉が通じないから、自然、寡黙になるのですが、なんとも可笑しい雰囲気をかもしだしています。
作品の内容はこちらで