2024年12月01日

秋の映画祭シーズン終わりました(暁)

昨日、11月30日にフィルメックスの授賞式があり(上映は本日12月1日まで)、今年の私にとっての秋の映画祭シーズンは終わりました。9月のあいち国際女性映画祭に始まり、11月23日からの東京フィルメックスまで7つの映画祭に参加し、怒涛の3か月でした。昨日、一段落はしたものの、原稿まとめはこれから。これからが大変です。
私が参加した映画祭は下記です。

あいち国際女性映画祭2024(29回目)9月5日(木)から9月8日(日)
ウイルあいち
ジョージア映画祭2024 8/31(土)〜10/4(金)ユーロスペース
2024東京・中国映画週間 10月22日(火)〜10月29日(火)
TOHOシネマズ日本橋
第37回東京国際映画祭2024 10月28日(月)〜11月6日(水)
有楽町、銀座界隈の映画館
香港映画祭 香港映画の新しい力 Making Waves 11月1日〜4日
恵比寿ガーデンシネマ
第13回シニア女性映画祭・大阪2024 11月16日(土), 17日(日)
とよなか男女共同参画推進センター すてっぷホール
第25回東京フィルメックス/TOKYO FILMeX 2024
11月23日(土) 〜 12月1日(日)  丸の内東映、ヒューマントラストシネマ有楽町

★「あいち国際女性映画祭」は1996年から始まりましたが、1回目から参加しています。途中、コロナ禍などもあり、6回くらい参加していませんが、あとは毎年通っています。今年は4日間で、『盛夏の聲』『ジンセンボーイ』『ミルクティーを待ちながら』『パルバティ・バウル 黄金の河を渡って』『真昼の女』『三つのコードと真実』『わたしの母さん〜天使の詩〜』『一月の声に喜びを刻め』と、8本の作品を観ました。
会場はウイルあいちという女性会館ですが、向いにある「名古屋市市政資料館」を29年ぶりに見学しました。なんとここは、今年前半のNHK朝ドラ「寅に翼」のロケ地になっていたのでした。裁判所の階段のシーンで何回か出てきました。そのことも含め、スタッフ日記にレポートを掲載しています。
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記者会見にて

スタッフ日記
第29回「あいち国際女性映画祭2024」に来ています
http://cinemajournal.seesaa.net/article/504752397.html

★「ジョージア映画祭2024」は、行こう行こうと思っているうちに最終日近くになり、諦めていたら延長され、観ることができました。でも1本。最終日の数日前、映画美学校での試写の後、上の3階にあるユーロスペースに映画を観に行ったら、ジョージア映画祭を主催しているはらだたけひでさん(元岩波ホール)がいて、「ぜひジョージアの女性監督の作品を観て」と誘われたのです。それで最終日に上映された『母と娘』を観ました。
ジョージアで最初の女性監督ヌツァ・ゴゴベリゼはラナ・ゴゴベリゼ監督の母。ヌツァは1930年代、スターリンによる粛正のために流刑された。ヌツァとラナ、二代にわたる映画への取り組みと彼女たちの時代を捉えた作品でした。
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★「2024東京・中国映画週間」は、前売りで4本挑戦しましたが、2本は満席で取れずでした。あとは当日会場に行って、チケットを買いました。できるだけ左右と前に人がいない席を求めてのことです。背が低いので、前に人がいると、画面に入って来てしまうこともあり、混んでいない作品は当日買うのが私流です。最近、中国映画週間の事務局からは案内がなく、この数年は最終日の授賞式?には行っていません。もっとも、ここ数年、中国映画週間の最終日が、東京国際映画祭の初日に重なっていて、私は東京国際映画祭のほうに行ってしまうので、行けない状態ではあります。チケットが取れなかった作品は、スタンリー・トン監督の作品だったりするので、後々、日本公開されるでしょう。それを期待したいです。
『デクリプト』『最高でも、最低でもない俺のグッドライフ』『FPU〜若き勇者たち〜』『アップストリーム〜逆転人生〜』『志願軍 〜雄兵出撃〜』『抓娃娃(じゅあわわ)ー後継者養成計画ー』の6作品を観ました。

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★第37回東京国際映画祭2024 10月28日(月)〜11月6日(水)の10日間、休みの日なしのフル回転。中華圏の映画が好きな私は、今年の映画祭でたくさんの中華圏作品があったので、できたら網羅したかったのですが、チケット争奪戦ではいたらず、ゲットできた作品は2作品だけでした。10月19日のチケット販売の時は、作品のサイトにアクセスしてもなかなか入って行けず、入れた時にはすでにチケットは売り切れになっていました。運よく『娘の娘』は、争奪戦の半ばで入っていくことができて、チケットをゲットできましたが、残りは半分以上あったけど、そのあと、あっという間に売り切れになりました。こんなに早めに入れたのは初めてでした。あとは二人の友人たちが取ってくれたチケット3枚。おんぶにだっこです。いつも争奪戦のチケットの時に思うけど、いつもいろいろな映画やイベントに行くためネットでチケットを買ってている人は、だいたい取れているなと感じます。結局『お父さん』『小さな私』『ラストダンス』『チャオ・イエンの思い』『幼き子のためのパヴァーヌ』は取れず、チケットが取れなかった作品はプレス試写で観ることに。これらの中華圏作品は、プレス試写ではほとんど10時台の上映で、約6日、頑張って起きて参加しました。これまでの映画祭では、10時台の映画は、起きて出かけることができず、ほとんどパスしていましたが、今回は、ここで観れないと、公開されないかもしれないという思いで、頑張って参加しました。また、今年はウイメンズ・エンパワメント部門が新設されたので、この部門の作品もなるべく観ようとしたので、結構な量の作品を観ました。中華圏映画もたくさん。さらにウイメンズ・エンパワメント部門の作品もカバーしようと思うと、身体が一つじゃ足りません(笑)。しかも、舞台挨拶、Q&Aの取材もとなると、走り回って会場にいかなくてはならず、だいぶ諦めました。
映画祭が有楽町・銀座地区に来てから、プレスセンターと映画上映館、プレス試写会場の間が遠くなり、映画祭期間中、プレスセンターに行けるのは2,3回。なんか、もう少し、近いところでできないものでしょうか。かなり疲れました。また、取材が全部ネットで申請しなくてはならなくなり、とてもやりずらい。当日にならないと予定が決まらず、前もっての予約がしにくいのです。それも場所が離れているからということが大きいです。去年から、取材予定席が越えた場合は抽選になりましたが、去年に引き続き、今年もクロージング取材は外れ、参加することができませんでした。東京国際映画祭は4回目から取材し、クロージングの撮影取材は20年以上参加してきたのに、すごく残念です。会場のプレス席が少ないのでしょうか。シネマジャーナルでは、宣伝効果があるとは思えないので強く言えませんが、これまで、ずっと写真と文章で取材してきたので、写真取材できないのはなんだかとても残念です。
そのおかげで、最終日11月6日は、4作品のチケットを買い、ウイメンズ・エンパワメント部門の作品をだいぶカバーすることができました(苦笑)。
東京国際映画祭で観た作品は下記です。中華圏とウイメンズ・エンパワメント部門の作品を中心に21本観ることができました。10本は前売り、当日売りで買ったチケット。東京国際映画祭で観た作品、これまでで最高数かも。
『スターターピストル』『小さな私』『娘の娘』『わが友アンドレ』後半だけ、『チャオ・イェンの思い』『母性のモンタージュ』『赦されぬ罪』『三匹の去勢された山羊』『幼な子のためのパヴァーヌ』『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』『おじいちゃんはデブゴン』『ブラックドッグ』『陽光倶楽部』『怒りの河』『千里江山図』『私の好きなケーキ』『10セカンズ』『徒花』『マイデゴル』途中まで『灼熱の体の記憶』『イヴォ』

★「香港映画祭 香港映画の新しい力 Making Waves」では、チケットが取れたのは『バイタルサイン』 だけでした。他は全然、作品に入って行けずでした。東京国際映画祭以上の倍率です。恵比寿ガーデンシネマでの上映ですが、来年はもっと大きな会場でやっていただけたらと思います。この会場では、ネットでチケットを取るのが苦手な私には歯が立ちません(笑)。長年の香港映画仲間と久しぶりにランチでもと思ったので、一緒に取ってもらったのですが、この作品は去年、東京国際映画祭で観た作品でした。でもルイス・クーがいい味を出していました。

★「第13回シニア女性映画祭・大阪2024」は、シネマジャーナルでも紹介している『30年のシスターフッド』(シネマジャーナル64号、68号)の山上千恵子監督から案内が来て、いつも映画祭開催の案内は載せていたんだけど行ったことはなかった。今回、妹たちと11月18日〜20日に京都の叔父や叔母の家に行くことになり、その前日16日、17日に大阪で行われるこの映画祭に行くことができた。
4年くらい前から、この映画祭を始めた三木草子さんと、この映画祭の記事をシネジャHPに載せるためのデータのやり取りから、好きな音楽の話、勉強している外国語の話など、興味の対象が似ていて、すっかりメル友になっていました。メル友なんて言いていますが、三木草子さんと言えば、「女から女たちへ」を共同発行したり、『女・エロス』(1973)創刊に参加されたリブ運動を牽引してきた方。それ以外に、今回、1980年頃、勉強会などに通ってお世話になった実践的な女性解放運動家小西綾さん、ドキュメンタリー『小西綾 見て考えて生きてきた』が上映されるというので、ぜひ観ておきたかったから出かけることができてよかった。小西綾さんは駒尺喜美さん(夏目漱石作品や源氏物語などをフェミニズムの視点で批判的に読み直した近代文学研究者、法政大学教授)と神楽坂の自宅に「56番館」というスペースをつくり、女性たちが集まっていろいろな活動をする場所を作ってくれました。私は、そこに通っていたのです。というような事情があり、この映画祭に行ってみたかったのです。この映画祭には初めて行ったのですが、70,80年代に顔を合わせていた方も何人かいて、初めてという感じではなく入り込むことができました。それに10日くらい前に、東京国際映画祭、ウイメンズ・エンパワメント部門のイベントにも参加していた浜野佐知監督も来ていました。1日目の上映のあとに交流会があり、参加している人たちとも知り合うことができました。
観た作品は、『夜明けに向かって』『ホームレスを生きる女たち』『小西綾 見て考えて生きてきた』『もっと真ん中で』

★「第25回東京フィルメックス/TOKYO FILMeX 2024」。なぜだか、今年は東京国際映画祭もフィルメックスも、中華圏の映画上映が多く、いつにも増して、たくさんの映画を観ました。チケット申し込み日が、ちょうど大阪、京都(上記)に行っている時で、大阪の伯母の家でパソコンを広げ挑戦したのですが、やり方がよくわからず、席が確保されたと思ったらされていなくて、ホテルに戻ってから、スタッフの咲さんにやり方を聞いてやり直したのですが、すでにオープニングは空きがなく、ゲットできませんでした。すごく残念。妹たちとホテルの同じ部屋だったので遅くまでパソコン作業をするわけにいかず、5作品くらいしか挑戦できなかったので、次の日、帰りの新幹線でもチケットに挑戦。さらに、家に帰ってからも挑戦し、3日かかってチケットをゲット。でも、申し込みが始まった時にすぐゲットできなかったので、結局、希望の席はほとんど取れずでした。合計20作品近くゲットしたのですが、休みもなく毎日映画祭に行かなくてはならないので、さすがに1日くらい休憩日を作ろうと、しぶしぶ中国映画2本を諦めました。少しは慣れてきたとはいえ、ネットでのチケット申し込みが苦手でな私としては、映画祭のシーズンになると頭痛い。フィルメックスで観た作品は19本。これまでで最高かも。
『DIAMONDS IN THE SAND』『サントーシュ』『椰子の高さ』『未完成の映画』『何処』『無所住』『女の子は女の子』『黙視録』『雪解けのあと』『ソクチョの冬』『ベトとナム』『ポル・ポトとの会合』『ベトとナム』『白衣蒼狗』『愛の名の下に』『』『ハッピー・ホリデーズ』『ブルー・サン・パレス』『四月』『スユチョン』


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2024年11月07日

「第37回東京国際映画祭」受賞結果

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c2024 TIFF

コンペティション部門
▼東京グランプリ/東京都知事賞:『敵』(監督:吉田大八)
▼審査員特別賞:『アディオス・アミーゴ』(監督:イバン・D・ガオナ)
▼最優秀監督賞:吉田大八『敵』
▼最優秀女優賞:アナマリア・ヴァルトロメイ『トラフィック』
▼最優秀男優賞:長塚京三『敵』
▼最優秀芸術貢献賞:『わが友アンドレ』(監督:ドン・ズージェン)
▼観客賞:『小さな私』(監督:ヤン・リーナー)

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(C)1998 筒井康隆/新潮社 (C)2023 TEKINOMIKATA

アジアの未来部門 
アジアの未来作品賞
『昼のアポロン 夜のアテネ』(監督:エミネ・ユルドゥルム)

毎年始まる前は長いなぁと思う映画祭。終わってみれば、そうでもなく。
今回はシンポジウムや会見取材は若い(私よりは)方におまかせして、映画鑑賞に専念しました。それでもあれもこれも見逃がした、聞き逃したと反省ばかり。いつまで通えるかは予想もできませんが、ひとまず無事終了して通いきれたことに感謝。
映画祭スタッフのみなさま、わがシネジャのお仲間たち、お疲れ様でした。
すぐFilmexが始まりますが、しばしお休み。(白)

posted by shiraishi at 20:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年11月05日

第37回東京国際映画祭その3(白)

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ミッドタウン日比谷9Fから見る日比谷公園

11月4日(月)
『嘆きの通り』メキシコ/ワールド・フォーカス
アルトゥーロ・リプステイン監督特集5本のうち、1本だけ拝見できた2015年の作品。
あらゆる犯罪が日常の吹き溜まりのような裏通り。年取った娼婦は元締めに稼ぎを取られるが、良い場所にはもう立たせてもらえない。もう一人の娼婦と昏睡強盗をしようと目論んで薬を手に入れる。客として来たのは小人レスラーの兄弟だった。

『小さな私』中国/コンペ
チュンフ―は20歳の脳性麻痺の青年。母親は心配のあまりチュンフ―を束縛するが、祖母は何でも試させてやりたい。チュンフーは身体は不自由でも成績優秀で大学受験を目指している。学費を稼ごうとカフェの面接に応募したり、祖母が注力する楽団を手伝ったりもする。
明るい女の子と出会ったチュンフーはいっとき「普通の男子」に変わる夢を見る。
『少年の君』(2019)の主演俳優イー・ヤンチェンシーが脳性麻痺の青年役。普段しない動きをずっと続けるのは大変だったはず。どれだけ観察したことやら?

『陽光倶楽部』中国/ワールド・フォーカス
ホアン・シャオミンが知的障害の息子役で、病気の母親の世話をするお話なんですが、肝心なところを見逃してしまいすみません。睡眠不足は解消。

11月5日(火)
『チェイン・リアクションズ』アメリカ/ワールド
『悪魔のいけにえ』(1974/トビー・フーパー監督/原題:The Texas Chain Saw Massacre)を絶賛する5人。そのお一人、三池崇史監督は中学生のときに、チャップリンの『街の灯』を観に行ったら満席で入れず、近くで上映していた『悪魔のいけにえ』を観たそうです! 違いすぎです(笑)。それですごく驚いて、映画界に進んで来られたわけで、人生は不思議。そして『街の灯』はいまだに未見だそうです。
ホラー苦手な私は、絶対見ることはないだろうと思っていたのに、その作品の名場面を繰り返し観てしまいました。なるほどと感じるところあれど、一人で全編観る勇気はないです。映画史上の傑作でこれに影響をうけた映画人は多いとのこと。
少年ジャンプ連載漫画「チェンソーマン」の著者、藤本タツキさんもこの映画のチェンソーからイメージしたようですよ。

11月6日(水)
『マルチェロ・ミオ』フランス、イタリア/クロージング
マルチェロ・マストロヤンニの娘、キアラ・マストロヤンニが鏡の中に父の顔を見て、父の人生を生きようとする。男装して父のようにメガネや帽子を身につけ(父娘似ている!)、自分をマルチェロと呼ばせる。母のカトリーヌ・ドヌーヴをはじめ、ファブリス・ルキーニ、ニコール・ガルシア、メルヴィル・プポーらが自分自身を演じている。
クリストフ・オノレ監督・脚本のコメディで、ところどころに真実がまじっているようです。

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2024年11月04日

第37回東京国際映画祭その2(白)

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青空が広がった有楽町

11月1日(金)
『イヴォ』ドイツ/ウィメンズ・エンパワーメント
介護士の女性と患者さんたちの交流。聖人君子であれとは言わないまでも、自分が患者だったとしたらこれはイヤだな。
あとの2本は、平和が続いた日本では想像しにくい悲痛なドラマ。

『春が来るまで』イラン/アジアの未来
『シマの唄』アフガニスタン/アジアの未来

11月2日(土)
『英国人の手紙』ポルトガル/コンペ
アンゴラってどこだっけ?と思いつつ、砂漠を旅する詩人の日々を観る。おしまいまで珍しく眠気もささず。
女性たちがまとうカラフルなプリント布にくぎづけ。

『ペペ』ドミニカ/ワールドフォーカス
ペペはカバの名前。ナレーションの字幕が「我は・・・」と始まったので、想像していたのと違うと知る。

早めに帰宅して週末の作品紹介を準備。オンライン試写を観直すので時間が足りない〜。
アニメーション『Flow』のギンツ・ジルバロディス監督の前作一人で時間をかけて制作した『Away』がAmazonプライムにあったので(U-NEXTにも)、さっそく拝見。台詞なしで進行、静かで想像力が必要なのは同じ。新作は背景や水の描き方など技術も経費も格段に違いました。どちらも好み。

11月3日(日)
『灼熱の体の記憶』コスタリカ、スペイン/ウィメンズ
高齢女性たちが、昔は口に出すことはタブーとされてきた性の話を打ち明ける。
体現するのは女優。今は一番自由で幸せと言えるまでの辛かった年月が長い。タイトルはちょっと離れている気がする。

『孤独の午後』スペイン/ワールド
人気闘牛士たちが、舞台裏で準備するようす、闘牛場でのスリリングな場面が最初から最後まで。もうスペインで観なくてもいいくらい。
けしかけられた挙句殺される牛が哀れです。ゴージャスな衣装や、目にすることのない着替えのようすが見られました。刺繍たっぷりの重い衣装(牛の攻撃から守る?)を着たり、脱いだりするのを男性が手助けしていました。和服の着付けと通じるところがあります。
☆探したら、こんな動画を見つけました。14年前のものでスペイン語。字幕はありません。
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2024年11月01日

第37回東京国際映画祭始まりました!その1(白)

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日比谷ミッドタウン地下通路

●10月28日(月)〜11月6日(水)
https://2024.tiff-jp.net/ja/


=プレス上映鑑賞メモ=
10月29日(火)
『10セカンズ』トルコ/ウィメンズ・エンパワーメント
学校にやってきた母親が、生徒を誘惑した!と女性教師に詰め寄る。教師は落ち着いて対応するが、母親はエスカレートしていく。女優二人の丁々発止のやりとりがすごかった。観客に想像させるラスト。

『お父さん』香港/コンペ
愛妻と一男一女に恵まれ、食堂を経営しているお父さん(ラウ・チンワン)。ある夜、妻と娘が殺され、しかも手を下したのは息子。仲が悪いわけでもない平凡な家族だったのに、なんでこんなことになったのか?怒りも恨みもぶつけられず、宙に浮いたまま、収監された息子のもとに通い続ける。

『劇映画 孤独のグルメ』日本/ガラセレクション
松重豊が監督・脚本・主演。フランス、韓国、日本と思い出のスープを探す旅に出る。ロケ地も出演者も豪華版でした。テレビ東京60周年記念作品と知って納得。
★2025年1月10日(金)公開。

『敵』日本/コンペ
筒井康隆原作 吉田大八監督
妻に先立たれた元大学教授(長塚京三)、フランス文学についての寄稿や公演で生計を立てている。慎ましく平和に暮らしていたが、ある日PCの画面が「敵が来る」という文字でいっぱいになる。残りの人生に必要な金額を算出したり、教え子に妄想を抱いてしまったり、同じ独り身男性を描いた『PERFECT DAYS』より生活を感じた。『由宇子の天秤』の二人(瀧内久美、河合優実)も競演。
★2025年1月17日公開

10月30日(水)
『母性のモンタージュ』香港/ウィメンズ
夫と夫の両親と同居するジェン。待望の子どもを授かったが、出産後は仕事に復帰していつかは自分のベーカリーを持ちたい。完璧な母親でありたいが、夜泣きする赤ん坊に疲れ果てる。
100人いれば100通りの子育てや暮らしがあり、抱える辛苦は誰とも比べられない。自分は何事も「いい加減」だったので楽だったと思い出した。

『劇場版ドクターX』日本/ウィメンズ
天才外科医・大門未知子(米倉涼子)は某国の大統領の手術のため海外へ。東帝大学病院は経営刷新のため、新病院長・神津比呂人(染谷将太)を迎えていた。10年間7シリーズが視聴率トップをかざった医療ドラマ。大門と榊原(岸部一徳)の過去が明らかになる。急逝した西田敏行さんの最後の出演作となった。
★2024年12月6日(金)公開

『アディオス・アミーゴ』コロンビア/コンペ
コロンビアの内戦(千日戦争)末期のころ。革命軍兵士アルフレッドは、行方不明の兄に子どもができたことを知らせたい。知り合った写真屋は父を殺した仇を探している。一緒に旅する二人の前に様々な人間が現れる。
ウエスタン調に作られた、なんでもありの幕ノ内弁当のような映画。ブラックコメディ風味。

『娘の娘』台湾/コンペ
アイシャ(シルヴィア・チャン)には娘ズーアルのほかに、アメリカで若いときに産んで里子に出したもう一人の娘エマがいる。体外受精のため同性パートナーと渡米したズーアルが事故に遭い、受精に成功した胚だけが残された。
台湾の名女優シルヴィア・チャンが出ずっぱり。認知症になったアイシャの母親、アイシャ、アイシャの娘ズーアルとエマ。三世代の女性の母であり、娘である喜びと悲しみが描かれた物語。

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有楽町駅前 チケット売り場

10月31日(木)
『幼な子のためのパヴァーヌ』マレーシア/アジアの未来
家父長制が根強く残るマレーシア。赤ちゃんポストに今夜も赤ん坊が預けられる。生んだものの、育てられない女性が泣く泣く置いていく。ソーシャルワーカーの麗心は妊娠してしまった学生を手助けする。
雇い主にレイプされたり、彼氏に逃げられたりして理不尽な目に遭う女性がいるかと思えば、母系社会の民族で男の子を生んでがっかりする女性も。ラストで民族衣装の女性たちが踊りながら練り歩くのがパヴァーヌ(行列舞踏)なんでしょうか。

『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』日本/アジアの未来
敬太(杉田雷麟)が子供の頃、一緒に山に出掛けた弟の日向が失踪し今も見つかっていない。ある日、母から古いビデオテープが届いた。それは敬太が撮影したもので、日向がいなくなるところが映っていた。霊感のある同居人の司(平井亜門)は、そのテープに良くないものを感じ、処分するよう勧める。薄暗い山の場面が多く、じわじわ怖い日本のホラー。
★2024年1月24日(金)公開

『大丈夫と約束して』スロバキア、チェコ/コンペ
15歳のエニョは夏休み中、田舎にある祖母の家で過ごしている。村の少年たちとバイクで野山を走っているが、早く母親と一緒に暮らしたい。なかなか帰って来ない母の知らない一面を村人の噂から知ってしまう。息子に隠していたことを知られた母の表情が激変するのが怖い。

『Flow』ラトビア/アニメ
大洪水で街が水没していこうというとき、黒猫は流れてきたボートに飛び乗った。乗っていたのはカピバラ、次に犬、ワオキツネザル、大きな白い鳥が乗船してきた。様々なできごとに遭いながら彼らは仲間となっていき・・・
それぞれの動物の特徴や性格が笑いを誘う。人は全滅したのか、動物だけが登場、水も森もゴミひとつなく美しいばかり。海には鯨もいる。人間がいなければ地球は楽園だ。ギンツ・ジルバロディス監督の前作『Away』も必見。
★2025年3月14日(金)公開

『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』日本/コンペ
大九明子監督とTIFFというと『勝手にふるえてろ』(2017)『私をくいとめて』(2020)が浮かぶ。今作も若手俳優(萩原利久、河合優実、伊東蒼)そろっています。黒崎煌代(こうだい)さんは名前が出てきませんでしたが、朝ドラ「ブギウギ」、映画『さよならほやマン』でも主人公の弟役をしていましたっけ。
★2025年4月公開 https://kyosora-movie.jp/
posted by shiraishi at 01:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする