2017年09月22日

インタビュー2件

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20日(水)
『被ばく牛と生きる』松原保監督
一般公開は10月末ですが、ポレポレ東中野で22日まで開催の福島映像祭で一足早く上映。
松原監督にお時間をいただき、作品についてのお話を伺いました。
これまでにも数々のドキュメンタリーで紹介されてきた浪江町の「べこ飼い」の吉沢正巳さんにフォーカス。国から殺処分を言い渡された警戒区域内の被ばくした牛たち300頭を、吉沢さんは“希望の牧場 ふくしま”で飼い続けています。今も支援してくれる人たち、通い続けるボランティアたちはいますが、6年半経ちました。巷の人の記憶はだんだんと薄れ、あの大災害の話題もニュースに取り上げられることが少なくなっています。義援金は途切れずに足りるでしょうか。牛が生きている限り、吉沢さんは水や餌をやり続けるでしょう。世話をしている人たちの心が折れたり、過労で倒れたりしませんように。
一般社団法人希望の牧場・ふくしま公式ブログはこちら。寄付も受け付けています。
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22日(金)
『地の塩 山室軍平』東條政利監督、主演:森岡龍さん
神保町交差点近くにある救世軍本営にて、試写会とシンポジウム開催。
その前にお二人そろってのインタビューができました。一般公開は10月21日。
年末の社会鍋でよく知られた「救世軍」は、キリスト教の団体でイギリスから日本に伝わりました。現在128の国と地域で伝道、社会事業や教育活動を行っています。
明治初めに岡山県本郷村(現在の新見市)の貧しい農家に生まれた山室軍平(やまむろぐんぺい)は、日本人で初めて救世軍の士官(伝道師)となった人です。9歳で養子に出され、14歳で家出して上京。その後キリスト教に出会います。同志社で学び、伝道に歩き、多くの人へ救いの手を差し伸べました。慈母の「人の役に立つ人になりなさい」という願いどおり、社会福祉に一生を捧げました。大変に勉強熱心で真面目、情熱と行動力に溢れた人を森岡龍さんが熱〜く演じています。苦難のときに必ず支援する人が現れるのも人徳なのでしょう。軍平を応援した実在した人たちとの史実に基づくエピソードがちりばめられています。
他人に関わらず、一人生きるのがクールと思っているような多くの現代人(たぶん)とは“真逆”の軍平の生き方に、心が波立つようでした。

『被ばく牛と生きる』の吉沢さんも、たくさんの隣人愛の種を蒔いた軍平さんも「行動の人」でした。誰もが胸を痛め、心配します。祈る人もいます。この二人は思い悩みながらも、今できること目の前にあることをすぐ始めます。そこを見習いたいです。(白)

★インタビューは10月半ば、シネジャHPの特別記事に掲載予定です。
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2017年04月30日

『ローマ法王になる日まで』はアルゼンチンの軍事独裁政権の過酷な時代を描いた映画。ルケッティ監督にお会いしました!(咲) 

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6月3日に公開される『ローマ法王になる日まで』は、現ローマ法王フランシスコの半生を描いた映画。
予備知識なく試写を拝見。2013年3月、第266代ローマ法王に就任したホルヘ・マリオ・ベルグリオは、イタリア移民2世のアルゼンチン人。266代にして、史上初のアメリカ大陸出身のローマ法王!
宗教的な物語かと思ったら、1970年〜80年代のアルゼンチンの独裁政権時代を中心に描いていて、過酷な時代を経てきたことが、法王フランシスコの弱者への温かい眼差しを作ったことをずっしり感じさせてくれるものでした。
公開を前にダニエーレ・ルケッティ監督が来日されるとの案内をいただき、なぜ独裁政権時代を重点に置いた映画を作られたのかをお伺いしたくて、お会いしてきました。
プロデューサーのヴァルセッキ氏から話を持ち込まれ、自分自身若い頃、政治的に熱心に活動していたことがあって、アルゼンチンの独裁政治について語れることに興味を持ったそうです。監督はカトリック教徒でなく、そうでない人間も感銘を受ける物語だと思ったことが引き受ける決め手だったとのこと。まさに、そこに私も惹かれました。
インタビューの詳細は、後日、お届けします。

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会見2つ:ジョン・ウー監督、セルゲイ・ポルーニン

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4月26日、配給会社GAGA(ギャガ)の2017〜2018年のラインナップ発表に行ってきました。
発表された国内外の31作品はいろいろなジャンルにわたり、公開が楽しみです。
ゲストはジョン・ウー監督。福山雅治とチャン・ハンユーが主演の『追捕 MANHUNT(原題)』は、西村寿行原作「君よ憤怒の河を渉れ」を再度映画化したもの。1976年高倉健主演の第1作は中国で大ヒットしています。
この前東京国際映画祭のイベントで講演を行ったウー監督が、この作品に言及していました。全編日本でロケ、すでにクランクアップして今はポストプロダクション中。2018年に公開予定です。キャスティングやロケ中のエピソードなど、熱く語られました。

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青山の会場から渋谷に移動し、今度はドキュメンタリー『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』(7月15日公開)のセルゲイ・ポルーニンの記者会見へ。
19歳で英ロイヤル・バレエ団の史上最年少プリンシパルに昇りつめながら、後に電撃退団。深い悩みを抱えてダンスと決別するつもりで踊った映像「Take Me To Church」(歌:ホージア)は、1900万回も再生されました。それがやめるつもりだった彼を再起へと導いたのは、ほんとにドラマチックです。
ドキュメンタリーは少年の頃の貴重なホームビデオから、舞台映像、「Take Me To Church」MVの撮影、家族との再会のようすなどが盛り込まれています。目の前のハンサムな青年はとてもシャイで傷つきやすそうで、身体中にあるタトゥーは彼の必須アイテム・防具の一つでは、と思えました。
この翌日、27日には東京藝術大学の奏楽堂(パイプオルガンを備えたコンサートホール)でドキュメンタリーの特別上映とともに「Take Me To Church」のパフォーマンスとトークが行われました。
これも詳しくは後日本誌にて。(白)
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2017年03月11日

3月18日公開『おとなの事情』を製作した事情 パオロ・ジェノヴェーゼ監督インタビュー

おとなの事情   原題: Perfetti Sconociut
監督:パオロ・ジェノヴェーゼ 
出演:ジュゼッペ・バッティストン、アルバ・ロルヴァケル、ヴァレリオ・マスタンドレア、カシア・スムトゥニアク

*ストーリー*
ロッコとエヴァ夫妻は3組の友人たちを家でのディナーに招く。新婚のビアンカとコシモ。倦怠期を迎えた夫婦レレとカーロッタ。失業中で仕事を探している独身のぺぺ。彼女を連れてくるはずが、一人で登場。食事も佳境に入り、エヴァが突然、「ゲームをしない?」と提案する。スマホをテーブルに置いて、メールがきたら読み上げる、電話がかかってきたらスピーカーにするというのがルールだ。
面白そうと、全員、スマホをテーブルに置く・・・

2016年/イタリア/96分/ビスタ/5.1ch/
配給:アンプラグド 
公式サイト:otonano-jijyou.com
★2017年3月18日(土) 新宿シネマカリテ他全国ロードショー

公開を前に来日したパオロ・ジェノヴェーゼ監督にインタビューの時間をいただいていたのですが、風邪でダウン。オフィシャルインタビューをご提供いただきましたので、ここに掲載します。

◎パオロ・ジェノヴェーゼ監督インタビュー
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質問:作品のアイディアはどうやって思いついたのですか? 参考にしたカップルなどいたのでしょうか?

監督:実は知り合いのカップルに起こったことがインスピレーションになっている。男性が事故にあって入院して、女性が病院に向かったとき、彼の携帯を渡された。そこで色んなテキストメッセージをみたらしくて、彼が退院したらすぐに別れたカップルがいたよ。

質問:キャラクターはどのように作り上げたのですか?

監督;イタリア人同士の友情において、知り合った期間が重要だと考えられている。大人でもよく小学校の友人と一緒に時間を過ごしたりする。リッチになった人もいれば、貧乏に苦しんでいる人も。そんな風に色んな人物を登場させたかった。多様性を重視した。ゲイもいれば、結婚して子供もいるカップル、色々触れたかったテーマに沿って、キャラクターを設定した。

質問:中でも印象的なのはビアンカのキャラクターです。

監督:キャラクターに幅を持たせたかった。映画が終わる頃には、7人の誰もが冒頭とは違う場所にいるんだ。ビアンカのキャラクターは、最初は明らかに<善>だが、映画を通して様々な表情をみせることになる。他のキャラクターはどちらかというと白黒の度合いが激しいが、ビアンカは彼女なりに色んな幅がある。そこを描きたかった。

質問:まるで戯曲のような印象を受けます。そうでありながらも決して演劇っぽくはない。どのような工夫がされているのでしょうか?
監督:とにかく脚本のテンポとペースには気を使った。常に動いている躍動感が必要だった。主観のナレーションが入る場合もあれば、他人がその人物について語るときもある。他人に語られることによって、よりキャラクターの輪郭がはっきりしていく。映像も工夫している。テーブルに8人目のスペースがあるように、セットを組んでいる。観客があたかもテーブルに参加している視点で7人の登場人物を撮るために、そこにカメラを設置して撮るようにしたんだ。まるでテーブルの会話に参加しているかのような感覚を生み出すために。観客が実際にテーブルに座って会話に耳を傾けているようにね。それが狙いだった。それ以外は、映像トリックを使う余地はなかった。あからさまに工夫された映像美はこの作品には必要なかったから。

質問:脚本には監督を含め数人がクレジットされています。

監督:脚本を数人で仕上げることにしたのはいいアプローチだった。たくさんのキャラクターがでてきて、たくさんの人生の逸話が交錯する。いろいろな実体験や聞いた話の方が、より印象が鮮明になるのは当然。みんなで色々アイディアを出し合って、そこでベストのものを脚本に取り入れた。1週間に2度集まってアイディアを交換して、集まるたびに執筆した。色々アイディアを整理するために基本的な執筆は自分でやった。そして集まったら原稿を読ませて、色々意見をもらう。色んな意見が聞けるから、作品の内容ともフィットして非常にやりがいのあるプロセスだったね。

質問:会話の中に今のイタリア社会を反映しているようなセリフがでてきますが、これは監督自身のイタリア社会批判ととってもいいのでしょうか?

監督:必ずしもそうではないし、イタリア社会を批判しようと思ったわけではない。ただそういう内容を会話に織り込むことによって、リアリズムを持たせたかった。友達と会話するにあたって、どんなテーマが飛び出すかはわからないからね。

質問:即興は取り入れられているのですか?

監督:ほとんどない。脚本の言葉に忠実なんだ。言葉を慎重に選んで書いているからね。イタリア語は言語として非常に豊かだと思う。同じことを言い表すにも違う表現があるので、どの単語を使うかは非常に重要になってくる。俳優たちには演じる役柄において、長年の友情や親近感を表現するために、多少のかけあいをさせている。その部分のみ即興だ。

質問:人類がテクノロジーにいかに影響されているかというテーマについては?

監督:僕にとってテクノロジーはあくまで人間を描くための手段だ。人間の表と裏という普遍的なテーマを描くために、携帯電話を用いただけだ。普通なら秘密は僕らの頭の中にあるのに、最近では携帯電話というボックスの中に集約されるようになった。決してテクノロジーに危険を感じているのではない。ただ考えてみると、我々がいま常に持ち歩いているものといえば携帯。携帯が与えてくる情報により、我々は解放されるときもある。同時に人間同士のつながり方を変える力を持つし、中毒性さえ引き起こす可能性もある。その点ではどのテクノロジーも同様だ。

質問:近年のイタリア映画についてはどう思いますか?

監督:映画祭に参加させてもらうと、すごくイタリア映画に対して期待度は高いし、実際にとても人気がある。しかし1年を通して、ごくわずかな作品数しか輸出されていないのはとても残念だ。特にコメディは人気がある。ひょっとすると、イタリア国内より海外の方がイタリア製のコメディに期待してくれる傾向があるかもしれない。映画的に注目するべきジャンルとしてみられているようだ。アカデミー賞を受賞したイタリア映画3本『グレート・ビューティー/追憶のローマ』(2013)、『エーゲ海の天使』(1991)、『ライフ・イズ・ビューティフル』(1999)のどれもがコメディだ。娯楽性だけでなくテーマ性も持ち合わせているイタリアンコメディは人気があるようだ。

質問:監督の作品はそんなイタリアンコメディの伝統を引き継いでいるでしょうか?

監督:そうだと思う。ディナーテーブルを中心に話が進んでいくストーリーにしても、特に誇張もされていないごく自然な親密さ、付き合いの長い友人同士の関係性はまさにイタリア独特のものだと言えると思う。ストーリーが展開する設定において非常に説得力のある要素になっているのは間違いない。
posted by sakiko at 22:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 取材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月06日

キネマ旬報ベスト・テン

1月10日に第90回を迎えるキネマ旬報ベスト・テンと個人賞が発表になりました。
詳細はこちら

2月5日(日)文京シビックホールにて表彰式が行われました。
受賞された皆様の写真です(ピントが甘いのは大目にみてくださいませ)。
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posted by shiraishi at 20:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 取材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする