2022年11月21日

10月31日(月)東京国際映画祭7(白)

プレス上映
『エドワード・ヤンの恋愛時代』(′94)(台湾)ワールドフォーカス
ずっと観たいと思っていた作品。
濱口竜介監督がトークショーに登壇。「この作品は権利関係が難しく台湾でも上映されていなかった。ベネチア国際映画祭にレストア版が出品されたことで、日本での上映が実現した。ヤン夫人に連絡して今回の4Kレストア版上映がかなった」と紹介(アーカイブで視聴)。

TIFFでは同じ台湾のツァイ・ミンリャン監督の「ツァイ・ミンリャン短編集」4作品上映、フィルメックスでは共催上映「ツァイ・ミンリャン監督デビュー30周年記念特集」も。
フィルメックスは1本も鑑賞できず。

『鬼火』(ポルトガルほか)ワールドフォーカス
『鳥類学者』(16)のロドリゲスが消防士として働く白人青年と黒人青年のラブ・ストーリーを様々なジャンルを混交させて描いた作品。特にミュージカル風演出が見事である。カンヌ映画祭監督週間で上映。

一日も休まず通っていたらここにきて疲れが出てきました。不覚にも寝落ちしてしまって記憶が半分ほどしかありません。やれやれ。
残り少なくなって、どの作品がよかったとか、グランプリの予想などすると自分が観られなかった作品が気になって、いまさらながら残念。
プレス上映の会場のシネスイッチ銀座で、空き時間にランチや軽食をとっていますが、一般上映の会場をあちこち動かねばならない観客はやはり不便。六本木のころのように、もう少し会場をまとめてもらえたらありがたいのですが。(白)
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10月30日(日)東京国際映画祭6(白)

プレス上映
『クローブとカーネーション』(トルコ、ベルギー)アジアの未来
冬景色の南東アナトリア。年老いた難民の男は孫娘を連れ、亡妻の遺体の入った棺桶を引きながら帰国をめざす。しかし戦時下の国境を越えるのは難しく、さらなる困難が降りかかる。平和への希求が伝わる静謐なロードムービー。
男は妻の遺言をかなえようと粗末な棺をひいて故郷へと向かいますが、道ははるかに遠いのです。孫娘は始まりのころ、おもちゃで遊んでいたりしてあまり助けになりませんが、人に出会うたびに成長しているのに、ちょっとホッとします。

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c2022 - CHI-FOU-MI PRODUCTIONS - GAUMONT

『タバコは咳の原因になる』(フランス)ワールド
そろいのバトルスーツに身を包んだフランス発大人向けゆるい戦隊もの。日本の戦隊ものではたいてい女性隊員は1人でしたが、フランスでは5人のうち2人です。スーツは伸縮性はよさそうですが、防御力は高くなさそう。あんまり戦闘もしないので、まぁいいか。

『アルトマン・メソッド』(イスラエル)アジアの未来
空手道場の指導者の夫ウリ・アルトマンがパレスチナ人のテロリストを制圧したことで、ニュースとなる。注目を集め生徒が激増し、経営不振だったのが立ち直った。妊娠中の妻ノアは、夫の話に疑いを持ち始め、真実が明らかになる。
「制圧」と言っていますが、女性を抑え込んだだけでなく搬送中に死亡したので殺害です。イスラエルで働いているパレスチナ人の女性をテロリストとみなした証拠は何だったのか、ウリの説明だけで、証拠も明確ではありません。パレスチナ人がどういう立場にいるのかが見えてきます。
道場で初心者たちが、組手(相手と戦う)をしていたので、いやいやそこは型(一人)からじゃないの?と思ってしまいました。(白)
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10月29日(土)東京国際映画祭5(白)

プレス上映
『第三次世界大戦』(イラン)コンペ
シャキーブは震災で妻子を失った中年男性。母親がろう者だったので手話ができ、ろうあの売春婦となじみになる。日雇い労働にいくと、第二次世界大戦の映画のロケ現場だった。ヒトラー役の俳優が急に降板し、エキストラのシャキーブが代役に抜擢される。セットの邸宅に泊まれることになったが、売春宿から逃げ出したラーダンが転がり込んでくる。昼間は床下に隠して匿うことにしたが…。監督は俳優としても活躍するホウマン・セイエディ。ろうあのヒロインを演じたマーサ・ヘジャーズィさんのインタビュー(by咲)はこちら
意外な設定で、こうくるか!というストーリーが進んでいきます。監督は来日できず、手話を4か月特訓して臨んだマーサさんが一人舞台挨拶やティーチインに登場。とても面白かったので公開になりますように。
★審査委員特別賞を受賞

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(C)YAMAONNA FILM COMMITTEE
『山女』(日本、米)コンペ
18世紀後半、東北。冷害による食糧難に苦しむ村で、人々から蔑まれながらも逞しく生きる少女・凛。彼女の心の救いは、盗人の女神様が住むと言われる早池峰山だった。
福永壮志監督が「遠野物語」にインスピレーションを受けて作った作品。ヒロインの凛を山田杏奈さん。村の中でただ一人凛を気遣う泰蔵を二ノ宮隆太郎さん(2019年の『お嬢ちゃん』監督以後、俳優業が続いています)。2023年公開予定
『リベリアの白い血』福永監督インタビュー(2017)はこちら

『ファビュラスな人たち』(イタリア)コンペ
トランスジェンダーの女性たちが暮らすヴィラを舞台に、意に反して男装で埋葬された友人の遺志を叶えようとする住人たちを描く。コミカルな中にトランスジェンダーとして生きることの難しさが浮かび上がる。ロベルタ・トッレ監督
わりと重めの社会派作品が多いコンペ部門で、珍しくコミカルな作品。プロの俳優ではないトランスジェンダーの方々が出演しています。脚本どおりにしなければいけない降霊術のシーン以外は、即興で彼女たちから出た言葉をそのまま使っているシーンも多いそうです。
(白)


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10月28日(金)東京国際映画祭4(白)

今ごろの記事追加で、すみません。
パソコンが止まった28日の分から追記します。

プレス上映
10月28日(金)
『This Is What I Remember』(キルギスタンほか)コンペ
『馬を放つ』(17)で知られるキルギスを代表する映画作家アクタン・アリム・クバトの最新作。ロシアに出稼ぎに行っている間に記憶を失い、20年ぶりにキルギスに戻ってきた男とその家族を描くドラマ。
キルギスは遥か遠くにある自然がいっぱいの国というイメージでしたが、映画ではたくさんのゴミがあちこちに捨てられているのにびっくり。記憶を失った男性は、ロシアではゴミ収集の仕事をしていたそうです。手順が身についているのか、ゴミを見つけると片付けていくのになんだかしんみりしました。
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c Nezouh LTD - BFI - Film4

『ヌズーフ/魂、水、人々の移動』(英、シリアほか)ユース
戦火の中のシリア、ダマスカスに住む家族。爆撃で屋根に大きな穴が開いてしまい、そこに住み続けるか移住するかで夫婦の意見が割れていさかいに。14歳の娘の天井の穴から近所の男の子が声をかけ、思いがけない交流が生まれます。屋根の上の二人が見上げる夜空は美しいのに、戦争は止まりません。ヴェネチア映画祭オリゾンティ・エキストラで上映され、観客賞を受賞..

『アヘン』(インド)アジアの未来
「宗教はアヘン」と言ったのはマルクスだが、コメディ、社会派、ディストピアSFなど様々なジャンルの5つの短編から構成された本作は、インドの宗教事情を多角的に浮上させようと試みている。
タイトルにはなっているけれど、アヘンは登場しません。上のマルクスの言葉から宗教に関わる様々な事柄を構築したのだとか。後になるにしたがってましになっています、と監督。日本でも被害者救済法成立したばかり。どんなこともハマり過ぎてはいけません。
(白)
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2022年11月04日

東京国際映画祭 イラン映画 2作品とも受賞♪  (咲)

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審査委員特別賞を受賞した『第三次世界大戦』

10月29日までの「中東の作品を追いかけた行動記録」の続きです。

10月30日(日)
★10:45〜12:28 アジアの未来 『クローブとカーネーション』
冬の南東アナトリア。年老いた難民の老人が孫娘を連れ、亡き妻の遺体の入った棺桶を引きながら国境をめざす。なかなか乗せてくれる車はない・・・  言葉の通じない地で、手助けしてくれる人も。故郷に埋めてあげたいという老人の思いに、しんみり。
ストーリーとQ&Aはこちら

名古屋のミッキーさんのリクエストで、再び東銀座のマトリキッチンへ。 またまたキエフカツレツをいただきました。
同じ映画を観ていた(白)さんも一緒に。
(白)さん、パソコンが壊れたとのことで嘆いていました。(スタッフ日記や作品紹介などの更新ができないそう・・・)

★13:45〜15:26 アジアの未来 『アルトマン・メソッド』 
イスラエル。女優のノアは妊娠中。アパートの清掃をしている黒ずくめのアラブ女性に、床が濡れているので、きちんと綺麗にするよう注意する。そんな折、空手道場の経営不振にあえぐ夫が、清掃員に成りすましていたテロリストを「制圧」したことが評判となり、道場は危機を脱する・・・
制圧した場面は映されず、正当防衛だったと語る夫の言葉のみ。アラブ人=テロリストが一人歩きする悲しさ。妻ノアが真実を見抜いたことに救われた思い。

★16:30〜18:07 コンペティション『1976』 
1976年、ピノチェト独裁政権下のチリ。裕福な医師の妻カルメンが、司祭から負傷した青年をかくまってほしいと頼まれたことより、平穏な日常を壊される・・・  今も、世界の各地で命がけで反体制運動に身を投じる人たちがいることに思いが至りました。


10月31日(月)
◇12:42 13:11 『アルトマン・メソッド』 Q&A取材
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ナダヴ・アロノヴィッツ(監督/脚本/プロデューサー/編集)、マーヤン・ウェインストック(俳優)、ニル・バラク(俳優)

夫が、清掃員を装ったテロリストのアラブ女性からナイフで刺されそうになったので「制圧」したという場面を映像で見せなかったのは、この物語を妻の目線で描いたからと監督。なるほど!と納得でした。

『アルトマン・メソッド』 Q&A報告はこちらで!


★13:25〜15:10コンペティション 『This is What I Remember』 
キルギスの村。クバトは、ロシアに出稼ぎに行き20年間行方不明になっていた父ザールクを見つけて連れ帰る。母は同じ村の男と再婚していて、夫が帰ってきたことを内心喜ぶのですが、ザールクは記憶を失っていて、自分の妻のことも思い出せないのです。(再婚しているので、かえって幸い?) あることがザールクの記憶を呼び戻しそうなラストに、ほろっとさせられました。
アクタン・アリム・クバト監督Q&A報告はこちらで! 


◆15:50-16:20 『第三次世界大戦』主演女優マーサ・ヘジャーズィさんに個別インタビュー
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小さい頃に抱いた役者になりたいという夢を叶えたこと、短編映画を撮る準備をしていること、本作のために手話を4か月習ったことなどお伺いしました。
また、本作は、映画の撮影現場を映し出していて興味深かったのですが、重要な場面として出てくる食事場面は、実際に本作のスタッフやキャストが一緒に食事をしている姿そのもの。冒頭近くの場面では、エキストラの人たちが床に座って食事しているのですが、これは監督の演出。ほんとは、エキストラの人たちも椅子に座って食事していたそうです。
インタビューと物語の詳細はこちら

★17:05〜18:52 『第三次世界大戦』
再度、拝見。マーサさんにいろいろお話を伺った直後で、前回と違った目で観ることができました。

映画を観終わって、暁さんと一緒に、東京国際映画祭「交流ラウンジ」(有楽町micro FOOD & IDEA MARKETに設置)へ、初めて行ってみました。
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インドネシア風カレーをいただきました。美味しかったです。

◇19:50〜20:12『第三次世界大戦』Q&A取材。
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マーサ・ヘジャーズィさん(右)と、通訳のショーレゴルパリアンさん。
男性3名からの質問が、申し訳ないのですが、つまらない内容でした。マーサさん、上手にかわして、素敵な回答をされました。
会場には、在住のイラン人の姿も結構見かけました。
Q&A報告はこちら

11月1日(火) 休養日に。
夕方6時から、オンラインによる、多文化教育研究プロジェクト連続セミナー第5回「イランの殉教劇(タァズィエ)と多文化の出会い」(山岸智子さん)。
映画祭で、どうしても観たい映画は運よくなかったので、この魅力あるテーマのセミナーを優先。
25日から連続7日映画祭に通ったので、久しぶりに一日家にいて身体を癒しました。

11月2日(水)
東京国際映画祭クロージングの取材は、暁さんに任せて、東京フィルメックスで3本鑑賞。
(東京フィルメックス3本の感想は、別に後日!)

★12:15 - 14:07『地中海熱』(マハ・ハジ監督)
★15:10 - 16:55『ダム』(アリ・チェリ監督)


次の映画まで時間があったので、東京国際映画祭のプレスセンターでクロージングの中継を観ることに。到着したら、ちょうどアジアの未来部門の発表。
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おぉ〜なんと! 我がイランの『蝶の命は一日限り』が作品賞受賞!
モハッマドレザ・ワタンデュースト監督には、いくつかの映画の上映後にお会いし、「今の映画どう思った?」と聞かれ、「よかったけど、もちろん、あなたの映画が一番!」と言っていたのでした。(お世辞じゃなく、本心です♪)
リアルタイムで、監督の喜びの言葉を聴くことができました。
作品賞受賞、おめでとうございます!

東京国際映画祭 イラン映画『蝶の命は一日限り』モハッマドレザ・ワタンデュースト監督 Q&A報告(咲)


★18:00 - 20:42『Next Sohee(英題)』(チョン・ジュリ監督)

上映が終わってすぐ、東京国際映画祭コンペティション部門の受賞作品をチェック。

『第三次世界大戦』、審査委員特別賞!
東京グランプリは逃しましたが、受賞はとにかく嬉しい♪

家に帰ってすぐ、クロージングと記者会見のYoutubeのイラン作品の部分を観てみました。
記者会見は、『蝶の命は一日限り』のモハッマドレザ・ワタンデュースト監督と、『第三次世界大戦』マーサ・ヘジャーズィさんが一緒に登壇し、ショーレ・ゴルパリアンさんの通訳で、約30分。 こんなことなら、記者会見取材に行けばよかった! 直接、お祝いの言葉を伝えることができたのにと残念でした。(受賞はもちろん期待していたのですが、ほんとに受賞するとは!)

今年も、中東やイスラーム文化圏絡みの作品を優先して予定を組んだのですが、下記3作品は観ることができませんでした。残念!
『ライフ』(カザフスタン)
『アヘン』(インド)
『コンビニエンスストア』(ウズベキスタン人女性の目を通して描いたモスクワのコンビニ)

中華圏や韓国に比べ、中東やイスラーム文化圏絡みの作品は多かったので、私にとっては充実の東京国際映画祭でした。



posted by sakiko at 02:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする