2022年02月06日

ジョージア映画祭で岩波ホールに通う日々 (咲)

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岩波ホールが今年7月29日で閉館という衝撃のニュースが駆け巡り、いつまでも収まらないコロナをうらめしく思うばかりです。
そんな中、楽しみにしていた「ジョージア映画祭2022 コーカサスからの風」が、1月29日に開幕しました。
2月1日(火)に、やっと初めて足を運びました。 窓口で、10時半からの『失楽園』と、1時からの『ナイロンのクリスマスツリー』をシニアでと申し出たら、「今日は映画の日で皆さま1400円です」と言われました。 そうっか〜、1日は映画の日でしたね。ラッキー♪ 

『失楽園』の始まる前に、ロビーで支配人の岩波律子さんにお会いできました。 7月29日の閉館、苦渋の思いで決められたことがお顔からも伝わってきました。
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これまで上映した作品のチラシが、年代を追って壁一面に貼ってある場所があって、感無量でした。「人気のコーナー」と岩波律子さん。
1976年の春に会社の同期の男性にサタジット・レイの映画(たぶん『大樹のうた』)を観に連れてきてもらったのが岩波ホールを知るきっかけでした。
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その後、何度も通った岩波ホール。 中でも、中国映画や韓国映画は母と一緒に観たものもあって、懐かしく思い出しました。 『達磨はなぜ東へ行ったのか』は、母一人で観に行って、満席で入れず、次の回を待ったと聞かされた映画です。
シネジャにスタッフとして書くようになってからは、いつも試写のご案内をいただき、上映作品のほとんどを試写室で拝見させていただいていて、トークの取材や、特集上映などでしか岩波ホールには来ていませんでした。
「岩波ホールで上映」というだけで、観る価値のある映画と認識される素晴らしさ。一時代を築いた岩波ホールがなくなるのは、文化の損失だと感じます。閉館しても、当面、ホールはそのまま保存されるとのことですので、いつか再開の時がくることを願ってやみません。

10時半からの『失楽園』(ダヴィト・ロンデリ監督)は、コメディー映画の歴史的名作。没落貴族が一攫千金を夢見て、裕福な農家の花嫁を迎えようと画策する物語。農家の娘は、没落貴族に使える男性と恋仲で、最後にはめでたしめでたし。観終わって、ジョージア映画祭主宰のはらだたけひでさんとお話ししました。『失楽園』が作られたのは、大粛清の年である1937年。抱腹絶倒の映画ですが、俳優もスタッフもどんな気持ちで撮影現場にいたのかと思いますとのこと。

さて、次の1時からの『ナイロンのクリスマスツリー』まで小一時間あったので久しぶりに「ろしあ亭」で食事しようと思ったら、休業中でした。
「1月21日より時短営業を続けてきましたが、感染者の増大にともない休業に至りました! 何のエビデンスも示さず飲食店への時短要請には怒りもありますが、また営業に向け頑張りますので宜しくお願いします。ろしあ亭店主」の貼紙がありました。
じゃ、「さぼうる」と思ったら、そちらも臨時休業。コロナで、どこも息絶え絶えですね・・・
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すずらん通りを少し歩いて、お店を物色。
脇道に「海南鶏飯」の看板を見つけ、吸い寄せられように近づいてみました。
「天鶏」というタイの人がやっているお店でした。辛くないガパオライスもありましたが、看板メニューの海南鶏飯にしました。700円ですが、ご飯少な目で680円。すごく美味しかったです。

『ナイロンのクリスマスツリー』(レゾ・エサゼ監督)は、ペレストロイカ(1985)の直前に製作された群像劇。大晦日、新年を故郷で迎えるために首都トビリシからバスで帰省する人たちを描いた物語です。俳優の層が厚いことが感じられる一作。
この日観た2本は、どちらも味わい深くて心に残りました。
「バラエティに富んだラインナップなので、ぜひたくさん観てください」とはらださん。
公式プログラムを購入し、読んでみたら、どれもこれも観たくなりました。 できるだけ通いたいと、あらためて思いました。

という次第で、2月4日(金)オタル・イオセリアニ監督特集『落葉』と短編特集『四月』『鋳鉄』『ジョージアの古い歌』
2月5日(土)国民的映画「ケトとコテ」を究める『ケトとコテ』『喜びの家』『「ケトとコテ」を求めて』を観てきました。

映画については、また別に語りたいと思いますが、ほんとにどれも観てよかった!という作品でした。




posted by sakiko at 22:39| Comment(0) | 映画館 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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