2023年10月09日

山形国際ドキュメンタリー映画祭2023に来ています(暁)

4年ぶりに山形で行われている山形国際ドキュメンタリー映画祭。今年(2023年)は、10月5日(木)〜12日(木)の開催期間ですが全日いる予定です。

10月5日
前回2021年はコロナの影響でオンラインでの開催でしたが、4年ぶりの現地開催ということで、オープニングから熱気があります。私は2015年からこの映画祭に参加していますが、オープニングはこれまで3回参加しています。いつも30分くらい前に会場の山形市中央公民館に行っていたのですが、今回は問い合わせが多かったということで、12時から整理券が出ることになり、私も少し早めに行きました。マスコミのオープニング取材の受付が15時からということだったので14時半ころ目指していくことにしました。
ホテルに13時50分頃着き、必要のない荷物を預けて、公民館に向かったのですが、ミニバスの運行経路が変わっていて、西循環という方向に行ってしまい、途中のバス停で降りて、そこからタクシーで会場へ。スズラン街のバス停からバスに乗り、山形駅からそのまま引き続き乗っていけば七日町に着くと思っていたら、途中で見たことがない景色が出てきて、方向の違うバスに乗ってしまったことに気がついたのですが、どうしたらいいかわからずにいたら、運転手さんがバスの運行会社に連絡してくれて、なんとタクシーを手配してくれました! そして「少し先のバス停で降りて、待っていたらタクシーが来るから」と言われました。待っているとタクシーが来て、それで無事間に合いました。
余裕と思っていたのに会場に到着したのは14時50分頃。オープニングの取材を申し込んでいたので、なんとかマスコミ用整理券に間に合いました。一般の人の整理券は、もっと前に配布予定枚数を配ってしまったようです。15時すぎに山形に着いた友人たちは整理券に間に合わずでした。シネジャスタッフのSさんも合流し二人での取材。

17時に開会式が始まり、映画祭の理事の方の挨拶や山形市長のあいさつのあと、オープニング作品の上映が始まりました。
闘病生活を続け、2023年3月に逝去した音楽家 坂本龍一さんが最後の力を振り絞って演奏したピアノによるソロ演奏を記録した『Ryuichi Sakamoto | Opus』。2022年9月、東京のNHK 509スタジオで行われた撮影だそうです。「Merry Christmas Mr. Lawrence」、2023年に発表された最後のアルバム「12」からの楽曲など、自身で選曲した20曲から構成。監督は坂本龍一の息子で映像作家の空音央(そらねお)。監督によると、カメラ3台で撮った映像を編集したとのこと。
私自身は坂本龍一さんの音楽をよくは知らないので、知っている曲は2,3曲でした。また坂本龍一といえば電子音楽というイメージだったので、ピアノでの演奏というのは新鮮でした。貴重な記録を残してくれました。見ている間は、どこで撮影しているのだろうと思っていたけど、NHKのスタジオだったんだ。随分天井の高いところと思ったけど、このくらい天井が高くないと音が響かないんだろうなと思った。
空 音央監督は舞台挨拶で「山形国際ドキュメンタリー映画祭は憧れの映画祭で、いつか一観客として行ってみたいと思っていた映画祭だったので、この作品が招待されたことをとても光栄に思います」と語っていた。その後、3日くらい空監督をフォーラム山形周辺で見かけたので、映画祭を堪能していたのではないでしょうか。
この作品は来年一般公開される予定だそうです。
『Ryuichi Sakamoto | Opus』監督:空音央(そら ねお)/日本/2023/103分

映画が終わってSさんと一緒に外に出て、七日町で食事をしてから帰るかタクシーで宿に近い山形駅のほうに行って食事をするか迷っていたら、ちょうどタクシーが通ったので、ホテルのほうに行くことにしました。今、タクシーの運転手が少なくて、20時以降はほとんど走っていないと聞いていたので、すぐにタクシーが来たのはラッキーでした。この日は山形に着いた時に雨が降っていたので、ホテルまでもタクシーを使ったので、1日で3回もタクシーを使う羽目に。公民館からすずらん通りにあるホテルのあたりまでだと1000円くらいでした。明日からはなるべくタクシーを使わなくて済むよう観る作品を組合さなくては。この日はホテル近くでジンギスカン定食を食べました。映画祭が終わったら蔵王温泉にジンギスカンを食べに行こうと思っていたのですが、行けないかもしれないと思い、店をみつけて思わず入ったのですが、肉が固かったので聞いたら、蔵王の羊の肉ではなく輸入の肉とのことでした。蔵王では今、羊を飼っていないと言っていたけどそうなのかな?
(13日に蔵王温泉にジンギスカンを食べに行けました。やはり羊を飼ってはいるようです。生の肉でとても柔らかかったです)

10月6日(金)
11:00〜 地の上、地の下 フォーラム山形5
13;30〜 ホーム・ストーリー フォーラム山形5  
17:40〜 ホワット・アバウト・チャイナ?中央公民館

昨日の経験があったので、なるべく会場を変えないか、フォーラムと市民会館のように隣り合わせの上映会場を組み合わせて作品を決めました。観たい作品のリストは山形に来る前に書き出してあったけど、重なっているものがたくさんあるので、上映が2回あるものについては後の日程にするとか組み合わが難しい。あまり後の日程に回すと、後の日程で重なってくるので、それもよく確認し観る作品を決めました。終わる時間も載せていてくれるのでありがたかったけど、監督などとのトークもあったりするので、その時間も考えて、昼食や夜ご飯をどのタイミングで取るかということも大事なスケジュール調整です。でも、以前よりフォーラムの近くに食堂が増え、だいぶ楽になりました。以前は食べはぐれることも多かったので、必ずパンを持って出ていました。

この日は当初、市民会館で上映される『紫の家の物語』を予定していたけど、終わってから次の『ホーム・ストーリー』まで10分しかなく移動時間を考えると厳しいので、同じ会場の『地の上、地の下』に変更。正解でした。ミャンマーで建設予定のダムにたいする反対運動をしている若者たちを追った作品でした。
昼食時間も取れました。フォーラムの道路の斜め向かいにいくつかある店のうち蕎麦屋さんに入り、山形名物肉蕎麦を。冷たい蕎麦にしたけど、温かい蕎麦のほうが良かったかも。
『ホーム・ストーリー』は、内戦により、シリア・ダマスカスのお気に入りの家を出てカイロに暮らす監督の、ダマスカスの家に対する思いと映画に対するオマージュを語った作品だった。
この日、3本目は公民館に移動して『ホワット・アバウト・チャイナ?』。ベトナム出身のトリン・T・ミンハ監督の作品。客家(ハッカ)の大型円形集合住宅を舞台に音楽、詩作などを組み合わせたアート作品。

公民館ホールのほうに行き始めたら、横の椅子に座っている女性が挨拶したので見たら、なんと2015年に初めて山形に来た時インタビューした香港の江瓊珠(コン・キンチュー)監督でした。もうひとりの郭達俊(クォック・タッチュン)監督とはメールでやり取りして、HPに掲載した記事のことを知らせていたけど、彼女は見ているだろうかと思い、その場で下記のページを開けて、「見ましたか?」と聞いたら、「見ました」と答えたので一安心。片言の北京語が通じて嬉しかった。次の日、フォーラム山形で、今度は2017年にインタビューした陳梓桓(チャン・ジーウン)監督に会った。江瓊珠監督も陳梓桓監督も、今回は自分の作品はないけど映画を観たいと参加したとのこと。
二人を取材した記事は下記に

シネマジャーナルHP 特別記事『革命まで』2015年 香港
郭達俊(クォック・タッチュン)監督&江瓊珠(コン・キンチュー)監督インタビュー

『乱世備忘 ― 僕らの雨傘運動』陳梓桓(チャン・ジーウン)監督
http://www.cinemajournal.net/special/2017/yellowing/index.html

終わってから、同じくオープニングに参加したシネジャスタッフのSさんとご飯を食べようということになり、七日町でとも思ったけど、夜遅くなるとタクシーは走っていないので、通りかかったタクシーを拾い、二人の宿泊ホテルのそばまで戻った。新幹線で山形駅に着いた時も歩いてホテルまで行く予定だったのに雨が降っていたので、そこでもタクシーに乗っていたのでこの日だけで3回もタクシーに乗るはめに。明日からの映画鑑賞の時もタクシー移動が多いかもと思ったけど、フォーラムや市民会館での鑑賞が多いので、そのあとは意外に乗らなくてすんでいる。

10月7日(土) 
10:00〜 原爆許すまじ 松川事件 市民会館小ホール
12:40〜 平行世界 フォーラム5
17:40〜18:54 我が理想の国 フォーラム3

今回、フォーラム山形から5分くらいのところにあるホテルを予約した。山形国際ドキュメンタリー映画祭のライン仲間であるKさんの定宿で、紹介してもらった。これまで使っていたホテルの2倍の値段なので迷ったけど、以前の所は椅子もなく、机も小さいのでパソコン作業をするには不便だったし、今回4年ぶりの映画祭というのもあり、ちょっと贅沢した。でも歩くのにかなり時間がかかるようになったし、あまり長くは歩けないので、今回、このホテルにして正解だった。フォーラムは市民会館に行くのには歩いて行けるので、なるべくこの2か所で観ることができる作品を選び鑑賞。
この日寝坊して、朝食時間ラストの9時ころ食堂に。なので、1本目を観終わったあと、全然お腹はすいていないけど、次の作品を観たあとだと16時ころになってしまうので、やはり食べることにした。以後、毎回、10時頃始まる回に行くと11時半ころに終わるので、お腹がすいてなくても昼食を食べるというパターンに。スケジュール表に、終わる時間が書いてあってありがたいけど、Q&Aがあるかどうかを忘れずにチェックしておかないと昼ごはんを食べそこなうことになる。
この日は「野田真吉特集:モノと生の祝祭」より『原爆許すまじ』と『松川事件 真実は壁を透して』を最初に。実は野田真吉さん名前は聞いたことがなかったけど、この作品、あるいは事件についてはずっと気になっていたので観に行った。この日寝坊してしまったので、会場についたら15分くらい前になってしまった。着いたらほぼ満員状態。びっくりした。今回の為にフィルムをリニューアルしたと言っていた。
『原爆許すまじ』は、日本の平和運動の仲間たちが2万人も集い、歌声運動の人たち大集合的な催しを記録したもの。大合唱に、あの頃の平和運動の熱気を感じた。『松川事件 真実は壁を透して』は「松川事件」の名はよく聞くけど、どういう事件だったのか知らなかったので、大いに勉強になった。それにしても、「三鷹事件」など、その時代に鉄道関連の事件が続けて起こっていたとは知らなかった。
この日は16:40〜『壊された囁き』を入れようと思ったけど、『平行世界』のトークが終わったのは16:15頃。昼食を食べていなかったので、
ここはランチ&少し長い休憩タイムに。フォーラムの隣の喫茶店に行ったけど、満席だったのであきらめ、駅前通りに出てモスバーガーに。できれば全国展開のチェーン店は避けたいけどしかたない。久しぶりにライスバーガーを食べた。
最後は『我が理想の国』。インドにおけるイスラム教徒の状況を知った。

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2023年10月05日

第28回 あいち国際女性映画祭2023に行ってきました(暁)

2023年9月14日(金)〜9月18日(月・祝)
2019年のあいち国際女性映画祭に行ったあと、2020、2021、2022と、コロナの影響で3年続けて名古屋に行けず、今年(2023)、4年ぶりにこの映画祭に行くことができました。去年から今年にかけ、引っ越しや手術で入院したりしたので映画を観る機会が減り、引っ越し作業が忙しくなった3月くらいから、退院した8月中旬くらいまで約半年、試写室や映画館で映画を観ることがなく、たくさんの映画を観逃がしました。
例年、あいち国際女性映画祭で上映される作品(長編)で観たことがない作品は、3.4作品ということが多かったのですが、今回は2本しか観ていない状況。それもあって、今回はなんとか行きたいと思っていました。特に『70歳のチア・リーダー』、『東京組曲 2020』、『本日公休』をぜひ観たいと思っていました。それに、『ツアーガイド』『毒親(ドクチン)』『ハヨン一家〜タイヤル族のスピリット』は、日本公開がなかったら観ることはできないかもと思い、観に行かなくてはと思いました。
それでも直前に『1%の風景』だけは試写を観ることができたし、『兎たちの暴走』は、あいち国際女性映画祭の授賞式と重なっていたので、公開中のアップリンク吉祥寺(東京)で観ることにしました。あいちに出かける2日前に急ぎ観に行ったのですが、これは2020年第33回東京国際映画祭で観た作品でした。といってもあまり覚えてはいなかったので、再度観ることができてよかったです。
9月15日(金)〜18日(月・祝)という日程で、当初は会場のウイルあいちに15〜17日の3泊を予約していましたが(ウイルあいちは宿泊施設もあります)、14日に記者会見があるという連絡が入ったのと、今回、ウイルあいちのホールが改築中でたくさんの作品上映が名古屋駅前のミッドランドスクエア シネマ2だったのと、ウイルあいちは3泊までしか泊まれないので14.15日は名古屋駅そばのホテルにして、16.17日はウイルあいちにしました。

9月14日(木)
ウイルあいちの大会議室で記者会見があり、ゲストは『修験ルネッサンス』の田中千世子監督、『1%の風景』の吉田夕日監督、『ツアーガイド』のクァク・ウンミ監督、『毒親(ドクチン)』のキム・スイン監督、出演者のチャン・ソヒさんとカン・アンナさんの6名。13時30分からの記者会見に間に合うように、東京の我が家を朝早くに出たのですが、ラッシュアワーにぶつかってしまいました。最近、平日の朝8時頃に出かけることもなかったので、ラッシュアワーのことは忘れていました。20分近く立ちっぱなしだったので、もう少し早く出て、始発の各駅停車で行けばよかったと後悔。東京駅に着いたけど、歩いたり、物を運んだりの動作がすっかり遅くなってしまった私は、予定の時間より20分以上オーバー。名古屋に12時頃には着いて、ひつまぶしでも食べてからウイルあいちへ行こうと思っていたのに、とてもそんな時間がないことがわかり、新幹線の中でサンドイッチを買って食べていくことに。名古屋に着いたのは12時20分頃。新幹線を降りて駅のバス停まで歩いたら20分くらいかかってしまった。結局ウイルあいちに着いたのは記者会見が始まる15分くらい前。慌てて手続きをして会場へ。

●P1180316補正_R.JPG

記者会見の模様はこちらに

記者会見の後は名古屋駅のほうに戻り、友人たちと食事会。2018年のあいち国際女性映画祭で知り合った上越市柿崎で自主上映会を開催しているKさんも4年ぶりの参加で再会できました。彼女も14日からこの映画祭に行くというので、名古屋在住のTさんと会うことにしました。Tさんは自分で映画を作っていたので、Kさんに紹介したのだけど、2本ともKさんの上映会で上映されていました。Tさんも私も病み上がり状態ですが、なんとか出歩くことできるまで回復できたことを喜びあいました。Tさんはやはり大病を患って、今はリハビリのためデイサービスなどに通っている状態で、今回映画祭は参加できないとのこと。14日は偶然、名古屋駅のそばまで出てくる用事があったので会うことができました。1時間ほどそれぞれの近況などを話しましたが、今はオンラインで映画を観ることが多くなったということで、出歩くのがしんどくなった私たち70歳以上の世代にとっては、オンラインは有難いという話などをし、Tさんは帰っていきました。

このあと、Kさんと私は18:45から上映される『バービー』を観にミッドランドスクエアシネマへ。明日からの会場の行き方を確認するためでもあったのだけど、映画祭の作品を上映するのはここではなく、少し離れたミッドランドスクエア シネマ2だったので、映画が終わってから場所を確認しに。『バービー』は当初観る気はなかったのだけど、シネジャ読者のMさんが自分のブログ(電影★逍遥)で<男社会とミソジニーを、しかもいかにもシアワセそうなバービー人形を「武器」に糾弾するとは! けっこうこういう作品は大好きだ>と書いていたので、俄然興味を持ち、どこかで観る機会がないかなと思っていたら、ちょうど名古屋でやっていたのでした。
映画に出てくる「バービーランド」では、家族や友人だけでなく、大統領や宇宙飛行士、判事、売れっ子作家やノーベル賞学者やサッカー選手なども女性。たくさんのバービー人形が出てきて、バービーたちが生き生きと暮らし、多様な価値観を尊重した世界観が表現されていました。これは実際の人形の種類から来ているようですが、私は子供の頃人形に興味がなく、バービーにはこんなにもたくさんのキャラクターがあることを知りませんでした。人形の世界を使って、現実の人間社会での男性優位世界との対比が描かれ、平等や多様性を重視することが大切だというメッセージが込められていると思いました。映画祭前にこういう映画を観て、明日からの映画祭の作品はどんなだろうと期待。
Kさんと私は近くの宿なのでお互いの宿を見学。私はコンビニでビールを買い、ホテル隣の居酒屋さんで名古屋名物鶏もも焼きと牛筋の土手煮をつまみに買ってホテルへ。無理をしないようにゆっくり動いたつもりだけどやっぱり疲れた。それに暑くて汗だらけ。お風呂に入ってゆっくりしました。

9月15日(金)
ウイルあいちで10時から始まる田中千世子監督の『修験ルネッサンス』を観ようとタクシーでウイルあいちへ。タクシー代は1400円くらい。昨日、重い荷物をもってバスに乗ったのだけど、名古屋駅から駅のバス停までも、ウイルあいちのそばのバス停からも、今の私の足では会場まで10分以上歩くので、以後、バスはあきらめタクシーでの移動に。都合4回もタクシーでの移動になってしまった。もっともウイルあいちの宿泊代は4900円だったので、駅前のホテルより2000円以上安いから、その分タクシー代に回したと考え、自分の体力温存を優先。
『修験ルネッサンス』は熊野の修験者たちを撮ったドキュメンタリーだったけど、修験者と一般参加者、そしてお接待をするサポーターの人たちの姿も捉えていて、こういう風に修験者たちはお世話されながら修行をしているのかと思った。いつか熊野古道を歩いてみたいと思っていたけど、もう今の私の状態では無理かな…。

このあと、また名古屋駅方面に向かい、ミッドランドスクエア シネマ2で次に観る予定の18:30〜の『70歳のチア・リーダー』の前に、名古屋在住のシネジャスタッフSさんとランチ。名古屋駅の地下街にある喫茶コンパルの名物「エビフライサンド」を食べました。おいしかったけど食べにくかった(笑)。Sさんはこの日、ミッドランドスクエア シネマ2で10:00〜上映された『ツアーガイド』を観ていた。脱北者の女性が中国語のスキルを使って中国からの観光客のツアーガイドになろうとするが、いろいろ難関にぶつかるという話だったけど、監督のトークもあったとのことを聞いて、それならば私も今日はこちらにしておけばよかったと思った。もう一回上映があるからと後半の上映を選んで失敗。ま、記者会見で監督の話は聞けたから少しはよかったかも。
そのあと13:30から上映された『1%の風景』は、数日前に東京での試写を観ていて、その時、吉田夕日監督も来て話を聞いたし、前日の記者会見でも吉田監督が出席していたので、名古屋ではパス。それでSさんとのランチにしたのでした。全部観ていたら食事をしている時間もありません。名古屋駅の地下街はよくわからなかったけど、とにかくミッドランドスクエアを目指していけば、名古屋駅前の大通りを越えることができるということがわかった。大阪アジアン映画祭の時の地下街迷路のことを思いだす。ここも迷路で会場までたどりつくのが大変で、帰る頃、やっと慣れるという状態。でも次の年には、またいちから覚えるしかない(笑)。
ミッドランドスクエアに出たら1階に上がって、さらに外に出てミッドランドスクエア シネマ2を目指す。名古屋在住のSさんも「地下街は方向がわからない」と言っていたけど、地下街に慣れるには2,3回通行しないとマスターは難しいよね。地上に出て、さらに5分くらい歩いて、やっとミッドランドスクエア シネマ2にたどりついた。コンパルからだと、結局20分くらいかかってしまった。新潟から来ているKさんもこの作品を観る予定と言っていたけど、映画が終わるまで巡り合わずだった。プレス席は上の方と言われたけど、階段を上っていくのがつらい私は1番前の席で観させていただいた。以後、ミッドランドスクエア シネマ2での作品は1番前で。見上げるような画面だけど、画面の明るさがあるので手元のメモ書きも書きやすい。それでもミミズが這ったような字になって、時には重なって読めなかったりはするのだけど、後ろの席では手元が真っ暗なので、いつも書いたところに手を置いて、それを目安に映画を観ながら思ったことを記している。

『70歳のチア・リーダー』は、ぜひ観たいと思っていた作品。引っ越しで忙しいころに試写案内が来ていたけど忙しくて行けず、公開が始まってからも入院中で行けず、退院した8月中旬ころにはすでに終わっていた。配給のパンドラからのDVD案内の中に、この作品のチラシが10枚も入っていたのでよけい観たい思いが募る。
フロリダ州で活動するシニア女性のチアダンスチーム「カレンダー・ガールズ」の女性たちに密着したドキュメンタリー。溌剌とした彼女たちのパワフルな行動だけど、それぞれ事情を抱えながらもチームを続けようと奮闘する姿にくぎづけ。彼女たちの元気な活動に、年を取ったからって諦める必要はない、いくつになってもやりたいと思ったことをやっていいんだと元気をもらいました。ま、ジャンルは違うけど、私もやりたいことを身体と相談しながらやってはいるけど、こんなに元気ではないなぁ。
20時頃に終わってSさんは帰宅。私とKさんはどこかで食事をしてから帰ることにした。結局、二人のホテルの間くらいにある居酒屋に入り、魚などを中心にした食事になった。なかなか名古屋飯がみつからない。

9月16日(土)
この日は、1日ミッドランドスクエア シネマ2で4本の作品を観た。
韓国キム・スイン監督の『毒親(ドクチン)』
模範生とされる女子高校生が集団自殺した事件が発生。娘の死亡原因について母親は自殺ではないと言い張るが、親がよかれと思って言う言葉が子供の心を傷つけている。過干渉の親子関係を描く。
三島有紀子監督『東京組曲2020』
2020年4月22日、緊急事態宣言が発令された。三島有紀子監督が「このコロナ禍で何を感じているのかが忘れ去られる前に映像に残し、記録しよう」と企画。20名の知り合いの役者たちに依頼し、各自日常を撮影。集まった映像素材を群像劇に仕上げた。
ラハ・メボウ、チェン・ジエヤオ監督の『ハヨン一家〜タイヤル族のスピリット』英題:GAGA
台湾の高地に暮らす原住民タイヤル族のハヨン家。燐家との土地の線引き問題、ハヨン家家長の死去、海外から帰国した孫娘が妊娠、長男が首長選挙に出馬したりと一家を揺るがす出来事が次々と起こる。英題のGAGAはタイヤル族の精神や文化などを意味する。
ジュディス・フィビゲル監督『ピアノの魂』
ポーランドの老舗ピアノ製造メーカーの歴史が語られる感動の物語。過酷な歴史に翻弄されながら、家業のピアノ製造とポーランドのピアノ技術者を生涯かけて育てたグスタフ・アーノルト・フィビゲル三世の教え子達が語る。感動作だった。
この日から宿泊はウイルあいちに移動。

9月17日(日)
ウィルあいち大会議室で授賞式
詳細はこちら

9月18日(日・祝)
韓国クァク・ウンミ監督の『ツア〜ガイド』ウィルあいち大会議室で鑑賞
脱北し韓国に亡命したハニョンは、中国で身に着けた語学を生かして通訳ガイドの資格を取りツアーガイドの仕事についた。韓国社会になれ、仕事もうまくいくように思えたが、先輩ガイドとの関係、韓国と中国との間の政治的対立によって中国人観光客が激減したり、同じく脱北した弟は行方不明になるなどさまざまな困難に直面する。

このあと、ミッドランドスクエア シネマ2に移動。バスで名古屋駅まで行こうと思ったけど、バスの時間が合わず、結局タクシーで移動。歩くのが遅いから、時間に余裕をもって行動しないといけないのでしょうがない。今後、他の映画祭も、これまでよりタクシーを多く活用しないと移動が大変かも。

傅天余(フー・ティエンユー)監督『本日公休』
理髪店を40年営む店主は、遠方に住む顧客が病床にあると聞き、店に「本日公休」の札を下げ、道具を持って自ら車を運転し出向こうとするが、いろいろな出来事が重なりなかなかたどり着かない。でも、やっとたどり着き顧客の髪を切るシーンでは、思わず涙が出た。アン・ホイ監督の『客途秋恨』(1990)等で知られる台湾の陸小芬(ルー・シャオフェン)が20年ぶりに映画出演していて懐かしかった。

この作品のあと名古屋駅に向かい、駅ビルの中の食堂街に行き、やっとひつまぶしを食べることができた。そのあとお土産屋へ行き、東京では売っていないメーカーのものを中心に海老せんべいを4種類くらい買った(笑)。
いつものように新幹線の切符がすぐに買えると思ったら、この日は3連休の最終日で混んでいたので、結局、1時間半くらいあとの20時頃のチケットしか取れなかった。ちょっと見通しあまかった。東京駅に着いたら21時半。これまでだったらバスの時間を気にすることなく帰宅できたのに新しい家へのバスの時間は、祝日は平日より本数も少なく、最終バスの時間も早かったので、ヒヤヒヤしながら中央線に乗る。吉祥寺からバスに乗ろうと思ったら、1、2分のことでバスに間に合わず最終バスまでは40分も待つので、武蔵境まで行き結局タクシーで帰った。祝日の帰宅は要注意と頭に刻む(笑)。それでも4年ぶりの映画祭に行けて嬉しかった。これから山形もあるし、まずは足慣らし。
家に帰ったら、宅急便の不在通知が3件も入っていてびっくり。一つは4通も来ていた。それはクール宅急便で、家を出た日に来て、そのあと毎日来たらしい。そして送り主に戻ってしまったけど、なんと友人が故郷に戻って初めて作った葡萄だった。食べたかったなあ。その友人から帰りの新幹線に乗る頃電話が入っていたんだけど気がつかず、東京に帰ってから知った。20時には寝てしまうと言っていたので電話することもできず、家に着いたら不在通知が入っていた。
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2023年03月25日

新潟国際アニメーション映画祭(3/17-3/22) その2

受賞結果はこちら

グランプリは村上春樹原作の短編を組み合わせてアニメ化した『めくらやなぎと眠る女』。
面白いなぁと思ったのは、もともと想定されていた「監督賞、脚本賞、美術賞、音楽賞」はなくなって、「傾奇(かぶき)賞」「境界賞」に急遽変更されたことです。作品がそういうカテゴリに分けられない、多様な魅力を持っていたということなのかな。
なるほどそういう作品でした。

以下、映画祭HPの説明。
※傾奇賞 (KABUKU Award)とは
「傾奇」とは戦国時代末期から江戸時代の潮流で、「歌舞伎」の語源ともなった言葉です。当時、常識から外れた派手な装いや行動をする者を「傾奇者」と呼びました。傾奇賞 (KABUKU Award)は、従来の価値観に捉われず、斬新で新しいものに挑戦し、創造していく作品に与えられます。
※境界賞 (Evolve Award)とは
「2D」や「3D」「コマ撮り」といった制作手法、またはジャンルの様々な境界に捉われず、アニメーションの世界に進化を与える作品に与えられます。英語の表記になった「Evolve」にはアニメーションの「進化」の意味を込めました。

「世界の潮流部門」で上映された作品は、ほぼ観ていました。3月半ばに東京で開催されるアニメアワードに毎年参加していたのと、Amazonプライム会員だったので。レトロスペクティブ部門の大友克洋監督作品の大半も。どんだけアニメ好きなの!

18日(土)
『四つの悪夢』、『ユニコーン・ウォーズ』、『カムサ・忘却の井戸』と同じ新潟市民プラザで鑑賞。
最後のプログラム、同じ時間に二つの会場の上映が重なってしまいました。
●片渕須直監督の『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』(2022)の上映とトーク
●テレビアニメ「平家物語」11話一挙上映

観ていなかった「平家物語」のほうへ。クロスパル新潟へ移動。とっとと歩けば6,7分かな。
好きな漫画家の高野文子さんのキャラクター原案・監修。早朝に出て、4つ目が4時間もので、肩と腰が心配でしたが面白くて苦にならず。ただ、コンペ作品上映会場は映画館でなく、ホールなので椅子の背もたれが低く、何本も観ていると自分の頭を支えるのに疲れます。
昼には琵琶演奏もあったのですが、重なっているコンペ『カムサ 忘却の井戸』を観ていました。帰ってすぐ就寝。

19日(日)
『愛しのクノール』人形を使ったストップモーションアニメ(1コマずつ撮影)。おじいちゃんと孫娘のファミリードラマで、ペットの豚がおならの後、ウンチをするシーン多数。実は大事なアイテムなのです。客席よく笑っていました。
月曜日はいろんな施設が休みと気づいて、急遽この日に博物館に行くことに。観光循環バス(一日乗車券500円)で、市内めぐりへ。普通バスの最低運賃が210円なので、乗り降り自由なこれはお得。このバスは30分に1本回ってくるので、時間を見ながら展示を見回ります。信濃川と阿賀野川の運ぶ砂が河口の街を広げていったこと、新潟はかつて有数な港町で豪壮な屋敷も多くあったことなど知りました。水族館「マリンピア日本海」や美味しいものが集まっている「みなとのマルシェピア万代」も行きたいところですが、入ってしまうと映画上映前に戻れなくなりそうでこの次に。

新潟市マンガ・アニメーション情報館は、開館10周年を迎えてこれまでの展示のポスターがズラリと貼られていました。

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『めくらやなぎと眠る女』は村上春樹ファンの監督が短編を集めてアニメ化したもの。舞台は日本で、登場するのも日本人ですが、フランス人監督からはこう見えるの?というビジュアルが…。グランプリ受賞

●永野護監督の『花の詩女(うため)ゴティックメード』(2012)の上映とトーク
永野護監督はそれまで知らなかったのですが、KADOKAWAの「月刊ニュータイプ」創刊号で漫画家デビューした方で、第2弾の連載「ファイブスター物語」(1986年〜)は休載をはさみながらも今も連載中。その一方メカデザイナーとしてアニメ、ゲームで活躍しているという…どおりで行列が長かったわけです。奥様で主演声優の川村万梨阿さんも登壇。

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20日(月)
『オパール』魔法の国の王女の物語、父王による娘への虐待が描かれていて、実世界と同じに母が気づかない。
●りんたろう監督の『山中貞夫に捧げる漫画映画『鼠小僧次郎吉』」を観るのを楽しみにしていました。映画内映画という感じで、山中監督が鼠小僧の映画を撮るものです。出てくる俳優さんの顔がアニメなのによく似ていて、笑いながら観ました。25分の短編上映後、りんたろう監督はじめ関係者が、トークの区切りとともに登壇。最後はこんな大人数に。

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『ネズミたちは天国にいる』ストップモーションアニメ。天敵のキツネとネズミが天国で分かり合う話で、ラストは想像通り。楽しかった。

夕飯はYさんが予約してくれた「さかな屋片桐寅吉」へ。この前菜とお刺身盛り合わせの後、焼き物、小田巻蒸し、山菜の天ぷらと出て食べきれず。

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『スカイ・クロラ』押井守監督トークつき。攻殻機動隊がよく上映されるけれども、自分が好きなのはこれ、とのこと。

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21日(火)
お休みだからともう一度Yさんが来てくれて街歩き。『チョコレートな人々』の舞台、「久遠チョコレート」を探し当てるも、火曜定休でした。古町演芸場にも心惹かれながら、午後は中国アニメ『新封神演義・楊戩』を観る。中国のアニメ技術がこんなに進んでいたのにびっくりしたそうです。『西遊記 ヒーロー・イズ・バック』(2015/日本公開2018)を見たとき私もそう思った。中国でのアニメーターの報酬は日本の2〜3倍らしいし、今に抜かれてしまうのではと心配。俸給アップ!
新潟名物バスセンターのカレー(原田泰造さん主演映画『ミッドナイト・バス』にも登場)も食べたし、美味しいおにぎりも手に入れて、新潟駅を出発。
まことに充実した新潟の旅でありました。来年また来ようっと。(白)


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2023年03月22日

新潟国際アニメーション映画祭(3/17-3/22) 白

3/18-21の3泊4日新潟へ行ってきました。
最初だけ雨模様で寒くて、新幹線の窓から越後湯沢の雪景色を見てひゃ〜。春物の上着で来たのを後悔しました。次の日からは晴れて暖かい日が続きました。桜の東京、新潟はまだ梅の季節で少しだけ気温は低かったのですが、お出かけには最適。

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開会式が行われたルフル広場

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IDカードとプレスのセット(バッグ、缶入り飴、プログラム他資料)

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NEXT21ビルの展望階(会場の新潟市民プラザは6F)

3泊は会場近くのゲストハウス、旅行支援が使えたので宿泊代が安くなったうえ、買い物に使えるクーポン5000円がもらえました(電子か紙)。新潟に住んでいる香港映画ファンの友人Yさんと久しぶりに再会。一緒に作品を観て美味しい海鮮料理のお店に行き、と映画談義をして過ごしました。21日は一日つきあってくれて、行きたかったお店を次々とまわりました。ありがたや〜。私の紙クーポンは、彼女の案内でホテル日航新潟(一番高い31階)に行ってパフェとジュース飲んで、お土産買って使い切りました。

新潟市内は区画が碁盤の目のように整理されていて、通りや小路にも名前があってとてもわかりやすい街でした。映画上映の10時まではヒマなので、毎日街歩きして1万歩。「歩く人」のYさんと一日一緒だった21日、東京に帰り着いたら2万6千歩になっていました。沖縄以来の数字。
いつまでもガラケーではやはり不便でした。来年また行くつもりなので、それまでにジパング倶楽部に入会するのと、スマホへの変更をしておかねば。映画と食べ物の話は次に。(白)


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2023年03月12日

東京アニメアワードフェスティバル@池袋(白)

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3月10日(金)から3日間通いました。
コンペは長編、短編とも鑑賞。
海外からゲスト参加もあって、映画祭らしく賑やかになりました。
どれがグランプリかなぁ。
↓この『ティティナ』は飛行船で北極点に行ったという探検家アムンゼンと、飛行船の設計・操縦をしたイタリア人のノビレの物語を、ノビレが同行した愛犬の目から描いたもの。こんなことがあったなんて初めて知りました。
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cMikrofilm and Vivi Film


https://animefestival.jp/ja/
https://www.youtube.com/c/TokyoAnimeAwardFestival

追記
TAAF2023コンペティション部門グランプリ
長編『犬とイタリア人お断り』
短編『国境』

優秀賞 長編『ティティナ』、短編『キツネの女王』
豊島区長賞 『月にスウィング』
学生賞 『サカナ島胃袋三腸目』


posted by shiraishi at 19:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする