2017年07月02日

『ボンジュール、アン』 エレノア・コッポラ監督、ダイアン・レイン来日記者会見(暁)

世界的な「映画一家」を支えてきたエレノア・コッポラ。自身のエピソードを基に80歳で長編劇映画デビューし、主演のダイアン・レインと共に来日した。そして、花束を持って駆けつけたのは樹木希林。
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左からダイアン・レイン、エレノア・コッポラ監督、樹木希林

フランシス・フォード・コッポラの妻エレノア・コッポラが80歳で初めて長編劇映画の監督・脚本を手掛けたロードムービー。『ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録』など、夫や娘ソフィアの映画のメイキングなどを制作してきたエレノアだが、自身の体験を基に描いた本作が長編映画の監督・脚本デビュー作。
夫の仕事仲間であるフランス人男性ジャックとカンヌからパリに車で向かう途中でのエピソード。子育てを終え、人生のひと区切りを迎えた女性アンは、これから何をしたらいいか悩んでいた。そんなアンにジャックは「あなたなら何でもできる」と励ます。この旅は忘れていた自分のやりたかったこと、人生の喜びを再発見する旅になった。自身で監督し、アンを演じたダイアン・レインと共に来日した。
シネマジャーナルHP 
作品紹介 
http://cinemajournal-review.seesaa.net/article/451427433.html
ミッキーの毎日・映画三昧 
http://mikki-eigazanmai.seesaa.net/article/451345772.html

『ボンジュール、アン』
エレノア・コッポラ監督/アメリカ/92分
7月7日よりTOHOシネマズ シャンテ他にて全国順次ロードショー公開
公式サイト:http://bonjour-anne.jp

エレノア・コッポラ監督、ダイアン・レイン来日記者会見  
通訳 戸田奈津子
6月7日、東京・大手町のパレスホテル東京 

エレノア監督は「夫や娘が日本で記者会見するのを何度も脇で見て、写真を撮ってきましたが、自分が主役で記者会見することは初めてで、皆さんの映画に対する関心を感じて大変嬉しいです」とニッコリ。今作のテーマとして「異文化に接した時に感じること」を挙げ、「日本でいろいろな文化に接した時の感動がヒントになっています。日本の芸術や、華道、日本人の感性や自然を愛する気持ちに感銘を受けています。そういうものに対する感動を移し変えて描いたのがこの作品です」と明かした。
長編劇映画を初監督し、どういう思いかという問いには「やはドキュメンタリーとは全然違います。ドキュメンタリー作品は一瞬の命を素早くとらえたり、その瞬間が大事です。でもフィクションの場合は、いろいろなものを自分で考えて入れていくことができる。一コマ一コマ自分で作ることができる。それなりに長編を作る責任も違ってきますし、アートの形として違います。今回、こういう機会を得られて、とても幸せだと思っています。また幸運にもダイアン・レインやアレック・ボールドウィンやアルノー・ヴィアールなど素晴らしいキャストを組むことができて、初めての挑戦が生きたと思います」と語ったけど、「この作品を6年前に企画しましたが、お金が集まらなくて、資金集めに奔走しました」と語り、「映画にお金を出す人々は、女性の物語で、女性監督の映画にはお金を出したがらない。引いてしまうわけです。そのなかで可能になったということは意味のあることですし、ダイアンが出すっぱりの主演で、この映画が成功すれば、こういう映画にもお金を出していけるという先例になればと思います」と語った。
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監督の演出で、印象深かったことは?という質問に対して、ダイアンは「18歳とは違うからね」と笑いを誘ったのち、「他の監督(男性、女性含めて)とエレノア監督の違うところは、自分のアーティストとしての経験があるからこそ、他者を信頼できるというところです。今回の作品の場合は女性のスタッフが多かったのですが、才能のある方を集めることができて、彼らを信頼しているからこそ、最高のものを引き出すことができたと思っています。これが今までの監督と違うところです。コラボレーションが密。いろいろな提案に対してもオープンでした。脚本を見せていただいたのは2年前で、その時は出演が無理かなと思ったのですが、2年後、再度話があって引き受けました。その間に脚本も変えていたのですが、エレノアさんが脚本家としてもオープンに他の人の意見も受け入れられたからだと思います」

それに対してエレノア監督は「ダイアンは私の中でNo.1のチョイスでした。彼女は6歳の時から映画界で働きプロ中のプロで存在感があります。その実力というのはラッシュで見た時、驚きました。肌の中までアンになりきってくれてパーフェクトな存在だった」と賛辞を送った。

ダイアンは「今回、アンを演じていてほっとしたところは、結婚の終わりとか恋の始まりというような作品ではないというところでした。二人が登場する時、ビジネスパートナーとその妻という関係性の中で、ある種、礼儀正さを持った状態で物語は始まります。そんな中で、自分を知るというワクワクする発見がありました。誰かとの出会いは大事。自分共感するところや、ここは自分とは違うというところは?という問いに対しては「主人公アンがした経験を、自分も経験しました。それが共通点でした。誰かを文化へのガイドのように信頼をすること。この場合は文化への入り口が《食》だったわけですが、誰もが食べることは必要なわけですが、ものを食べるということはポエトリーを感じられるものです。人生のターニングポイントというのは誰しもあるわけですが、同じ年代の女優ということで、体験的にも子供が巣立ち、とても共感できるものでした。時間を戻すことはできないわけで、前に進むしかない。その後、どうするのか。新しい領域への経験への挑戦というのが、共通するものでした。自分もこの業界の中で、同じように葛藤してきました。この作品では、私はスクリーンタイム(写っている時間)が多かったと思います」と語り「かつてはゆっくりと口コミで時間をかけて広がっていくというようなことがあったのですが、アメリカでは、今は最初の興行成績が全てという見方しかされない。日本ではわかりませんが、やはり最初の週に観にいっていただけるようお願いします」と語った。
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この後、樹木希林さんが花束を渡しに登場。エレノア監督と対面を果たした希林さんは、「この間カンヌ映画祭の監督賞を獲得した、ソフィア・コッポラさんのお母さん。どんなたたずまいの方かなと思っていましたが、いやあ〜、やっぱりすごいですねえ! お目にかかれて良かったです」と言葉をかける。
映画の感想については、「私の周りにも、50歳を過ぎて『こんな生活でいいのか、夫に連れ添い続けた自分は何だったんだろう』と、悩み始める方がたくさんいます。特に才能ある女性に多い」と語り、「そういう方たちに、胸に落ちる映画なんじゃないかと思った」と見どころをアピール。一方で「アンという女性に共感した部分は?」と尋ねられ、夫、内田裕也を引き合いに「私はエレノアさんのように夫に仕えていません。50年近く別居していますので、何も苦労していません。ですからアンに共感するところは、ちょっとないかもしれませんね」と茶目っ気たっぷりに話し、場内をもりあげた(笑)。

カンヌからパリまでの道中、フランスの食や文化、以外な話が興味をそそる。この映画を観たら、きっとこういう旅をしてみたいなという人が増えるかも。この映画を巡るツアーみたいのがあったら、私もぜひ行ってみたい。皆さん、ぜひご覧ください。(暁)








posted by akemi at 22:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 記者会見 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

100号完成しました。

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30周年100号目の本誌、定期購読の方々にお送りしました。
公共施設、劇場や書店に手分けして順次納品しています。
リストはHPのトップ左側にございます。お申込みもトップページから。
http://www.cinemajournal.net/index.html
見かけましたらどうぞお手にとってご覧ください。

通常80pのところ、今号は88pになりました。
いつもの映画祭レポート、インタビュー、新作紹介などのほか、特集は30周年を記念していただいたお祝いの言葉、思い出話、「シネジャの歩み、そしてこの30年」と題した年表が12p。みなさまの30年も一緒に思い出していただけると嬉しいです。

この100号を一区切りに、次は来年4月「シネマジャーナル annually」として生まれ変わります。
以後年1回の発刊の予定です。
その分HPとブログを充実させていきますので、どうぞこれからも応援をよろしくお願いいたします。
posted by shiraishi at 20:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々のできごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月01日

香港回帰から20年の日  映画『十年』が現実になる日を憂う(咲)

20年前の7月1日。香港島中腹にあるYWCAの一室から、総督邸の屋根の上の旗が、赤い旗2本に変わったのを眺めていたのを思い出します。どしゃぶりの雨にめげて、昼ごろまでベッドの中で回帰記念式典の中継をぼぉ〜っと見ていたのですが、陳方安生(アンソン・チャン)さん(中国返還前の香港政庁と返還後の香港政府でナンバー2の政務官)の真っ赤なスーツに、まさに中国回帰を感じたものです。一国二制度を50年間保証するというけれど、はたしていつまで保たれるのだろうということも頭をよぎりました。

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7月22日から新宿K‘s cinema他で全国公開される『十年』は、製作された2015年から10年後の香港を描いた5つの物語。3つ目の物語『方言』は、普通語(中国で使われる標準中国語)が出来ないタクシー運転手の悲哀を描いた痛烈な作品。大陸から来た客から言われた行先がわからない。若い子から広東語読みの地名を教えられる始末。やがて、空港や主要ターミナルのタクシー乗り場には普通語が出来ないと入れなくなる。そんなことが現実になる日もありえるかもと思わせられた一作。

20年前、返還直前の町で、小学校6年生くらいの男の子が、「大陸の中国語をどう思う?」とマイクを向けられて、「簡体字は、略しすぎて、漢字に失礼だ」と答えていたのを思い出します。繁体字の看板もだんだん肩身が狭くなっていくのでしょうか。もう何年も行ってない香港。広東語の響きこそ香港と感じさせてくれるのに、今や、普通語が幅をきかせているようで、行くのがちょっと怖い。
さて、本日行われた香港回帰20周年の記念式典、公式な場で広東語はひと言も使われなかったとか。
民主化を求めて抗議する人たちの姿を見ながら、あと、30年、香港は香港であり続けられるのかなと思った一日でした。
posted by sakiko at 21:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月04日

イラン映画『セールスマン』公開にあわせ、主演女優タラーネさんがやって来る! (咲)

アスガル・ファルハディ監督の『セールスマン』が6月10日より公開されるのにあわせて、主演女優タラーネ・アリードゥースティーさんが来日します。
ファルハディ監督の『彼女が消えた浜辺』では、”途中で消えた彼女”といえば、おわかりいただける方もいるでしょう。

トランプ大統領の入国制限命令に抗議して、アカデミー賞授賞式に出席しないと、監督に先駆けて宣言したタラーネさん。『セールスマン』は、トランプの後押しもあって(!!)、みごとアカデミー賞外国語映画賞を受賞しました。
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劇団に所属している若い夫婦。『セールスマンの死』の初日舞台を終えた夜、先に帰宅した妻が浴室で男に襲われる。夫は犯人探しを始めるが、妻は自分が襲われたことを知られたくないから不問にしたい。事件が夫婦の気持ちに微妙なすれ違いをもたらす・・・という物語。
最後の最後まで、どうなるのか固唾をのんで見守りました。
テーマはどこにでも起こりうる普遍的なものですが、ご近所付き合いの密なところ、高校の授業、パン屋さん、乗り合いタクシーなどなどイラン人の日常も垣間見れる作品です。

『セールスマン』初日舞台挨拶のほか、タラーネさんを招いて、過去の出演作の上映会も行われます。東京外国語大学と早稲田大学での上映会は、英語字幕となりますが無料。
タラーネさんと、たっぷり質疑応答の時間を持てる企画です。ぜひどうぞ!

(1)大学での無料の上映会とQ&A
〜『セールスマン』公開記念 タラネ・レトロスペクティブ〜

◆東京外国語大学
6月8日(木)
16:00〜17:50 「私は15歳(I am Taraneh,15)」 (110分・ペルシャ語・英語字幕付き) 
Q&A:18:00〜19:00 (約60分)

場所:東京外国語大学 研究講義棟227教室 (東京都府中市朝日町3-11-1)
交通アクセス:http://www.tufs.ac.jp/access/tama.html

◆早稲田大学
6月10日(土)
13:50〜15:40「私は15歳(I am Taraneh,15)」(110分・ペルシャ語・英語字幕付き)
16:00〜17:40「Modest Reception」(100分・ペルシャ語・英語字幕付き)
Q&A:17:40〜18:20 (約40分)
イベントの詳細:https://www.waseda.jp/inst/ias/news/2017/05/30/1219/
場所:早稲田大学早稲田キャンパス22号館201教室 (東京都新宿区西早稲田1-6-1)
交通アクセス:https://www.waseda.jp/top/access/waseda-campus

(2)Bunkamuraル・シネマでの有料の上映での登壇

◆『セールスマン』 初日舞台挨拶
6月10日(土)10:20からの上映終了後 12:30〜12:55(約25分)
場所:Bunkamuraル・シネマ(東京都渋谷区道玄坂2-24-1 6階)

◆『彼女が消えた浜辺』上映と Q&A
〜『セールスマン』公開記念 タラネ・レトロスペクティブ〜
6月9日(金)
上映:19:00〜21:05 『彼女が消えた浜辺』(118分+予告) 
Q&A:21:10〜21:40(約30分)
場所:Bunkamuraル・シネマ(東京都渋谷区道玄坂2-24-1 6階)
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C) 2009 simaye Mehr.
『彼女が消えた浜辺』が、アジアフォーカス福岡国際映画祭で上映された折のファルハディ監督インタビューは、こちらで!
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アスガル・ファルハディ監督
posted by sakiko at 09:01| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月29日

高校の担任の先生の米寿お祝いの会で、「フランス映画祭横浜」立ち上げを担当した同級生に会いました! (咲)

5月27日の土曜日は、高校3年生の時の担任の先生の米寿お祝いの会でした。
1月から、有志7人で準備し、同じクラス以外の同期の人たちにも手探りで呼びかけて、31名が集まりました。
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会場は、横浜、山下公園のすぐそば。折しも、ドラゴンボートレースが開催中だったので、ちょっと覗いてから会場へ。

続々集まる懐かしい同級生。
お祝いの乾杯の後は、しばしおしゃべり。

私が映画三昧の毎日といったら、横浜市役所に勤めていた男性が、フランス映画祭の立ち上げの時に担当したというのです。
1993年から2005年まで、毎年6月に横浜で開催していた「フランス映画祭横浜」。
私は横浜でのフランス映画祭は、2004年と2005年の2回しか参加していないのですが、ゲストと触れあえるとても楽しく華やかな映画祭でした。
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特別記事「第12回フランス映画祭横浜2004」
http://www.cinemajournal.net/special/2004/france/index.html

フランス側から、2006年は3月に開催したいと要請があり、横浜市は同じ年度(会計年度は4月〜3月)に2回できないからと断り、会場が東京に移ったのでした。(お役所ですからね。)
いつかまた、横浜の海辺での素敵な映画祭が復活すればいいなと思います。

ひとしきり、おしゃべりしながらお腹を満たして、いよいよ米寿お祝いのセレモニー。
先生の授業のことなど、いろいろなエピソードが語られましたが、中でも、修学旅行の時に思い切って先生に声をかけて撮らせていただいたという写真を持参し、50年を経ての告白が飛び出したのにはびっくり。いつもあまり表情を変えない先生のお顔にも、かすかな笑み♪  とても和やかないい会になりました。

先生をお見送りし、二次会。
クラスが違ったので、この日、初めて会話した男性。親の転勤が多くて、幼稚園は神戸だったというので、え?どこ?と聞いたら、阪急岡本駅踏切のそばと。 それって、私も通っていた幼稚園! 同じ幼稚園で過ごしていた人と巡り合うなんて・・・と、感無量でした。

幼稚園時代で覚えていることといえば、若くて綺麗な先生が映画のことをお話してくださったこと。国境を守る兵士どうしが親しくなったのに、戦争が始まって敵となって別れなければならなかったことを、涙を流しながら語ってくださった姿が今でも目に浮かびます。何の映画だったのかなぁ〜 今でも、この手の映画には、とても心惹かれるのは、先生のお話が原点かも。
いろいろな素敵な先生に出会えて、今の私があるのをつくづく感じます。感謝!
posted by sakiko at 21:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々のできごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする