2020年09月04日

『マイルス・デイヴィス クールの誕生』黒人差別の根深さを憂い、発想の自由さに感嘆する(咲)

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9月4日(金)より公開される『マイルス・デイヴィス クールの誕生』は、ジャズの帝王、マイルス・デイヴィスの人生に迫ったドキュメンタリー。
ジャズに疎い私でも名前だけは知っていたけれど、アーカイヴ映像や、家族や音楽仲間などが語る言葉から知るマイルス・デイヴィスには驚きがいっぱいでした。

父は歯科医、母は音楽教師という裕福な家庭環境だったにもかかわらず、黒人というだけで差別を受けた少年時代。名を馳せてからも、それがどうしたと言わんばかりに、白人から見下されたエピソードなどから、彼のような人物でさえ、黒人差別の厚い壁を破れない病んだアメリカ社会をずっしり感じました。

マイルス・デイヴィスが、初めてアメリカを出てパリに赴き、そこで恋人となったシャンソン歌手で女優のジュリエット・グレコを通じて、ピカソやサルトルと知り合います。偏見のない白人もいることを知り、人種を越えて心が自由だと感じたというエピソードにほろりとさせられました。

そんな彼が、妻フランシス・テイラーがミュージカル「ウェストサイド・ストーリー」に出演していたのに、「妻は家にいるべきだ」と言って舞台を降板させたことには、古くさい男女差別?と驚きました。

マイルス・デイヴィスが、ジャズの枠を越えて活動したことも語られていましたが、中でも、スペインに行ってフラメンコの音楽、NYのインド料理屋でインドの音楽に魅せられて影響を受けたという話には興味津々でした。自由な発想が許容されるのがジャズなのですね。

ジャズが好きな妹にマイルス・デイヴィスの映画を観たとLineを送ったら、「マーカス・ミラー出てた? ベースマン。マイルスに見出された人。超人気」と返事が来ました。

妹は大学時代にはビックバンドでキーボード。その後、ブルースハープの教室を経営していたことも。シカゴで数か月、ミュージッシャンのところに世話になって、セッションにも参加したことがあるほどジャズ好き。
小学生のころ、一緒にピアノのお稽古に通っていたのですが、楽譜がないと弾けない私と違って(あ、今は楽譜を見ても弾けません・・・)、妹は楽譜とは関係なく指を動かしてました。お稽古の日に、ファミリアのアップリケ付きの楽譜カバンを家に忘れていって、母が追いかけてきたことも。どうやら妹には楽譜は不要だった?!
そんな次第で、今でも家には山ほどジャズのレコードがあるのですが、私は自分から聴いたことはありません。 今や聴いてみたくても、プレイヤーがありません・・・ せめてジャケットでも眺めてみましょう!


『マイルス・デイヴィス クールの誕生』原題:Miles Davis: Birth of the Cool
監督:スタンリー・ネルソン
出演:マイルス・デイヴィス、クインシー・ジョーンズ、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、ロン・カーター、ジミー・コブ、マーカス・ミラー、マイク・スターン、ジョシュア・レッドマン、カルロス・サンタナ、ジュリエット・グレコ、クライヴ・デイヴィス、フランシス・テイラーほか

シネジャ作品紹介

2019年/アメリカ/115分
配給:EASTWORLD ENTERTAINMENT
協力:トリプルアップ
公式サイト:https://www.universal-music.co.jp/miles-davis-movie/
★2020年9月4日(金)よりアップリンク渋谷、池袋HUMAXシネマズほか全国順次公開


posted by sakiko at 01:01| Comment(0) | 映画雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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