2016年09月07日

作品紹介が追いつきません、すみません。

毎日ブログを書いている(美)さんを見習って、早め早めにと思うのに手が動かず間際に慌てる段取りの悪さ。この前はサーバーに不具合があり、もっと早く書け〜!ってことだなと大いに反省。いつもHPにリンクをはってくれる(山)さんお許しを。

以前は試写で映画を観られたらどんなに嬉しいか、と思っていました。お蔭さまで年々数が増えてきまして年に100本観ていたかと思えばいつのまにか200本を越え、300本、この頃は350本ペース。今や積んだ荷物が多くて撃沈しそうです(汗)。夜の試写に行きづらい主婦なので、積み残しも多々。気になる試写は外したくないし、試写は来なかったけど巷で人気の作品は観ておきたいしで、自分で残り少ない時間を削っているような有様です。
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公開作品の多かった8月、試写室通いのほかに劇場で『シン・ゴジラ』『ファインディング・ドリー』『栄光のランナー』『ターザン』『青空エール』『イレブン・ミニッツ』などを観ました。劇場の観客数にも一喜一憂している私。
7月と8月はインタビュー取材が2本でした。
『Start Line』の今村彩子監督(写真)、『校庭に東風吹いて』主演の沢口靖子さん、ウェブ特別記事にアップ予定です。
風が涼しくなると映画祭時期です。怒涛の毎日が楽しみなようなコワイような。
posted by shiraishi at 00:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月06日

いしぶみ

今日は8月6日、広島に原爆が投下された日です。夏は辛い思い出が蘇る方々がいらっしゃることでしょう。
戦争が終結して71年。この日なにがあったのか覚えていない、考えることもない人も残念ながらまた多いのでしょう。

先日朗読劇を映画にした『いしぶみ』をご紹介しました。
勤労奉仕をしていて原爆に遭い、亡くなってしまった広島二中の生徒たちの写真を投影し、遺された言葉を綾瀬はるかさんが朗読しています。探しに来た家族に看取られた子、迎えを待ちながら息絶えた子、どこで亡くなったのか遺体さえ見つからなかった生徒たちもたくさんいます。
育ちざかりなのに食糧は乏しく、勉強したくても本も授業もない時代です。夏休みもなく畑を作ったり片付け作業をしたりしていた子どもたちにも、夢や希望があったはずです。でもそんな未来は一瞬にしてなくなってしまいました。この子たちに何があったのか、どんなに恐ろしい悲しい思いをしたのか、そのカケラでも知ってほしいと思います。日本も核武装をとか、国を守る人を育てようとか言ってる政治家こそ一番に。

札幌・シアターキノ、東京・ポレポレ東中野、広島・八丁座で公開中です。
映画を観ることができない方は、広島テレビ放送の草稿を元に書籍化したこちらの本をお勧めします。
朗読では紹介できなかった子どもたちもわかっただけ全て書かれ、ゆくえがついにつかめなかった子の写真も数多く並んでいます。
「いしぶみ: 広島二中一年生全滅の記録」が昨年夏にポプラ社から新装版で発行されています(ISBN-13: 978-4591146040)。
posted by shiraishi at 11:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月31日

『いしゃ先生』を観て、疎開先の無医村で亡くなった祖母を思う (咲)

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29日、父と一緒に『いしゃ先生』を観てきました。
シネジャの白さんが、榎木孝明さんが出ていると教えてくれて、さらにチケットを2枚くださったので、さて誰を誘おうと思って調べてみたら、「昭和初期、無医村の山形県大井沢村に実在した志田周子(ちかこ)の生涯を描いた感動物語」とのこと。父の兄が戦後数年、山形県高畠で医者をしていたことがあるので、これは父と行くしかないと!  

志田周子さんは、東京で医師免許を取って2年ほど経った頃、父親からの電報で故郷に呼び戻されます。大井沢村の村長だった父親は、医者のいない村に周子さん名義で診療所を建てる許可を得て、すでに建設を始めていたのです。3年だけという約束で村に残りますが、結局は51歳で短い生涯を閉じるまで村の人たちのために医師として務めあげます。

観終わって食事をしながら、父が色々なことを話してくれて、私が思った以上に映画を観て思い出したことが多々あることがわかり、感無量でした。
山形県高畠で開業医をしていた伯母の兄が亡くなり、軍医をしていた伯父がピンチヒッターで高畠に赴いたのは、昭和21年3月。父の両親や妹は祖父の故郷である島根県の山間部の澤谷に疎開し、戦後もまだそこにいたのですが、伯父の引越しの手伝いで祖父と叔母は山形へ。大学の春休みで父が祖母と二人でいたのですが、祖母が急に具合が悪くなり歩けない状態に。澤谷は無医村で、父は医者のいる浜原まで約10キロの道を歩いて往診の依頼に行ったのに断られ、ちょうど村に復員した軍医に診てもらったところ腸チフスと診断され、家中を消毒されたそうです。数日後、祖母は亡くなり、山形から駆けつけた伯父はどうみても腸チフスではないと。ちゃんとした医師に診てもらうことができたなら、命を落とすことはなかったかもしれません。疎開先で気苦労があったことも命を縮めたのではと父は言います。戦争さえなければ・・・と、悔やまれます。

いしゃ先生が開業しても、村の人たちは病気になったら祈祷してもらうからと、なかなか診療所に足を運びません。祖父母の疎開先でも、祖父の弟が神社の宮司をしていて、病気を治してほしいと訪ねてくる村の人たちにお祓いをしていたのを父はよく見ていたので、驚かなかったといいます。

重病人が出て、町の病院に運ぶのに男衆が大勢で雪道を籠を引っ張っていく場面がありました。ここでも、父は、祖母が亡くなり、村には火葬場がないので、男衆が20名位で棺桶を山に運んで野焼きした時のことを思い出したといいます。

映画の最後に志田周子さんご本人の映像がいくつか写し出されました。映画にも出てきた第11回保健文化賞受賞式でのはつらつとした姿もありました。
映画は、「志田周子の 生涯を銀幕に甦らせる会」の企画。地域医療の為に生涯を捧げた志田周子さんの物語に、このように世の為に人生を捧げている無名の方が大勢いることにも思いを馳せました。

お目当ての榎木孝明さんは、無医村の村に医者をと娘に医師になることを託した父親役。山形弁で頑張っておられました。志田周子役は、平山あやさん。
公式サイト:http://ishasensei.com/
都内・ヒューマントラスト有楽町での上映は、1月29日で終了しましたが、お近くの劇場で観られるかどうかは公式サイトでご確認ください。
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2015年12月31日

戦後70年の年、締め括りは『杉原千畝 スギハラチウネ』 (咲)

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今年最後の映画は何にしようと思い巡らせ、戦後70年の年にふさわしいものをと『杉原千畝 スギハラチウネ』に決定。ドイツに迫害を受けていたユダヤ人にヴィザを発給し、多くの人の命を救った美談は、今は有名ですが、戦後、外務省では独断で行った行為ゆえに抹殺され、杉原自身も退官したことを知りました。
また、杉原千畝が諜報活動に長けた人だったことも知りました。ベルリン駐箚中、ドイツがソ連に侵攻する動きを察知し、日本のアジア進出にドイツのバックアップを得られないと判断。本国にアメリカと戦争になった場合は負けると進言するのですが黙殺されてしまいます。ソ連から【ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)】として警戒され、モスクワに赴任できなかったほどの人物の意見に耳を貸さなかった日本政府の対応が悔やまれます。

このことで思い出したのが、父からよく聞かされた話。
真珠湾攻撃の前夜、高校の同級生たちと蕎麦屋で戦争になるかどうかが話題になり、父は「アメリカのような大国と戦争したら負けるに決まっているから戦争するはずがない」と断言したそうです。二十歳前の父でも、そう思ったのに、なぜ日本は戦争に突入してしまったのでしょう・・・ ここでこれ以上論じるのはやめておきますが、今も世界の各地で戦争が絶えないことを憂うばかりです。

ところで、杉原千畝は時間のある限りヴィザを発給し続けました。私は、かつて勤務していた商社でマリ共和国名誉領事館の業務を担当したことがあります。年末年始を前に、旅行会社3社からアフリカ各国を巡るツアー参加者のヴィザ申請が一気にきて、一日で60人以上のヴィザを発給したことがありました。ゴム印を押して、有効期限を入れて、サインをするだけですが、それでも結構大変な作業。杉原千畝は腕が痛くなりながらもユダヤ人のことを思いながら頑張ったのだと想像します。

そして、仕事で縁があって愛着のあるマリの国ですが、そのマリでイスラーム過激派によって伝統文化が破壊されている姿を描いた映画『禁じられた歌声』が現在ユーロスペースで公開中です。
クルアーンがいかようにも解釈できるのを逆手にとって、過激派が善良な民の幸せをつぶしていることをひしひしと感じさせてくれる映画でした。

各地で席捲している過激派。何が過激派を生み出したのでしょう。その要因を解決しない限り、平和は訪れそうにありません。 
70年、戦争に巻き込まれなかった日本。ますます混迷の世界情勢の中で、日本は2016年、どんな年を迎えるのでしょう・・・ 
良い年になることを祈るばかりです。
posted by sakiko at 22:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月22日

チェコ映画『火葬人』に、ぞくっと涼しい思い (咲)  

8月21日、1時から月島で『天使が消えた街』の試写。
マイケル・ ウィンターボトム監督がイタリアで実際に起きた「英国人女子留学生殺害事件」を題材に、子を持つ親の気持ちや、報道のあり方を描いた社会派ドラマ。重いテーマと裏腹に、ロケ地シエナの美しさをたっぷり味わえる映画でした。
★9月5 日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町他全国順次公開

いつもなら、3時半からの試写に走るところですが、昨日は恵比寿で5時からチェコ映画『火葬人』を観ることにしたので、月島のもんじゃ屋さんの並ぶ通りを抜けて、勝どき橋を渡り、築地までぶらぶら歩いてみました。
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かつては、真ん中が割れて跳ね上がって、大きな船が航行できた橋も、今は固定されています。
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橋が割れる場所を確認!

築地で600円也の美味しい海鮮チラシをいただいて、恵比寿へ。
『火葬人』(ユライ・ヘルツ監督/ 1968年)の上映会のことを、美さんがミッキーの毎日映画三昧http://mikki-eigazanmai.seesaa.net/article/424283339.htmlで紹介されていて、これは絶対観たい!と時間を捻出した次第。

上映会場は、LIBRAIRIE6/シス書店。
東京都渋谷区恵比寿南1ー12-2 南ビル 3F
地図を頼りに行ったのですが、この「3F」にだまされました! 
エビスサウス1という新しい建物の向かいにある南ビルを目指していったのですが、入口は坂を上がった裏手にあって、3Fが道路から直結で入れる階なのでした。

この『火葬人』という映画、ユダヤ絡みということもありますが、どうしても観たいと思ったのは、かつて、京橋のLixilギャラリーでの「チェコ キュビズム建築とデザイン 1911-1925 -ホホル、ゴチャール、ヤナーク−展」で見たパヴェル・ヤナーク設計の、パルドゥビツェ火葬場の写真が忘れられなかったから。スラブ神話の円形モチーフが赤と白で彩られた建物の正面には、灯を掲げた女性の像が両脇にあって、火葬場に赤?と、チェコの人たちの死生観って???と、すごく気になっていたのです。(この赤と白、チェコのナショナルカラーでした)

画廊兼書店の店内には、『火葬人』の場面写真が飾られていて、その中にまぎれもなく私の記憶にある火葬場の写真がありました。でも、モノクロ。

そして、5時ちょっと前に上映開始。(予約の人が揃ったから!)

豹、ライオン、虎、鳥、蛇・・・ 
冒頭から、動物たちのアップのちょっと不気味な映像。
17年前、妻と豹の檻の前で出会ったカレル。二人の子に恵まれ、妻の持参金のお陰で裕福に暮らしてこられた。
ドイツ系の彼は、ドイツ人が冷遇されているチェコで、チェコの名を語り、チェコ語で生活している。
火葬場に勤めて15年。集会で大勢を前に、1921年公布の火葬の法律を褒め称えます。(思えば、パルドゥビツェ火葬場が出来たのは1921年) 
カレルは、「チベットの死者の書」に傾倒し、死んでも魂は次なる生きしものに乗り移ると信じています。土葬なら土にかえるまで20年かかるところ、火葬なら75分で灰に。つまりは、それだけ早く魂が解放されるといいたいのでしょうか。

クリスマスイブの食卓。定番の鯉の料理を前に、「前世は猫だったかもしれない鯉をいただこう」などと語ります。(うっ! 食べる気が失せる・・・)
ユダや人の集まりに忍び込んで様子をさぐるカレル。時は、ナチス・ドイツの足音が聞こえ始めた1930年代。
実は妻の母親がユダヤ。となると、娘と息子もユダヤ。(ユダヤは母系制) いずれ身に危険が迫るならば、死をもって魂を解放し、生まれ変わらせた方がいいと、輪廻転生を信じているカレルは結論をくだすのです。
妻を諭して自宅の自慢の浴室で自殺させたカレルのもとに、チベットから使者がやってきます。「崩御されたダライ・ラマの生まれ変わりをようやく見つけました。ラサにご一緒に」とカレルを迎えにきたのです。(ダライ・ラマ13世が崩御されたのは、1933年12月17日)
カレルの妄想に、いやもう、笑うしかない!
カレルは、火葬場で働くユダヤ人たちも次々と「魂を解放」していき、所長にのぼりつめます。所長になって初めての葬儀が妻の葬儀。参列者を前に、「巨大な焼却炉があれば、大勢の魂をわずか10分で解放させることができる」と意気揚々と語るカレル。ナチスのガス室を彷彿させる言葉!
チェコの誇る名優ルドルフ・フルシーンスキー演じるカレルの鬼気迫る姿が、今もまだ脳裏に焼き付いています。語り口も耳にへばりついています。いや〜凄い映画を観てしまいました。

冒頭に火葬場の外観が赤と白と書きましたが、墓場といい、棺桶の並ぶ部屋といい、この映画はモノクロで正解でした。
残暑厳しい折、ぞくっと涼しい思いをしたい方、29日まで上映しています。
ぜひお出かけください!  (注:月・火はお休み)

LIBRAIRIE6/シス書店 第36回企画
ユライ・ヘルツ監督映画「火葬人」+カレル・イェシャートコ写真展
8月12日(水)〜8月29日(土)
映画上映時間 / 毎日17時〜(定員20名/お電話でもご予約頂けます。)
料金 / ¥1.000-
休館日 / 月曜日・火曜日
※写真展は映画上映時間外にご覧頂けます。(期間中は14時より開廊致します。)

info@librairie6.com又は03-6452-3345までお名前・ご連絡先・電話番号をご記入の上、お申し込み下さい。
posted by sakiko at 22:42| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする