2013年05月08日

5月5日日曜「ミッキーの映画日記」イタリア映画祭『司令官とコウノトリ』『天国は満席』 『赤鉛筆、青鉛筆』


カチンコ『司令官とコウノトリ』シルヴィオ・ソルディーニ監督
 男手一つで子育てをしている水道工事屋のレオ(ヴァレリオ・マスタンドレア)は、反抗的な娘(セレーナ・ピント)はネット上でトラブルに合い、息子(ルカ・ディローディ)はなぜかコウノトリに夢中になり学校をサボるなど、身辺は落ち着かない日々を送っていた。
 
個性的な佳品。
街の広場にたつ歴史的な銅像に世の中の変わりようをつぶやかせたり、レオの亡くなった奥様の亡霊に愚痴を聞いてもらったりする。それがとってもわーい(嬉しい顔)可笑しく不自然さが微塵もなかった。
家族3人がそれぞれ経験する出来事は辛いことだが、命は無事だからホッとできた。亡くなったママが守ってくれているんだと気持ちが和らいでくる。

脇の俳優も個性派揃い。インテリの偏屈男に『人生、ここにあり!』のジョゼッペ・パッティストン。その下宿人の貧乏絵描きの女性に『ボローニャの夕暮れ』のアルバ・ロルヴァケル。
街の銅像だって、コウノトリだって演技しているように見えてくる。これは公開を熱望したい作品。
最後に皮肉めいたオチもあるが、その「やられた!」感も心地良い。グッド(上向き矢印)

カチンコ『天国は満席』カルロ・ヴェルドーネ監督
 レコード店経営のウリッセ(カルロ・ヴェルドーネ)、芸能リポーターのフルヴィオ(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)、不動産営業のドメニコ(マルコ・ジャッリーニ)の中年男3人は共に離婚経験者。それによって経済的にも住まいにも厳しい状況下にあった。

 天国は満席だけど朝日ホールも満席! この男3人はまったくの他人だが、ひょんなことから同居が始まる。1人なら無理だが3人ならどうにかやっていけそうと判断したのだ。
でも、そううまく行くはずもなく、ドタバタといろんなことが降りかかって来る。

 口元が緩む程度の笑いはあったが、題名から期待した笑いはなかった。
笑える題材ではあるがイタリア人なら笑って許せることでも、日本人には見過ごせないっていう場面が目についた。例えば、自営するレコード店をぐちゃぐちゃにされても仲直りする男女(女は非常にオカシイ女医)。最後は常識的に丸く収めているが、これが「イタリア喜劇」の本質かとも思った。


カチンコ『赤鉛筆、青鉛筆』ジョゼッペ・ピッチョーノ監督
 生徒に勉学の意欲をわかせようと熱心に取り組む国語の臨時教師・ジョヴァンニ(リッカルド・スカマルチョ)、情熱を失ってしまった美術史の老教師(ロベルト・エルリッカ)、細やかなことに気がつくしっかり者の女校長先生(マルゲリータ・ヴイ)。ローマの高校教師3人の日々を描いている。

 心に残る作品。
 先生たちの個人的な生活、生徒への関わりかた、教師として踏み外していけないという線上での悩みや決断が現実的にきっちりと描かれている。
いつも派手な格好でよくずる休みする女生徒が、今度は連絡もなしに長い間休んで、しばらくぶりで登校して来て「母親が死んだから休んだ」と言う。
他の生徒は「嘘だ、母娘でいるとこ見たぞ」と言う。教師たちは今までの行いと今回のあまりにもひどい嘘で退学処分にする。
本人は「学校なんか出ても出なくても、私の人生は変わらない」と平然としているが、後から、本当に母親は死んでいて母親の妹(双子)といるところを見られていたのだ。
教師の思い込みや信じてあげられなかった後悔が、ジョヴァンニを打ちのめしていたのは言うまでも無いが、
その生徒は「家まで訪ねて来てくれた」ジョヴァンニ先生にありがとうと言っていた。
全般的に◎の作品ではなかったが、この場面は秀逸だった。これも公開してほしい!
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2013年05月07日

5月4日「ミッキーの映画日記」イタリア映画祭『素晴らしき存在』『日常のはざま』『フォンターナ広場 イタリアの陰謀』『それは息子だった』

カチンコ『素晴らしき存在』フェルザン・オズベテク監督
 ピエトロ(エリオ・ジェルマーノ)はパン屋に勤める28歳。だが本当の目的は役者志望でローマに来たゲイの若者だ。彼の見つけた住まいは、古いが広くて家賃も手ごろなアパート。たが住んでいるうちに、誰かがいるような気配をがく〜(落胆した顔)感じるのだった。

監督さんは『あしたのパスタはアルデンテ』の方。この一本で上京して来た甲斐があった。
作りが現代と60年以上前の2つの時代の出来事が交差するが、その鮮やかな構成手腕に驚く。
彼にしか見えない亡霊は第二次世界大戦の当時、劇団ごと消息不明になった8人のメンバー。
彼らが、純真なピエトロに願いを托すのだ。
その願いを聞いたピエトロは、始めこそ疑心暗鬼だったが、パソコンで検索すると彼らの言うことが真実とわかる…この家の隠し部屋を住家にして、そこからは出られない人たちを解放するまでを軽やかに描いている。これはパンチ「公開されないはずはない」と思う。
※俳優志望のピエトロは8人の亡霊さんに演技指導してもらって・・・。

カチンコ『日常のはざま』レオナルド・ディ・コスタンツォ監督
 荒れ果てた無人の建物に拘束されている少女ヴェロニカと、理由も知らないで彼女の監視をしているサルヴァトーレ。お互い反目していたが、次第に同じ時間を共有しているうちに変化し始める。

味わい深い作品だった。
『ふたりの特別な一日』に同様、若者ふたりの作品だ。でもこちらの方がより底辺の貧しさの中での話だ。誰しもカモッラに関係なく生きていけないような地域らしい。
少女は自分の地域で敵対する他のグループの男と付き合ったことでむかっ(怒り)「こらしめ」のために監禁されているが、広大な廃屋の中で自由に歩き廻ることができる程度だから監禁といっても緩いものだ。
この女の子は自分の美しさを武器にしていないし、自分がぴかぴか(新しい)美人だということにも気づいていない。
その点は『ふたりの特別な一日』のジーナと違うところだ。
ヴェロニカは意外と素直に地域のボスの言うことを聞いて帰って行く。
サルヴァトーレとはその後どうなるかはわからないが、青春時代の「特別な一日」の思い出として一生忘れないはずだ。

カチンコ『フォンターナ広場 イタリアの陰謀』マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督
1969年、12月12日。ミラノのフォンターナ広場にある農業銀行が爆発された。死者数17人、負傷者88人と大惨事になった。無政府主義者グループの犯行と目星をつけた警察は、容疑者たちを逮捕する。だが、取り調べ中に一人の容疑者の上に悲劇が襲い、事態は一変する。

『輝ける青春』のジョルダーナ監督作品。
会場は満員。イタリアを震撼させた大事件を知らない私は難しくて半分くらいしかついて行けなかった。バッド(下向き矢印)ついて行くだけで精一杯で豪華俳優さんたちの魅力まで感じる余裕がなかった。

カチンコ『それは息子だった』ダニエーレ・チプリ監督
パレルモ郊外に暮らす6人家族のチラウロ家は、主人が廃船の鉄屑を売るなどしてどうにか生活していた。ある日、抗争中のマフィアの流れ弾にあたり愛娘が死んでしまう。悲嘆にくれる家族は娘の死が金銭的に賠償されると知り申請をする。

力作!だが全編、お金、お金のストーリー。最愛の一人娘を亡くした歎き悲しみが「大金が入る」金勘定でどこかに吹き飛んでしまうのは、中国だけじゃなくイタリアもか?と思ってしまった。

一番無欲でちょっと足りないお兄ちゃんが、自分にできる仕事で細々と生きていくのだが、そこまでに、たどりつくまでが想像を超えた「波乱万丈」さはがく〜(落胆した顔)驚くばかりだった。

映画祭2日目は作品の並べ方がちょっと不満バッド(下向き矢印)
第一作品目と最後の作品を入れ替えると良かったのに・・・と、またえらそうにしょうも無いことを思ってしまった。
posted by mikiko at 23:23| Comment(0) | TrackBack(0) | ミッキーの映画日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

5月5日「ミッキーの映画日記」映画関連本2冊「AV男優という職業」「三分間の詐欺師 予告篇人生」


ゴールデンウイークの後半はイタリア映画で満喫したが、前半は映画本を2冊読んだ。
本>「AV男優という職業」水野スミレ著>

 ポルノとAVの違いさえわからなかった私がこの本を迷わず買ったのは、著者が女の方だったから。
現役AV嬢は推定1万人いるがAV男優はたった70人とか!
加藤鷹さんのお名前は知っているが、この本にはその道の(一口にAVといってもいろんな分野がある)ベテラン俳優さんの声がインタビュー形式で書かれている。
含蓄がある言葉、目から鱗の言葉、よくぞそこまでと同情してしまう言葉がいっぱい詰まっていた。
男優さんたちが一致しておっしゃった言葉は「いまだに女の人は謎です!」だった。

本「三分間の詐欺師 予告篇人生」佐々木徹雄著>
三分間の詐欺師の題を見てわーい(嬉しい顔)笑ってしまった。どんぴしゃりの題だ。
映画の予告が面白ろければ、それを観た人のうち三割はきっと映画館に足を運ぶだろう。
時には「あれは予告が一番面白かった」という作品もある。
だからこの本も迷わず買ってしまったのだが、
読むうちに「予告も映画紹介も同じだ」と遅まきながら気付いた。

読んでしまったのでお読みになりたい方はお申し出ください。


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5月3日金曜「ミッキーの映画日記」イタリア映画祭『家への帰り道で』『ふたりの特別な一日』『綱渡り』


 GWは5月3日〜6日の4日間イタリアに行ってきました!(わーい(嬉しい顔)エヘン!いいだろう!)と、言っても有楽町朝日ホールのイタリア映画祭・・・。グッド(上向き矢印)がんばって全13作品観ました。
観た順で感想などをザザッと(シネマジャーナル88号にはドドッと)書き込みますが、なにせ意識なしで、知らん間に数分(たぶん)眠い(睡眠)寝てしまったのもあったので、間違っているかもしれませんがご容赦ください。

5月3日金曜
カチンコ『家への帰り道で』エミリアーノ・コラピ監督
 ジェノヴァで機械部品工場を営むアルベルト(ヴィニーチョ・マルキョーニ)は、金銭的な行き詰まりを立て直すために、やむなく違法物を運ぶ仕事を引き受けた。

その目的地に行こうとした直前に突然謎の男たちが自宅に侵入される。男たちは妻子を別室に監禁し、目的の品物を受け取ったら、こちらに渡せという。否応なしで条件をのむアルベルトだが、彼のゆくてには思いがけない災難が待ち受けていた。

 最初の3分ほどでアルベルトの家庭の裕福さがわかる。家もかなりの豪邸だ。妻はアルベルトを信じ切っていて、庭に植えたい花のことを彼に相談している。
そんな妻に、自分が忌まわしい儲け話に乗るほど切羽詰まっている状況など相談もできない。そんな気持ちを抱えて出かける寸前に押し入られるのだ。
ひりひりと伝わる後悔の念、予測できないアルベルトの行く末、どんどん落ち込んで行く展開に叫び声をあげてしまう。お金が人生を救うことはたくさんあるが、そのお金が元でもっと大きな不幸が転がり込む。
そんなもうやだ〜(悲しい顔)苦しみが痛々しく描かれていた。

カチンコ『ふたりの特別な一日』フランチェスカ・コメンチーニ監督
 芸能界で活躍するのを夢見ている若くてぴかぴか(新しい)美しいジーナ(ジュリア・ヴァレンティーニ/本作でデビュー)は、芸能界に有力なコネを持つ政治家に会うことにした。
だが出かけた矢先に、政治家の都合で時間が延びてしまい、空いた時間を迎えに来ていた運転手マルコ(フィリッポ・シッキターノ/『ブルーノのしあわせガイド』の男の子)と一緒にローマをあちこち歩き回るのだった。

 ストーリーを読むと「ローマのつかの間の休日」かと期待したが、この二人は王女さまでも新聞記者でもない。運転手の若い男は今日、初めて正式にハイヤー車(セダン)運転手に採用されて大喜び。
一方、彼女は政治家に会うといっても芸能界によくある「魚心あれば水心…」的な約束の時間だ。彼女はそのことは承知だが、バッド(下向き矢印)暗くなる気持ちを取り払うように無茶の行動をしてマルコを慌てさす。彼は彼で、初仕事で失敗しないようににハラハラしている。
二人がローマの名所旧跡を巡ってくれたお陰で目の保養もできたが、ローマの若者のむかっ(怒り)厳しい現実もしっかり見せて貰った。

カチンコ『綱渡り』イヴァーノ・デ・マッテオ監督
 40歳になるジュリオ(ヴァレリオ・マスタンドレア)は妻エレナ(バルボア・ボブローヴァ)と二人の子どもと暮らしていた。傍目には幸せそうに見えたが、ジュリオは職場で不倫をしていたことが妻にばれてしまい、居心地悪い彼は家を出ることにした。だが、おいそれと仮住まいは見つからない。

 あ〜、今日の三本は身につまされるもうやだ〜(悲しい顔)作品ばかり。こんなのが続くとイタリアって住みにくいのか…などと思ってしまう。
別居して、一人であくせく働くお父さんに同情してしまう。奥さんは旦那の月収はわかっているはず。それで別居だから余分にお金もかかるのは目に見えている。浮気したのはジュリオは悪いに決まってるが、あまりにもネチネチ、そのことを言い募る奥さんの顔がちっ(怒った顔)憎たらしく見えて来る。
最終的には奥さんは「許す」のだが、「おそ〜い!」と言いたい!もう父親は精神的に壊れているように感じたからだ。
でも、二人の可愛い子どもが、車で生活したり、安ホテルを追い出されたりしているのを知って、ジュリオお父さんを本当に心配していたから、きっとまた平穏な暮らしに戻れると自分に言い聞かせて、イタリア映画祭の一日目は終わった。
posted by mikiko at 21:22| Comment(0) | TrackBack(0) | ミッキーの映画日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月29日

4月27日土曜「ミッキーの映画日記」木下恵介監督関連映画二つ『はじまりのみち』『二人で歩いた幾春秋』


カチンコ『はじまりのみち』原恵一監督/6月1日公開
 木下惠介監督生誕100年記念映画として作られた。原恵一監督は『河童のクゥと夏休み』『カラフル』の方ではじめての実写作品。
 第二次世界大戦中、木下惠介監督(加瀬亮)が病身の母(田中裕子)を疎開させるために、リアカーにのせて、兄の敏三(ユースケ・サンタマリア)と便利屋(濱田岳)の3人で山を越えたという実話が描かれている。
その頃監督は、映画『陸軍』で、会社(松竹)から最後の部分が国の検問にひっかかり、直せ、直さないで、上司と揉めて辞表を出して来たばかりの帰郷だった。

だが、この里帰りは無駄ではなかった。
故郷山梨や道中の中で、これ以後監督が手がける作品の構想の基になったシーンや数々の名場面で出てくる。
根っからの田舎もんを濱田岳(便利屋)がグッド(上向き矢印)好演していた。
この無学な便意屋さんが時代に合わないと不評に終わった『陸軍』の最終場面を一生懸命語りだすのだ。語っている相手が監督さんとは知らずに・・・。このシーンは泣けたもうやだ〜(悲しい顔)

※2012年のベストテンでこの『陸軍』を福岡のFさんがあげていらっしゃった。
そのとき『陸軍』のことなど、恥ずかしいが何も知らなかった。
チャンスがあれば、木下恵介の作品をたくさん観たいと思う。

カチンコ『二人で歩いた幾春秋』木下恵介監督/1962年/岐阜ロイヤル劇場
昭和21年、復員した野中義男(佐田啓二)は故郷の山梨で道路工夫になったが、生活は貧しかった。
両親と妻とら江(高峰秀子)と息子・利幸は小さな借家に5人で住んでいた。
誠実な性格がかわれた妻のとら江は土木出張所の小使になり、義男の一家3人は小使室に住むことが許された。
・試写室でお会いする若いお兄さんに是非と薦められたので岐阜に行った。
入ろうとすると、そのお兄さんがちょうど出てこられたところで「ここは、入れ替えなしだから2回も観てしまった」と嬉しそう話しかけてくれた。
そう、ここは500円で入れ替えなしだからいい。日本で何箇所こんな劇場があるのだろうか。
東京では渋谷シネマヴェーラが「旧作2本立てシニア1000円」で入れ替えなし。
私はこの二つしかしらない。

むかっ(怒り)あっ、カチンコ映画の話しなきゃ。
貧しい夫婦の心温まる人生の旅路が描かれている。つい先日試写で観た『はじまりのみち』で木下恵介の作品をみたいと思ったので岐阜にきたのだが、
淡々と映し出される「家族」や「近隣の人々」を思う、当時ではなんでもない田舎暮らしがとても新鮮に感じた。
貧しい父母をこれ以上の苦労をかけられないと思う息子に「お前が生きがいだ。だから大学は続けてくれ」ともうやだ〜(悲しい顔)涙ながらに懇願する老いた両親。

木下恵介関連の二つの映画ではからずも涙を抑えることができなかった。
持ち味は庶民の生活、そして観ている者を納得させるためか、最後の最後までみせてくれるという点だとおもう。それを「こんなに最後のハッピーエンドまでみせなくっても」と不満をもたせず、
「ア〜、うまく解決して良かった。幸せになれた!」としあわせのおすそ分けグッド(上向き矢印)をしてもらったようなわーい(嬉しい顔)嬉しい気分にさせてくれることだ。
もっと監督さんの作品が観たくなった。当分、岐阜ロイヤル劇場に通うことになりだろう。
posted by mikiko at 11:16| Comment(0) | TrackBack(0) | ミッキーの映画日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする