10月5日
前回2021年はコロナの影響でオンラインでの開催でしたが、4年ぶりの現地開催ということで、オープニングから熱気があります。私は2015年からこの映画祭に参加していますが、オープニングはこれまで3回参加しています。いつも30分くらい前に会場の山形市中央公民館に行っていたのですが、今回は問い合わせが多かったということで、12時から整理券が出ることになり、私も少し早めに行きました。マスコミのオープニング取材の受付が15時からということだったので14時半ころ目指していくことにしました。
ホテルに13時50分頃着き、必要のない荷物を預けて、公民館に向かったのですが、ミニバスの運行経路が変わっていて、西循環という方向に行ってしまい、途中のバス停で降りて、そこからタクシーで会場へ。スズラン街のバス停からバスに乗り、山形駅からそのまま引き続き乗っていけば七日町に着くと思っていたら、途中で見たことがない景色が出てきて、方向の違うバスに乗ってしまったことに気がついたのですが、どうしたらいいかわからずにいたら、運転手さんがバスの運行会社に連絡してくれて、なんとタクシーを手配してくれました! そして「少し先のバス停で降りて、待っていたらタクシーが来るから」と言われました。待っているとタクシーが来て、それで無事間に合いました。
余裕と思っていたのに会場に到着したのは14時50分頃。オープニングの取材を申し込んでいたので、なんとかマスコミ用整理券に間に合いました。一般の人の整理券は、もっと前に配布予定枚数を配ってしまったようです。15時すぎに山形に着いた友人たちは整理券に間に合わずでした。シネジャスタッフのSさんも合流し二人での取材。
17時に開会式が始まり、映画祭の理事の方の挨拶や山形市長のあいさつのあと、オープニング作品の上映が始まりました。
闘病生活を続け、2023年3月に逝去した音楽家 坂本龍一さんが最後の力を振り絞って演奏したピアノによるソロ演奏を記録した『Ryuichi Sakamoto | Opus』。2022年9月、東京のNHK 509スタジオで行われた撮影だそうです。「Merry Christmas Mr. Lawrence」、2023年に発表された最後のアルバム「12」からの楽曲など、自身で選曲した20曲から構成。監督は坂本龍一の息子で映像作家の空音央(そらねお)。監督によると、カメラ3台で撮った映像を編集したとのこと。
私自身は坂本龍一さんの音楽をよくは知らないので、知っている曲は2,3曲でした。また坂本龍一といえば電子音楽というイメージだったので、ピアノでの演奏というのは新鮮でした。貴重な記録を残してくれました。見ている間は、どこで撮影しているのだろうと思っていたけど、NHKのスタジオだったんだ。随分天井の高いところと思ったけど、このくらい天井が高くないと音が響かないんだろうなと思った。
空 音央監督は舞台挨拶で「山形国際ドキュメンタリー映画祭は憧れの映画祭で、いつか一観客として行ってみたいと思っていた映画祭だったので、この作品が招待されたことをとても光栄に思います」と語っていた。その後、3日くらい空監督をフォーラム山形周辺で見かけたので、映画祭を堪能していたのではないでしょうか。
この作品は来年一般公開される予定だそうです。
『Ryuichi Sakamoto | Opus』監督:空音央(そら ねお)/日本/2023/103分
映画が終わってSさんと一緒に外に出て、七日町で食事をしてから帰るかタクシーで宿に近い山形駅のほうに行って食事をするか迷っていたら、ちょうどタクシーが通ったので、ホテルのほうに行くことにしました。今、タクシーの運転手が少なくて、20時以降はほとんど走っていないと聞いていたので、すぐにタクシーが来たのはラッキーでした。この日は山形に着いた時に雨が降っていたので、ホテルまでもタクシーを使ったので、1日で3回もタクシーを使う羽目に。公民館からすずらん通りにあるホテルのあたりまでだと1000円くらいでした。明日からはなるべくタクシーを使わなくて済むよう観る作品を組合さなくては。この日はホテル近くでジンギスカン定食を食べました。映画祭が終わったら蔵王温泉にジンギスカンを食べに行こうと思っていたのですが、行けないかもしれないと思い、店をみつけて思わず入ったのですが、肉が固かったので聞いたら、蔵王の羊の肉ではなく輸入の肉とのことでした。蔵王では今、羊を飼っていないと言っていたけどそうなのかな?
(13日に蔵王温泉にジンギスカンを食べに行けました。やはり羊を飼ってはいるようです。生の肉でとても柔らかかったです)
10月6日(金)
11:00〜 地の上、地の下 フォーラム山形5
13;30〜 ホーム・ストーリー フォーラム山形5
17:40〜 ホワット・アバウト・チャイナ?中央公民館
昨日の経験があったので、なるべく会場を変えないか、フォーラムと市民会館のように隣り合わせの上映会場を組み合わせて作品を決めました。観たい作品のリストは山形に来る前に書き出してあったけど、重なっているものがたくさんあるので、上映が2回あるものについては後の日程にするとか組み合わが難しい。あまり後の日程に回すと、後の日程で重なってくるので、それもよく確認し観る作品を決めました。終わる時間も載せていてくれるのでありがたかったけど、監督などとのトークもあったりするので、その時間も考えて、昼食や夜ご飯をどのタイミングで取るかということも大事なスケジュール調整です。でも、以前よりフォーラムの近くに食堂が増え、だいぶ楽になりました。以前は食べはぐれることも多かったので、必ずパンを持って出ていました。
この日は当初、市民会館で上映される『紫の家の物語』を予定していたけど、終わってから次の『ホーム・ストーリー』まで10分しかなく移動時間を考えると厳しいので、同じ会場の『地の上、地の下』に変更。正解でした。ミャンマーで建設予定のダムにたいする反対運動をしている若者たちを追った作品でした。
昼食時間も取れました。フォーラムの道路の斜め向かいにいくつかある店のうち蕎麦屋さんに入り、山形名物肉蕎麦を。冷たい蕎麦にしたけど、温かい蕎麦のほうが良かったかも。
『ホーム・ストーリー』は、内戦により、シリア・ダマスカスのお気に入りの家を出てカイロに暮らす監督の、ダマスカスの家に対する思いと映画に対するオマージュを語った作品だった。
この日、3本目は公民館に移動して『ホワット・アバウト・チャイナ?』。ベトナム出身のトリン・T・ミンハ監督の作品。客家(ハッカ)の大型円形集合住宅を舞台に音楽、詩作などを組み合わせたアート作品。
公民館ホールのほうに行き始めたら、横の椅子に座っている女性が挨拶したので見たら、なんと2015年に初めて山形に来た時インタビューした香港の江瓊珠(コン・キンチュー)監督でした。もうひとりの郭達俊(クォック・タッチュン)監督とはメールでやり取りして、HPに掲載した記事のことを知らせていたけど、彼女は見ているだろうかと思い、その場で下記のページを開けて、「見ましたか?」と聞いたら、「見ました」と答えたので一安心。片言の北京語が通じて嬉しかった。次の日、フォーラム山形で、今度は2017年にインタビューした陳梓桓(チャン・ジーウン)監督に会った。江瓊珠監督も陳梓桓監督も、今回は自分の作品はないけど映画を観たいと参加したとのこと。
二人を取材した記事は下記に
シネマジャーナルHP 特別記事『革命まで』2015年 香港
郭達俊(クォック・タッチュン)監督&江瓊珠(コン・キンチュー)監督インタビュー
『乱世備忘 ― 僕らの雨傘運動』陳梓桓(チャン・ジーウン)監督
http://www.cinemajournal.net/special/2017/yellowing/index.html
終わってから、同じくオープニングに参加したシネジャスタッフのSさんとご飯を食べようということになり、七日町でとも思ったけど、夜遅くなるとタクシーは走っていないので、通りかかったタクシーを拾い、二人の宿泊ホテルのそばまで戻った。新幹線で山形駅に着いた時も歩いてホテルまで行く予定だったのに雨が降っていたので、そこでもタクシーに乗っていたのでこの日だけで3回もタクシーに乗るはめに。明日からの映画鑑賞の時もタクシー移動が多いかもと思ったけど、フォーラムや市民会館での鑑賞が多いので、そのあとは意外に乗らなくてすんでいる。
10月7日(土)
10:00〜 原爆許すまじ 松川事件 市民会館小ホール
12:40〜 平行世界 フォーラム5
17:40〜18:54 我が理想の国 フォーラム3
今回、フォーラム山形から5分くらいのところにあるホテルを予約した。山形国際ドキュメンタリー映画祭のライン仲間であるKさんの定宿で、紹介してもらった。これまで使っていたホテルの2倍の値段なので迷ったけど、以前の所は椅子もなく、机も小さいのでパソコン作業をするには不便だったし、今回4年ぶりの映画祭というのもあり、ちょっと贅沢した。でも歩くのにかなり時間がかかるようになったし、あまり長くは歩けないので、今回、このホテルにして正解だった。フォーラムは市民会館に行くのには歩いて行けるので、なるべくこの2か所で観ることができる作品を選び鑑賞。
この日寝坊して、朝食時間ラストの9時ころ食堂に。なので、1本目を観終わったあと、全然お腹はすいていないけど、次の作品を観たあとだと16時ころになってしまうので、やはり食べることにした。以後、毎回、10時頃始まる回に行くと11時半ころに終わるので、お腹がすいてなくても昼食を食べるというパターンに。スケジュール表に、終わる時間が書いてあってありがたいけど、Q&Aがあるかどうかを忘れずにチェックしておかないと昼ごはんを食べそこなうことになる。
この日は「野田真吉特集:モノと生の祝祭」より『原爆許すまじ』と『松川事件 真実は壁を透して』を最初に。実は野田真吉さん名前は聞いたことがなかったけど、この作品、あるいは事件についてはずっと気になっていたので観に行った。この日寝坊してしまったので、会場についたら15分くらい前になってしまった。着いたらほぼ満員状態。びっくりした。今回の為にフィルムをリニューアルしたと言っていた。
『原爆許すまじ』は、日本の平和運動の仲間たちが2万人も集い、歌声運動の人たち大集合的な催しを記録したもの。大合唱に、あの頃の平和運動の熱気を感じた。『松川事件 真実は壁を透して』は「松川事件」の名はよく聞くけど、どういう事件だったのか知らなかったので、大いに勉強になった。それにしても、「三鷹事件」など、その時代に鉄道関連の事件が続けて起こっていたとは知らなかった。
この日は16:40〜『壊された囁き』を入れようと思ったけど、『平行世界』のトークが終わったのは16:15頃。昼食を食べていなかったので、
ここはランチ&少し長い休憩タイムに。フォーラムの隣の喫茶店に行ったけど、満席だったのであきらめ、駅前通りに出てモスバーガーに。できれば全国展開のチェーン店は避けたいけどしかたない。久しぶりにライスバーガーを食べた。
最後は『我が理想の国』。インドにおけるイスラム教徒の状況を知った。