第一回の東京フィルメックスが開かれたのは、2000年12月。
メイン会場は、今は無き、銀座1丁目のル・テアトル銀座でした。
最優秀作品賞は、ロウ・イエ監督の『ふたりの人魚』。審査員特別賞をイランのハッサン・イェクタパナー監督の『ジョメー』が受賞し、嬉しかったのを思い出します。
その頃、私はまだ会社勤めをしていて、シネジャも読者という立場だったのですが、暁さんから、イラン映画『私が女になった日』のマルジェ・メシュキニ監督(マフマルバフの奥様)にインタビューすることになったけど、ペルシャ語通訳がつかないので、同席してほしいと声がかかりました。通訳の役目はほとんど果たせないと思うけれど、それでもよければとインタビューの場に臨んだところ、ちゃんとショーレ・ゴルパリアンさんが通訳としていらしてました。
私にとっては、初インタビューでした。この後、あれこれあって、会社を辞めたこともあって、シネマジャーナルのメンバーに加わったのでした。
この時のインタビューの顛末と当時の記事は、こちら
その後、東京フィルメックスのプレスIDを申請するようになり、今年もお蔭様でプレスパスをいただくことができました。
プレス席予約は、11月19日(火)2時からLivePocket Ticket(デジタルチケット販売システム)で受付開始。 この日は、9月19日にご逝去された大学の先輩の井上正幸さんを偲ぶ会が日本工業倶楽部で開かれるので、3時半に東京駅丸の内北口で先輩女性たちと待ち合わせしていました。
さて、2時にどこで作業をしよう・・・と思い巡らし、丸の内南口そばのKITTEビル4階の旧東京中央郵便局長室に決定! 「誰かを思いながら手紙を書ける空間」として、机と椅子があるのです。窓からはレンガ造りの東京駅がばっちり♪
早めに着いたので、2〜3階にあるインターメディアテク(日本郵便株式会社と東京大学総合研究博物館による「間メディア実験館」)を覗きました。様々な動物の骨がたくさんあって、ちょっとぎょっとするのですが、古代イランのビーズもあるという、なかなか素敵な空間です。とても広くて立派なのに、無料なのも嬉しいです。
2時10分前には、机に向かって座って待機。一斉受付なので、観たい作品の優先順位をつけたリストを手元に置いて作業。スマホの画面だと、字が小さくて、慣れるまでちょっと大変でした。
開会式や、Q&Aのある作品は、どんどん席が埋まって、私好みの通路際は取れませんでしたが、ほぼ半分の作品は通路際をゲット。1時間近くかけて17作品の予約を終えて、予約席の再点検。なんと、開会式の席、D席を取ったつもりが、O席でした。後ろ過ぎる・・・ すでに前方の席はなく、2階席の最前列が空いていたので、申し訳ないけどキャンセルして取り直しました。
なんとか作業を終えて、3時半には東京駅丸の内北口で先輩女性たちと合流。
2か月前のお通夜から、あっという間に2ヵ月経ちました。この日は、井上さんが理事長を務めていた財団法人日本国際教育支援協会主催の偲ぶ会。現役で、仕事から帰宅された夜に急逝されたのです。享年75歳。まだ早すぎます・・・
井上正幸さんは、私が東京外語大ウルドゥー科に入学した時に、4年生。歓迎コンパで、イランの歌「マラーベブース」を歌ってくださったのですが、それが私の初めて耳にしたペルシャ語でした。
井上正幸さんのご尊父である井上英二さんは外務省ペルシャ語留学生として1933年にイランに赴任。その後、1986年に亡くなられるまでイランの為に尽くされました。正幸さんは、ご尊父様の駐在に伴い、1959年、10歳の時にイランで現地の小学校に編入。その後、テヘランのユダヤ人のための中学校で学ばれています。ですので、ペルシャ語はネイティブレベル。
1974年、文部省入省。イギリス留学、パリOECD勤務、ユネスコ常駐代表部勤務などを歴任し、2006年〜2009年 在バングラデシュ日本国大使。退官後、2009年8月よりご逝去されるまで財団法人日本国際教育支援協会理事長として現役でした。
それにしても、大使時代には、閣下と呼ばれた井上さんも、同級生の女性たちからは「井上くん」です。まだ学生紛争真っ只中で、先生のご自宅や井上さんのお宅で集まって授業をしたころの絆は強いです。
上皇上皇后両陛下が皇太子・皇太子妃時代にイランを訪れた際に、在住日本人小学生を代表して井上正幸さんがご挨拶
ご尊父・井上英二様の墓碑
★井上さんがイランやアフガ二スタンの人々と深く関わりがあったことから、過去のインタビュー番組が11月24日(日)に再放送されました。
NHWORLD-JAPAN(NHKラジオ国際放送)ペルシャ語
「父の眠る地イランの思い出〜井上正幸さん」 2019年4月28日初回放送
聴き逃し配信を番組ホームページで12月7日(13時)まで視聴できます。
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/fa/shows/audio/programs/listener/
2024年11月26日
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