2024年10月27日

10/18(金) 台湾映画上映会に行ってきました(白)

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オンライントークのツァイ監督

『9発の銃弾』
原題:九槍/英題:And Miles to Go Before I Sleep
監督:ツァイ・チョンロン(蔡崇隆)

2017年に出稼ぎ労働者のベトナム人青年ルワン・グオフェイ(阮國非)が、警官が撃った9発の銃弾により死亡した。実際の事件映像やインタビューを交えて真実に迫った意欲作だ。ベトナムにいるルワン・グオフェイの遺族、警察官の家族、弁護士、仲介業者など、様々な関係者へのインタビューに加えて、SNS上に残されたルワンの言葉と共に、彼がみた風景、歩いた場所をカメラが辿っていくことで、どのような思いを抱えて台湾で暮らしていたのかが綴られる。
彼を殺したのは9発の銃弾だけなのか。実際の事件映像やインタビューを交え、真実に迫っていく。
2022年/台湾/90分/ドキュメンタリー映画
c️2022 Twinflows Production

◆2023台湾金馬奨 最優秀ドキュメンタリー賞受賞
◆2023台北フィルムフェスティバル 最優秀ドキュメンタリー賞、最優秀監督賞
◆2023マカオ国際ドキュメンタリー映画祭

リム・カーワイ監督が選定にたずさわっている台湾映画上映会に初めて参加してきました。
5月から10月まで全7回の連続上映企画です。なかなか観られない新旧の台湾映画を観る良いチャンスだったのに、最終回だけの参加で惜しいことをしました。
台湾にやってきた何万人もの出稼ぎ労働者、そのうちの一人の悲劇を見せています。言葉も風習も違う外国で、過酷な労働に耐え、国元へ仕送りをしている彼らに、クスリを薦める人間がすり寄ってきます。いっとき良い気分になるために手を出して、抜けられなくなるのは目に見えているのに。
警察が義務として撮影しているボディカメラの映像は、この事件をすぐそばで観ている気持ちにさせます。裸で無防備なルワンを不法滞在者だからといって、こんな扱いをしていいもの?銃撃を受けて地べたに倒れ、小石を投げるくらいしか抵抗できない彼を「危険」だと遠巻きにします。確保するのは簡単なはず。すぐに救急車を呼んで搬送すれば命は助けられたかもしれないのに、救急車に乗ったのはルワンに抵抗されて鼻血を出した地元民でした。
ベトナムの遺族たちがルワン青年の子どものころの思い出を語ります。この家族が、撃たれて弱っていく息子の映像を観たことを思うと胸がつぶれそうです。どんなホラー映画よりも怖かったです。
この作品は9発の銃弾だけが命を奪ったのかと問いかけています。安い労働力に恩恵を受けながら、知らず知らず見下したり、いないものとして無視したりしている状況はどこの国でも見られるはず。外国からの労働者がいなくなったとしたら、あらゆる産業が停滞してしまいそうです。
藤元明緒監督がゲストで来場し、上映後ツァイ監督とのトークイベントがありました。
こちらにトークの詳しいまとめが掲載されています。
https://jp.taiwan.culture.tw/News_Content2.aspx?n=365&s=226373

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ポスターにサインする藤元監督

posted by shiraishi at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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