2021年01月17日

2020年最後に観た映画『越年 Lovers』と2021年最初に観た映画『きらめく拍手の音』(暁)

2020年最後に観た映画は、京橋の試写室で観た『越年 Lovers』(郭珍弟/グオ・チェンディ監督・脚本。劇場公開 2021年1月15日)でした。
岡本かの子の短編小説集を元に、3組の不器用な男女の「恋の行方」と「年越し」が、台湾、山形、マレーシアを舞台に描かれていた。3話オムニバス。
何も考えず、事前にプレスシートも見ずに観た作品だったけど、思いかけず、私が行ったところがいっぱい出てきてうれしかった。
第一話は台北、マレーシアが舞台。会社の帰りに、社内で男性の同僚にいきなりビンタをくらった女性。次の日、その男性の部署に行くと彼は昨日でやめたという。なぜ彼がそんなことをしたのか、わけがわからないまま、目撃していた同僚の女性に連れられ、彼が住んでいるという迪化街(ディホアチエ)へ。台湾の下町で問屋街という雰囲気の街。実は去年2月春節の頃に台湾の「平渓天燈祭り」に行ったのだけど、その時に迪化街も訪ねた。コロナで海外渡航ができなくなるぎりぎりのタイミングで、前日まで行くのを迷ったけど、この天燈祭りは10年以上前から行きたかった祭りだったので台湾行きを決行した。そして迪化街にある、日本軍慰安婦にされた台湾女性たちの資料館「阿媽の家」も訪ねた。その時にこの問屋街を歩いたので、この映画に迪化街が出てきた時には、こういう感じだったな、私が歩いた所かもしれないないと思いながら観た。乾燥食品が多く並んでいたけど、さすがに問屋街。干しシロキクラゲを買おうと思ったら、最低単位だけで、スーツケース半分くらいになりそうだったので、1個単位で買えるか掛け合ってみた。Okだったので3個買ってきたけど、まだまだ残っている。もう1年たつので早く食べてしまわなくては(笑)。

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迪化街の雰囲気 c2020 映画「越年」パートナーズ

第二話は山形が舞台。2015年以来、山形国際ドキュメンタリー映画祭に3回行っているけど、行った場所や名物が出てきてうれしかった。山形駅前の風景、山形交通のバスセンター、蔵王温泉、ロープウェイ、蔵王スキー場地蔵岳山頂、樹氷、玉こんにゃくと稲花(いが)餅などなど。しかもこの稲花餅を食べていた喫茶店は、私も入った喫茶店「コーヒーショップさんべ」だった。そこで私も稲花餅を食べた。稲花餅を食べたいなと探したけど、蔵王温泉のバス停のそばで食べられるのはここしかなかった。5年前だったけど懐かしい。そして映画祭会場である美術館がある霞城(かすみじょう)公園。山形市内。そういえば雪の時期の山形には、ずいぶん行ってない。また樹氷を見に行きたいと思った。
場面写 (1).jpg
蔵王のロープウェイ c2020 映画「越年」パートナーズ

第三話に出てきた彰化は行ったことがないけど、台湾中部の町のよう。牡蠣の養殖が盛んな地方なのか、ここに出てきた、亡くなった母がやっていた店では「牡蠣そうめん」が名物だったらしい。牡蠣というのはこんなに暑い地方でもあるのかと思った。実は今、けっこう生牡蠣にはまっていて、ここ数年、7月には千葉県旭市の磯牡蠣祭りに行っているけど、これまでに食べた生牡蠣で一番おいしいと思ったのは、10年くらい前に台湾に行った時、基隆の夜市で食べた「味噌で味付けした生牡蠣」。日本の牡蠣と台湾の牡蠣は何か種類が違うのかも。もっとも、私が初めて生牡蠣を食べたのは30年くらい前で、竹富島(沖縄八重山諸島)の沖合いの干潟。大潮の時に行き、岩に生育している牡蠣をほじって食べた。思えば、ここは基隆に近いかも。この時に初めて「牡蠣って生で食べられるんだ。なんて美味しいんだ」と思ったから、南の地方のものですね。
この作品は、東京では1月15日から新宿バルト9で公開されている。
・『越年 Lovers』 シネマジャーナルHP 作品紹介
・『越年 Lovers』公式HP

そして、2021年、最初に観た作品は『きらめく拍手の音』。これは山形国際ドキュメンタリー映画祭2015でアジア特別賞を獲った作品だったけど観る機会がなかった作品。1月9日から15日までの1週間限定上映会がポレポレ東中野であるというので出かけた。日本公開されていないと思ったら2017年に公開されていた。
この作品は聾唖の両親を持ったイギル・ボラ監督が両親を撮ったドキュメンタリー。聾唖という障害があり、社会の中でいろいろ闘い、苦労しながら、試行錯誤しながら二人の子供を育ててきた両親の姿を追っていた。両親のために、小さい頃から社会との通訳者をしてきたイギル・ボラ監督自身のたどってきた道を示したものでもあった。ほんとに大変だったと思うけど、しかし、この家族は明るい。観ているこちらも希望が湧いてくる。正月早々いい作品を観た。
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イギル・ボラ監督(2015年山形国際ドキュメンタリー映画祭にて)

でも今、街はまだ新型コロナで特別警戒中。1月8日から1ヶ月は、また自粛生活をと言っている。でも去年4月の自粛生活のようにというわけにはいかない。東京では、今は1日2000人を超える新規感染者がある状態にもなっているので、前より感染率は高い。それでもずっと家にこもっていると身体に悪い。去年は4〜6月の2ヶ月の自粛生活で、身体の調子が悪くなったり、食欲もなくなってしまった。それを踏まえて今度は、違う形で乗り越えていかなくては。それにしても、もう1週間近く映画に出かけていない。試写も観たい作品もあるのに、やはり電車に乗って出かけるのに躊躇している(暁)。

今年秋(2021年)、イギル・ボラ監督にインタビューする機会がありました。
『記憶の戦争』イギル・ボラ監督インタビュー
http://cineja-film-report.seesaa.net/article/483996221.html
イギルボラ監督320.jpg


posted by akemi at 21:15| Comment(0) | 映画鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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