ミッドタウン日比谷9Fから見る日比谷公園
11月4日(月)
『嘆きの通り』メキシコ/ワールド・フォーカス
アルトゥーロ・リプステイン監督特集5本のうち、1本だけ拝見できた2015年の作品。
あらゆる犯罪が日常の吹き溜まりのような裏通り。年取った娼婦は元締めに稼ぎを取られるが、良い場所にはもう立たせてもらえない。もう一人の娼婦と昏睡強盗をしようと目論んで薬を手に入れる。客として来たのは小人レスラーの兄弟だった。
『小さな私』中国/コンペ
チュンフ―は20歳の脳性麻痺の青年。母親は心配のあまりチュンフ―を束縛するが、祖母は何でも試させてやりたい。チュンフーは身体は不自由でも成績優秀で大学受験を目指している。学費を稼ごうとカフェの面接に応募したり、祖母が注力する楽団を手伝ったりもする。
明るい女の子と出会ったチュンフーはいっとき「普通の男子」に変わる夢を見る。
『少年の君』(2019)の主演俳優イー・ヤンチェンシーが脳性麻痺の青年役。普段しない動きをずっと続けるのは大変だったはず。どれだけ観察したことやら?
『陽光倶楽部』中国/ワールド・フォーカス
ホアン・シャオミンが知的障害の息子役で、病気の母親の世話をするお話なんですが、肝心なところを見逃してしまいすみません。睡眠不足は解消。
11月5日(火)
『チェイン・リアクションズ』アメリカ/ワールド
『悪魔のいけにえ』(1974/トビー・フーパー監督/原題:The Texas Chain Saw Massacre)を絶賛する5人。そのお一人、三池崇史監督は中学生のときに、チャップリンの『街の灯』を観に行ったら満席で入れず、近くで上映していた『悪魔のいけにえ』を観たそうです! 違いすぎです(笑)。それですごく驚いて、映画界に進んで来られたわけで、人生は不思議。そして『街の灯』はいまだに未見だそうです。
ホラー苦手な私は、絶対見ることはないだろうと思っていたのに、その作品の名場面を繰り返し観てしまいました。なるほどと感じるところあれど、一人で全編観る勇気はないです。映画史上の傑作でこれに影響をうけた映画人は多いとのこと。
少年ジャンプ連載漫画「チェンソーマン」の著者、藤本タツキさんもこの映画のチェンソーからイメージしたようですよ。
11月6日(水)
『マルチェロ・ミオ』フランス、イタリア/クロージング
マルチェロ・マストロヤンニの娘、キアラ・マストロヤンニが鏡の中に父の顔を見て、父の人生を生きようとする。男装して父のようにメガネや帽子を身につけ(父娘似ている!)、自分をマルチェロと呼ばせる。母のカトリーヌ・ドヌーヴをはじめ、ファブリス・ルキーニ、ニコール・ガルシア、メルヴィル・プポーらが自分自身を演じている。
クリストフ・オノレ監督・脚本のコメディで、ところどころに真実がまじっているようです。