日比谷ミッドタウン地下通路
●10月28日(月)〜11月6日(水)
https://2024.tiff-jp.net/ja/
=プレス上映鑑賞メモ=
10月29日(火)
『10セカンズ』トルコ/ウィメンズ・エンパワーメント
学校にやってきた母親が、生徒を誘惑した!と女性教師に詰め寄る。教師は落ち着いて対応するが、母親はエスカレートしていく。女優二人の丁々発止のやりとりがすごかった。観客に想像させるラスト。
『お父さん』香港/コンペ
愛妻と一男一女に恵まれ、食堂を経営しているお父さん(ラウ・チンワン)。ある夜、妻と娘が殺され、しかも手を下したのは息子。仲が悪いわけでもない平凡な家族だったのに、なんでこんなことになったのか?怒りも恨みもぶつけられず、宙に浮いたまま、収監された息子のもとに通い続ける。
『劇映画 孤独のグルメ』日本/ガラセレクション
松重豊が監督・脚本・主演。フランス、韓国、日本と思い出のスープを探す旅に出る。ロケ地も出演者も豪華版でした。テレビ東京60周年記念作品と知って納得。
★2025年1月10日(金)公開。
『敵』日本/コンペ
筒井康隆原作 吉田大八監督
妻に先立たれた元大学教授(長塚京三)、フランス文学についての寄稿や公演で生計を立てている。慎ましく平和に暮らしていたが、ある日PCの画面が「敵が来る」という文字でいっぱいになる。残りの人生に必要な金額を算出したり、教え子に妄想を抱いてしまったり、同じ独り身男性を描いた『PERFECT DAYS』より生活を感じた。『由宇子の天秤』の二人(瀧内久美、河合優実)も競演。
★2025年1月17日公開
10月30日(水)
『母性のモンタージュ』香港/ウィメンズ
夫と夫の両親と同居するジェン。待望の子どもを授かったが、出産後は仕事に復帰していつかは自分のベーカリーを持ちたい。完璧な母親でありたいが、夜泣きする赤ん坊に疲れ果てる。
100人いれば100通りの子育てや暮らしがあり、抱える辛苦は誰とも比べられない。自分は何事も「いい加減」だったので楽だったと思い出した。
『劇場版ドクターX』日本/ウィメンズ
天才外科医・大門未知子(米倉涼子)は某国の大統領の手術のため海外へ。東帝大学病院は経営刷新のため、新病院長・神津比呂人(染谷将太)を迎えていた。10年間7シリーズが視聴率トップをかざった医療ドラマ。大門と榊原(岸部一徳)の過去が明らかになる。急逝した西田敏行さんの最後の出演作となった。
★2024年12月6日(金)公開
『アディオス・アミーゴ』コロンビア/コンペ
コロンビアの内戦(千日戦争)末期のころ。革命軍兵士アルフレッドは、行方不明の兄に子どもができたことを知らせたい。知り合った写真屋は父を殺した仇を探している。一緒に旅する二人の前に様々な人間が現れる。
ウエスタン調に作られた、なんでもありの幕ノ内弁当のような映画。ブラックコメディ風味。
『娘の娘』台湾/コンペ
アイシャ(シルヴィア・チャン)には娘ズーアルのほかに、アメリカで若いときに産んで里子に出したもう一人の娘エマがいる。体外受精のため同性パートナーと渡米したズーアルが事故に遭い、受精に成功した胚だけが残された。
台湾の名女優シルヴィア・チャンが出ずっぱり。認知症になったアイシャの母親、アイシャ、アイシャの娘ズーアルとエマ。三世代の女性の母であり、娘である喜びと悲しみが描かれた物語。
有楽町駅前 チケット売り場
10月31日(木)
『幼な子のためのパヴァーヌ』マレーシア/アジアの未来
家父長制が根強く残るマレーシア。赤ちゃんポストに今夜も赤ん坊が預けられる。生んだものの、育てられない女性が泣く泣く置いていく。ソーシャルワーカーの麗心は妊娠してしまった学生を手助けする。
雇い主にレイプされたり、彼氏に逃げられたりして理不尽な目に遭う女性がいるかと思えば、母系社会の民族で男の子を生んでがっかりする女性も。ラストで民族衣装の女性たちが踊りながら練り歩くのがパヴァーヌ(行列舞踏)なんでしょうか。
『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』日本/アジアの未来
敬太(杉田雷麟)が子供の頃、一緒に山に出掛けた弟の日向が失踪し今も見つかっていない。ある日、母から古いビデオテープが届いた。それは敬太が撮影したもので、日向がいなくなるところが映っていた。霊感のある同居人の司(平井亜門)は、そのテープに良くないものを感じ、処分するよう勧める。薄暗い山の場面が多く、じわじわ怖い日本のホラー。
★2024年1月24日(金)公開
『大丈夫と約束して』スロバキア、チェコ/コンペ
15歳のエニョは夏休み中、田舎にある祖母の家で過ごしている。村の少年たちとバイクで野山を走っているが、早く母親と一緒に暮らしたい。なかなか帰って来ない母の知らない一面を村人の噂から知ってしまう。息子に隠していたことを知られた母の表情が激変するのが怖い。
『Flow』ラトビア/アニメ
大洪水で街が水没していこうというとき、黒猫は流れてきたボートに飛び乗った。乗っていたのはカピバラ、次に犬、ワオキツネザル、大きな白い鳥が乗船してきた。様々なできごとに遭いながら彼らは仲間となっていき・・・
それぞれの動物の特徴や性格が笑いを誘う。人は全滅したのか、動物だけが登場、水も森もゴミひとつなく美しいばかり。海には鯨もいる。人間がいなければ地球は楽園だ。ギンツ・ジルバロディス監督の前作『Away』も必見。
★2025年3月14日(金)公開
『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』日本/コンペ
大九明子監督とTIFFというと『勝手にふるえてろ』(2017)『私をくいとめて』(2020)が浮かぶ。今作も若手俳優(萩原利久、河合優実、伊東蒼)そろっています。黒崎煌代(こうだい)さんは名前が出てきませんでしたが、朝ドラ「ブギウギ」、映画『さよならほやマン』でも主人公の弟役をしていましたっけ。
★2025年4月公開 https://kyosora-movie.jp/