2017年09月24日

香港に久しぶりに行ってきました(暁)

2017年9月14日〜19日まで5年ぶりの香港に行ってきました。
5年前、2012年に行ったのは香港金像獎の取材でしたが、2泊3日の慌しい香港でした。会社をリタイアしてゆっくり香港に滞在したいと考えていたけど、当時は母親の具合が悪く、会社をリタイアしたのにゆっくり滞在はできなかったので心残りに思っていました。

シネマジャーナルHP 第31回香港電影金像奨授賞式レポート
http://www.cinemajournal.net/special/2012/hkfa/

長い間のファンである劉徳華(アンディ・ラウ)=華仔の誕生会が9月16日にあり、同時にアンディのワールドファンクラブ、華仔天地20年在籍の人(長老というらしい)に長老感謝式というのがあって、ペンダントネックレス授与と華仔とのツーショット写真撮影という特典があると天地から連絡があり、天地在籍20年になる私としては、これはやはりどうしても行かなくてはと、もう一人の20年の友人と香港に出かけることにしました。そして、今度こそと思って、思い切って5泊してきました。華仔天地の香港でのイベント参加は3回目で、それまでは10年在籍の時と、2012年『桃さんのしあわせ(桃姐)』撮影時の日記のサイン会の2回しか行ったことがなかったのです。
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YMCAの部屋からの眺め

久しぶりの香港なので、天地のイベント以外にも映画を見たり、香港の友人に会ったり、美味しいものを食べたりしたいと思ってでかけました。情報通の友人にも、香港の映画情報を聞いたりして準備をしましたが、情報収集不足のまま、あっという間に行く日が来てしまいました。
14日は台風18号の影響で、香港には約1時間の遅れで到着。あちこち出歩くのに便利の良い尖沙咀(チムサッチョイ)のYMCAに宿をとりました。ホテルについたら、歩いて5分くらいにある映画館oneで、話題になっていた韓国の映画『軍艦島』を観にいこうと思っていたけど、飛行機の遅れで観ることができませんでした。そのあとは時間が合わず、結局この作品は観ることができずでした。

翌15日は、香港の友人と一緒に、西貢(サイクン)へ海鮮料理を食べに。二人用のセットで489ドルくらいだったけど、3人で食べても充分な量でした。海老、蟹、トコブシのような貝、魚、そして香港の大きなシャコの料理がとてもおいしかった。
地下鉄に乗車する前に、香港の友人が私のオクトパス(スイカのような交通機関用パス)を見て、香港ではシニア割引があるといって、確認してくれて、シニア用のオクトパスに変えてくれました。シニアオクトパスだと、地下鉄はどこへ行くのにも2ドルで、バス、船、トラムも全部割引されてとても便利(エキスプレスは割引なし)。みなさんも65歳になったらお試しを。
この日はそのあと九龍湾駅のそばのコ福戲院に行き『怪盗聯盟』(馮コ倫/スティーブ・フォン監督)を観ました。友人のカードで割引になった上、さらにシニア割引で50ドルで観ることができましたアンディとジョン・レノ共演で、他には楊祐寧(トニー・ヤン)、舒淇(スー・チー)、張靜初(チャン・ジンチュー)、曾志偉(エリック・ツァン)が出演しています。中華圏俳優側は怪盗でジャン・レノは刑事。怪盗と警察の攻防戦と仲間の裏切りなどが、城やヨーロッパの景色の中で描かれた作品で、フランスやヨーロッパが舞台の怪盗ものでした。周潤發(チョウ・ユンファ)、張国栄(レスリー・チャン)、鍾楚紅(チェリー・チェン)主演の『狼たちの絆』を思い出しました。

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『怪盗聯盟』

16日はアンディの誕生会。今年1月初めにタイでCM撮影中に落馬して、骨盤骨折や肉離れという大怪我をしたアンディですが、懸命なリハビリで8月には仕事に復帰したそう。すごい回復力です。そしてこのイベントでは元気な姿を見せてくれました。イベントの中でリハビリ中の映像も流してくれました。
はじめに華仔天地10年、20年在籍の167名が舞台に立ち、リハーサルで練習したアンディの歌をメドレーで歌い、最後の方でアンディが登場。そして私たちを紹介。20年の人は5、60人いたようです。
アトラクションなどもあり、そのあと、呉君如(サンドラ・ウー)、鄭中基(ロナルド・チェン)が出てきて、アンディと3人でトークショー。3人で新作『追龍』の話などをしていたらしい。何を話しているかわからず残念。でも、かなり盛り上がっていた。そしてアンディの歌。6,7曲歌ってくれた。
自分が出場したあとは席へ行ったのだけど、なんと一番前だった。華仔天地20年在籍と言っても3回しか香港のイベントに参加していないので一番前にしてくれたのかも。1000名近いファンの中で端っこのほうとはいえ、一番前にしてくれたのは感謝でした。今回、日本人で20年は4人でした。終わったあとは、参加していた仲間5人で尖沙咀に行き、香港ぽい食事をして別れましたが、ホテルに帰ったら1時すぎ。疲れたけど、心地よい疲れでした。
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華仔天地イベントの案内
17日には、友人たち4人で飲茶をしようとビクトリアハーバー沿いにある映月楼に行ったら、なんと改築中でやっていなかったので、急遽、香港島・中環(セントラル)にあるシティホール2階にある大會堂 美心皇宮(シティホール・マキシムズパレス)へ。昔ながらのワゴンで料理が運ばれ、いろいろな料理を堪能することができました。
その後は、また『怪盗聯盟』を観るため旺角へ。実は、前半寝てしまって気になっていたら、友人がCinema City 朗豪坊で観るというので、付き合うことに。この映画館はランガム プレイス (朗豪坊)という巨大な商業施設の中にあり、ここには5階分くらいあるような長いエスカレーターがありました。映画館の中には「張國榮電影回顧展」の案内看板?のようなものがあり、これからやるなら観ようと思ったら、9月初め頃にやったようですでに終わっていました。
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左 ランガム プレイス (朗豪坊)  右 張國榮電影回顧展案内
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『追龍』の看板
18日は一人行動で香港島に。銅鑼湾/コーズウェイベイ駅から時代広場までの地下道に、9月28日から公開される甄子丹(ドニー・イェン)とアンディ共演の『追龍』の大きな看板があると聞いたので行ったら、ここで待ち合わせしたわけではないのに友人たちにバッタリ会いびっくり。せっかくだから3人で、時代広場にある中華の店へ。健康食志向の店のようでした。ここで野沢菜入りの料理を2種類も頼んだけど(チャーハンと湯葉の料理)、香港で野沢菜漬入りの料理があるなんて思ってもみなかった。
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湯葉と枝豆と野沢菜の料理

その後、香港公園とピークへ。香港に行くと必ずピークと九龍公園に行っていたので今回も。でもほんとは偶然でした。今回ピークに行く時間がないなと思っていたけど香港公園を抜けたら、トラムの乗り場だったのです。それでピークに登ることができました。ピークタワーの一番上には行ったことがなかったので登ってみました。天気は良かったけど午後だったのですこしガスっていたけど、記念写真をパチリ。夜までいて夜景を見たかったけど、香港の友人と待ち合わせしてしていたので急ぎ戻りました。一緒に行った友人が前日に帰ったので、一緒に夜ご飯をと誘ってくれました。ここで美味しい雲呑麺を食べてからシンフォニーオブ・ライツを見に海岸まで行き、映月楼の階段から見ました。これはビクトリアハーバーを挟んだ、向いの香港島で20時から始まる15分間の光の饗宴なのですが、20時という時間は食事をしていたり、移動していたりして、意外に見ることができないのです。やっと見ることができました。
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シンフォニーオブ・ライツ
香港には実質4日間いたのですが、久しぶりの香港でアンディのイベント以外は観光や飲茶、食のほうが多くなってしまいました。香港人の友人に会ったり、一緒に行ったメンバーたちとご飯を食べたり、映画を観たり、久しぶにり信和中心に行ったり、一通りの香港の楽しみ方を堪能しました。それにしても香港の変わりようにはびっくり。尖沙咀あたりはあまり変わっていない感じだったけど、ちょっと離れると様変わりでした。
それにしても、新聞を毎日買ったけど、映画の情報は全然載っていませんでしたが、私のスマホはワイファイが繋がるところと繋がらないところがあって、頼りにならずでした。普段パソコンが主でスマホはあまり使っていないので慣れていないこともありますが、ネットを駆使して情報を得る方法、やっと帰る頃にマスターという感じで、いつもちょっと間に合わない私です。
それに昔は昼間に観光して夜中に映画を観にいっていたのに、そういう元気がなくなりました。最後の日も早朝映画に挑戦できればと思っていたのに起きることができずでした。疲れがたまっていたのでしょう。
帰ってきてから、行ったところの情報を調べたりして、次回に行く時に参考にしようと考えてはいるのですが、次回はいついけることやらです。でも来年、アンディのコンサートがあったら行こうと目論んでいる私です。
posted by akemi at 21:43| Comment(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月20日

したコメ 9月17日(日)

映画祭のメインイベント短篇コンペティション「したまちコメディ大賞」です。応募作品の中から厳選した10本を上映、グランプリ、準グランプリ、観客賞が選ばれました。
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審査員:
入江悠、千葉善紀、大山卓也、堂島孝平、いとうせいこう(したコメ総合プロデューサー)
受賞作品:
グランプリ『Windows Updateは突然に』監督:大北 栄人
準グランプリ、観客賞『はりこみ』監督:板垣雄亮

◆入選作品
『アサップ!』/『アパートメントコンプレックス』/『Windows Updateは突然に』/『くたばれ!サムライカメン』/『結婚騒選挙』/『ケンダマスター』/『子供座長』/『なめくじ劇場2017』/『はりこみ』/『目』 ※50音順

◆U-25特別枠作品(25歳以下の若手監督作品)
『就活Days』

◆招待作品 ヨーロッパ企画新作短編集
『マスマティックな夕暮れ』
『ノックは3回、クリックは2回』
『CAIRN remix』
大きな画像はシネジャfacebookのアルバムをご覧ください。
posted by shiraishi at 11:37| Comment(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月16日

したまちコメディ映画祭in台東 前夜祭

したコメ前夜祭に行って参りました。
夕暮れせまる浅草公会堂にはどんどん人が集まってきます。
最初にジャパンプレミアとなる本編の上映、その後ゲストが登場、フォトセッション→トークの流れです。

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◎シネマ歌舞伎『め組の喧嘩』
中村勘三郎(め組辰五郎)、中村扇雀(辰五郎女房お仲)、中村橋之助(四ツ車大八)、中村錦之助(露月町亀右衛門)、中村勘九郎(柴井町藤松)
★2017年11月25日全国公開

中村勘三郎さんが心血を注いだ「平成中村座」の2012年5月公演です。江戸時代の芝居小屋を模した会場で、力士と鳶のメンツと意地をかけた喧嘩が繰り広げられます。武士からの庇護をかさに着た力士から恥をかかされため組の頭(かしら)辰五郎が、女房子どもを残して命がけの喧嘩に出る場面がありました。このロングラン公演の後にガンが見つかり、闘病が始まった勘三郎さんが重なりました。江戸の男たちのエネルギーは画面の中だけでなく、客席まで届きました。ラストに満面の笑みを浮かべた勘三郎さん、勘九郎さんを始め役者のみなさんの姿が残っています。一緒に楽しめたことに感謝。

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上映後、いとうせいこうプロデューサーの司会で中村勘九郎さん、中村七之助さん、冨士滋美(浅草観光連盟会長)さんのトークショー。平成中村座や勘三郎さんの思い出話が語られました。「め組の喧嘩」も機会があればやってみたいという勘九郎さんの言葉に期待を繋ぎます。それにしても勘三郎さんの貫禄と、血の気の多い役だった勘九郎さんの動きの良いこと。着物をぱっとめくったときに見える足や肩にどっきりしました。七之助さんはこのとき新橋演舞場での公演のため、こちらの出演はありません。最後の神輿の場面にちらりと映りますのでお見逃しなく。
明日は10:45からレッドカーペットです。お天気が持つことを祈りつつ。(白)

したコメ公式サイト http://www.shitacome.jp/2017/
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2017年09月10日

『旅する写真家 レイモン・ドゥパルドンの愛したフランス』 監督来日記念トークイベント

『旅する写真家 レイモン・ドゥパルドンの愛したフランス』は、マグナム・フォトに所属した報道写真家であり、近年では映画監督としても活躍するレイモン・ドゥパルドンが、40年以上に渡って撮りためたフィルムを、妻で共同監督でもあるクローディーヌ・ヌーガレと共に1本の映画として綴ったドキュメンタリー。
公開前にレイモン・ドゥパルドン監督とクローディーヌ・ヌーガレが来日致し、9/1(金)に『旅する写真家 レイモン・ドゥパルドンの愛したフランス』来日記念トークイベント付き特別先行試写会が行われました。
『旅する写真家 レイモン・ドゥパルドンの愛したフランス』 
シネマジャーナル作品紹介

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左 レイモン・ドゥパルドン監督 右 クローディーヌ・ヌーガレ監督

日時:9月1日(金) 
場所:アンスティチュ・フランセ エスパス・イマージュ
登壇:レイモン・ドゥパルドン監督、
   クローディーヌ・ヌーガレ(共同監督)
司会:小柳帝(ライター・編集者・翻訳者)

フランスを代表する報道写真家&映画監督であるレイモン・ドゥパルドンが、40年に渡って20世紀の変革が起きた現場で取材を続け、世界中を旅し撮りためてきたフィルムの映像と、現在フランスの田舎町を周り撮り続けている姿を交互に編集したドキュメンタリー作品である。このように、彼の過去と現在をつなぎ合わせることによって、一人の写真家の歩みを描き出す。
これまでの作品を時系列に沿って紹介し、自伝的な構成と、二つの時代を並行して構成した理由を問われると、今作の共同監督であり、レイモンの映像作品の製作・録音を担当してきたクローディーヌ・ヌーガレは、「2性の構成でやってきました。私たちは30年前から映像はレイモン、ナレーションは私が担当してきました。この作品を撮る前の10年間、私たちは農民の生活を映し続けていました。それを終えて自分たちを振り返ってみることが必要だったんです」と、この作品の製作意図を語った。
一方レイモンは、「アイデアとしては、かなり前から倉庫に保存していたアウトテイクのフィルム(編集に使われなかったもの)を、何かの役に立てたいと考えていました。その時私は大判カメラを持ってフランス国内の旅に出発する予定でいるのをクローディーヌは見ていたし、こうした大きなフォーマットで何かしたいと考えました。片方には大判の写真、片方には16mmで撮ったフィルムのかけらが入った缶があった。フィルム缶自体が錆び始めていました。その二つのものを取り合わせたものが、この映画になっています。保存していたフィルムのかけらには音が無かったり、音があっても少なかったり、悪い音だったりしたから、それでナレーションをクローディーヌにお願いした」と裏話を。
またクローディーヌは「若い映画を作りたいと考える人たちに、どうやって映像の人が生まれてくるのか どのようにしてレイモン・ドゥパルドンができてきたかというのを見せたかったんです」と付け加えた。

司会者から、この映画の共同監督でもあるクローディーヌ・ヌーガレさんは元々録音技師の仕事をしていて、この映画の中でも、出会った頃のエピソードも出てくると紹介があった。その上で、撮影しているレイモン・ドゥパルドンを撮っているのはクローディーヌさんなのでしょうか?と質問。クローディーヌさんは「元々国立図書館での展覧会『ラ・フランス』のために写真を撮っていたというのはあるのですが、実際、この映画で使われているレイモンの撮影風景はフィクションです。どのようにして写真を撮影していたか。撮影をしているレイモン・ドゥパルドンの役を本人がしている。何回も撮影をしたので、とても上手に演じてくれました。本物の俳優です(笑)。実はカメラの後ろには15人人がいました」。

「夫婦で映画作りが出来ることを誇らしく思う」と語るレイモン・ドゥパルドンとクローディーヌ・ヌーガレでした。

公式HP


posted by akemi at 21:37| Comment(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月03日

エジプト映画『ヤギのアリーとイブラヒム』上映会  可愛いヤギとエジプトの3つの海を巡る心の旅を楽しみました (咲)

9月2日(土)3時から早稲田大学戸山キャンパスで開かれた「エジプト映画『ヤギのアリーとイブラヒム』東京上映会」に参加してきました。

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ヤギを愛して変人と思われているアリーと、耳鳴りに悩む天才ミュージシャンのイブラヒム。呪術師から、エジプトの3つの海に小石を投げれば悩みは解決するといわれた二人。半信半疑で旅に出る・・・

二人の住むカイロのイスラーム地区から、アレキサンドリア、シナイ半島へと真っ白な可愛いヤギを連れての旅。エジプトの様々な風景と、二人を取り巻く人間模様をたっぷり楽しみました。

国立民族学博物館 開館40周年記念で開催されたもので、大阪の国立民族学博物館では、9月9日(土)1時半から上映会が行われます。
関西の方、ぜひ!
http://www.minpaku.ac.jp/museum/event/workshop/yagi20170909

という次第で、映画の内容と、上映後に行われた監督も登壇したトークの模様を、ネタバレにならないようにご紹介します。

『ヤギのアリーとイブラヒム』
監督:シェリーフ・エル=ベンダーリー
2016年/エジプト・フランス・UAE・カタール合作/アラビア語/98分

カイロの雑踏を行く大きな白熊のぬいぐるみ。
背負っていたアリーが警官に呼び止められる。
中に薬物を隠しているに違いないと、ナイフで引き裂く警官。
恋人ナダへのプレゼントなのに・・・と嘆くアリー。
家に帰るとナダが見当たらない。必死に探すアリー。
浴室に閉じ込められていたナダを見つけ、ほっとするアリー。
実は、ナダは真っ白なヤギ。
母親は、ヤギを溺愛する息子に、「いい加減にしないと殺して食べてやる」と脅す。
変人扱いされていることに悩むアリーは呪術師を訪ねる。
そこには異常な耳鳴りに悩むミュージシャンのイブラヒムも相談に訪れていた。
エジプトの3つの海に小石を投げれば解決すると、小石の入った小袋を渡される。
3つの海とは、地中海、紅海、そしてナイル河!
まずは地中海のアレキサンドリアへ。
破れたシャツを直したいと仕立て屋を探すイブラヒム。
次の目的地への出発が遅くなるといらいらするアリー。
ようやく、次なる紅海をめざしてシナイ半島への乗り合いタクシーに乗り込む。
トイレ休憩の時、イブラヒムにナダを託すアリー。
だが、ちょっと目を離した隙にナダがいなくなってしまう・・・
ナダは無事戻ってくるのか?
そして、二人の悩みは解決するのか?

アリーがヤギを深く愛するようになったのには長い話が・・・と、最初の方で口走る隣人がいたのですが、最後のほうで、観客はやっと長い話の真相を知ることになります。
あ〜切ない。

映画は、聴覚障がい者の方のために、環境音字幕(音響を解説する字幕)付きで上映されました。また、主催者による解説や監督トークの折には、手話も。
イブラヒムの祖父が耳が聴こえないため、手話で会話する場面があることから、このような形での上映会を実現させたとのことでした。

◆映画監督 シェリーフ・エル=ベンダーリーにきく
 聞き手:大稔哲也氏(早稲田大学文学学術院教授)
     相島葉月氏(国立民族博物館・准教授)

印象に残った監督の話を抜粋してお届けします。

ー なぜヤギを選んだのか?
監督:動物ならなんでもOKでした。犬や猫はたくさんいます。のらヤギはあまりいない。それにヤギは美しいと思ったので。

― 最近、インディペンデント映画が大きな流れになっています。財源を海外に求めて自由に製作しています。本作は娯楽性もあって、エジプトでロードショーもされています。本作をどのように位置づけされますか?
監督:ただただ「映画」です。低予算のインディペンデントと、商業映画という分け方をされるけど、監督として分類されることは好ましいと思っていません。自分の好きなものを作りたいだけです。

― 楽器ウードを選らばれたのは?
監督:音楽担当のアフマドと1年近くかけて音楽を考えました。ウードを登場人物に演奏させるかどうかも長い間話し合いました。使うと決定したのは、私がウードを好きだから。

― エジプトというと音に溢れています。皆あまり気にしないから「騒音問題」にはならないようですが。

監督:カイロの騒音は、自分にとってほんとは重荷。好きな音楽をかけながら観る景色とのギャップが好きです。

― 黒魔術を登場させたのは?
監督:二人が旅に出るきっかけを作るだけのことです。

― 二人の住んでいるのがイスラミックカイロの中心地で職人も多く住むところです。墓地(死者の町)も近いところ。そこを舞台に選ばれたのは?
監督:私自身カイロの心臓部の出身で、二人が深く繋がっていることを表わしたかったのです。カイロの中でも美しいところでありながら、放置されているところです。

★会場との質疑応答
― 日本では特に女性の間でボーイズラブのジャンルが人気なのですが、アリーとイブラヒムの関係も、友情以上の関係と考えていいですか?
監督:エジプト人は親密に触れ合います。二人の関係を友情以上に感じるのは観る人の自由ですが、僕にはそのような意図はありません。映画を観れば、それは明らかなことと思います。
(注:私自身、観ていて、そのような雰囲気は全く感じなかったし、そも、イスラーム世界では同性愛はタブー。とはいえ、初めてイランに行ったとき、男どうしで手を繋いで歩いている姿をよく見かけてびっくりしたものです。)

― 手話のシーンを入れたのは?
監督:イブラヒムの祖父が聴覚を失った設定だからです。それよりも、手話に国境があることをここにきて初めて知りました。

聴覚障がい者の方から、映画の中の手話はアメリカの手話に近いと感じたとのコメントがありました。

☆どの質問に対しても、沈着冷静に答える監督に唸ったひと時でした。
写真撮影は禁止でしたので、監督の写真を撮ることができず残念!

★シェリーフ・エル=ベンダーリー監督
1978年生まれ。エジプトの新進気鋭の映画監督。2007年に高等映画学院を卒業後、同校で監督論を教える。2006年にショートフィルムを制作し始めて以来、映画祭の公式上映作品に選ばれるなど国際的に高い評価を受けている。『ヤギのアリーとイブラヒム』は初の長編作品。2011年のカンヌ国際映画祭で招待上映されたエジプト革命にまつわる短編フィクション・オムニバス作品『18日』に「夜間外出禁止」という作品で参加。
(国立民族学博物館のサイトより)


posted by sakiko at 19:07| Comment(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする