2025年12月20日

牛嶋神社で『黒の牛』スペシャルイベント (咲)

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12月14日(日)、友人が、Xフォロワーの募集出来る映画『黒の牛』牛嶋神社スペシャルイベントに当選して、誘ってくれました。小雨決行でしたが、朝起きた時には、無常の雨。駄目かな〜と思いながら家を出ました。途中で、予定通り催行との連絡。

牛嶋神社に着いて、最前列を確保。境内には、毛並みのいい黒い牛。その向こうを、リー・カンションが腰をかがめて脇の席にいくのが見えました。
おしゃべりしていたら、田中泯さんの場踊りが、静かに始まっていました。極めて静かなのに、圧倒的な存在感。田中泯さんの踊りを称えるかのように太陽の光がさしてきて、青空に。30分ほども踊ってくださって、至福の時でした。

次に、リー・カンション、田中 泯、蔦哲一朗監督によるトークイベント。司会は、『黒の牛』プロデューサーの市山尚三さん。
先ほどの場踊りで共演した黒い牛は、『黒の牛』に出演した、「ふくよ」さん。実は肉牛。本来なら、すでに食べられてしまった運命でしたが、映画に出たことで農作業が出来るようなり、今も岩手で働いているのです。子牛も2頭産んだそうです。

禅に伝わる悟りまでの道程を十枚の牛の絵で表した「十牛図」から着想を得て、8年の歳月をかけ完成させた『黒の牛』。「僕の30代を全て懸けた作品です」と、感慨深げに語る蔦哲一朗監督でした。

田中泯さんとリー・カンションさん、言葉の壁はありながら、台詞も少なく、心で通じ合えたとお互いに語りました。
最後に、「監督が勇敢にも全編フィルムでお撮りになった映画。今、社会では色々と悲しいことがありますし、忙しく過ごしていることと思いますが、この映画を観て、心を落ち着けて頂ければと思います」とリー・カンションさん。

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フォトセッションの折には、ふくよがなかなか落ち着かなくて、慣れた手つきで、ふくよを前に向かせようとするリー・カンションさんでした。


★映画『黒の牛』特別展覧 牛嶋神社
【期間】2025年11月7日(金) ~ 2026年2月28日(土)
【場所】牛嶋神社・神楽殿(東京都墨田区向島1丁目4-5)
【料金】無料

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境内の神楽殿に特設された大型LEDモニターに、今回限定の「黒の牛」アート版映像が上映されています。
【特設サイト】https://alfazbetmovie.com/kuronoushi/installation/


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夜の牛嶋神社。竹を用いたイルミネーションが綺麗です。(こちらは、別の日に夜行った時のものです)


『黒の牛』
監督:蔦哲一朗 主演:リー・カンション 出演:田中泯 音楽:坂本龍一
★2026年1月23日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿K`sシネマ他 全国公開

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2025年12月14日

東京国際映画祭の行動記録です  (咲)

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今さらですが、東京国際映画祭の行動記録です。
(東京フィルメックスも終わってしまいましたが、その前に完結せず、さらにパソコンが壊れて、すっかり遅くなりました・・・)

今回もイスラーム文化圏を中心に予定を組んだ結果、ほかの地域の作品をあまり見ることができませんでした。

10月27日(月)
東京国際映画祭開幕。
体力温存で、レッドカーペットとオープニングセレモニーは、家でライブ映像を観ました。かつては取材にいそいそと出かけたものですが、レッドカーペットはその場にいると意外とこの集団はどの映画?とわからないこともあるので、紹介&インタビューもあるライブは、臨場感もあっていいものです。

10月28日(火)
◆11時〜日本中近東アフリカ婦人会チャリティーバザー @水天宮ロイヤルパークホテル  10:55に友人たちと待ち合わせしたのですが、すでに長蛇の列。
パレスチナ料理とエジプトのコシャリを友人とシェアしていただきました。
イランのお菓子と物販のコーナーには立ち寄ったのですが、一緒に東京国際映画祭の上映に向かった方から、ペルシア書道のコーナーもあったと聞かされました。気が付かず、申し訳なし・・・ なにしろ広い会場が人で埋め尽くされていたものですから。
ファッションショーや、伝統楽器演奏のコーナーもあって、時間が許せばいろいろ覗いてみたかったのですが、12時半に会場を出て、人形町から東銀座へ。

●13:15〜14:37 『アラーの神にもいわれはない』 ★シネスイッチ1
監督:ザヴェン・ナジャール
西アフリカで、孤児となった10歳の少年が内戦に巻き込まれ、少年兵として働かされた実態をアニメーションで描いた物語。実写では、とても見ていられない場面も。

★15:30〜16:30 ピーター・チャン マスタークラス @交流サロン
1994年、東京国際映画祭で『ラブソング』が満席の会場で上映された時の思い出から始まり、1990年代、香港では5週間で映画を完成させて5日後には上映していたという驚異的な事情をお話ししてくださいました。アクションなどでない普通の人たちの映画を好きに作りたいと「UFO」を仲間と設立。自分にとって、人生のピーク。最高の時代でしたと語りました。私の大好きな『君さえいれば/金枝玉葉』も、5週間で作って、公開日の5日前には出来上がっていたとのこと。あの名作が、そんなスピードで作られたとは!と、びっくりでした。1990年代のことをたっぷり語ってくださって、次に今回の映画祭で上映された『She Has No Name』の話に移った16:10ごろ、映画を観るために後ろ髪を引かれながら退出。

●16:25〜18:16 『最も美しい葬儀の歌』 ★シネスイッチ2
監督:ズィヤ・デミレル、トルコ
夫を失った女性、不釣り合いなカップル、ビデオ作家、2万ユーロの詐欺の話・・・、一見、関連のない6つのエピソードを繋いだ摩訶不思議な映画でした。
40年程前にトルコに行った折に知った偉大な歌手ゼキ・ミュレンのコンサートに行ったという話題が出てきて、この映画の設定っていつ?と。

●18:50〜20:33 『アトロピア』 ★シネスイッチ1
監督:ヘイリー・ゲイツ、アメリカ
ハリウッドに近い沙漠の中に作られたイラクを模した街「アトロピア」。戦争に派遣される米軍兵士の訓練のための街を舞台に、女優を夢見るイラク系アメリカ女性を中心に描かれる人間模様。アメリカには、こんな訓練用の街が、200か所もあるそう。今は、ウクライナやパレスチナ風の街になっているのかと。派遣先の風土に馴染ませたとしても、兵士は結局は捨て石。
なんだか空しい思いを抱えて帰宅。

10月29日(水)
●10:50〜12:22 『オペレーターNo.23』 ★シネスイッチ1
監督:シア・ハオ(夏昊)、中国
美術を専攻する青年ハン・イエ。父が失踪し、母との関係がギクシャクしている。偶然拾ったカードに記載されていたテレフォンクラブに電話してみる。対応してくれたオペレーター23番との人生相談のような会話。
思いもかけず、このオペレーター23番のお陰で母とのわだかまりが解けるという物語でした。

●13:50〜15:49 『パレスチナ36』 ★HTC有楽町
監督:アンマリー・ジャシル
1936年、英国委任統治時代のパレスチナで、何が起こったかをパレスチナの女性監督が描いた映画で、大いに期待していたのですが、まさに期待通りの作品でした。
バルフォアがユダヤ人の為の国を約束し、それを根拠に、すでにこの頃からユダヤ人入植者たちがパレスチナ人の土地を奪っていたことを知ることができました。ヒアム・アッバースがキリスト教徒の家族の祖母役で、出番はそれほど長くないのに存在感がありました。
*審査員のグイ・ルンメイさんがすぐそばでご覧になっていて、ドキドキ。
 
●16:40〜18:24 『マザー』 ★HTC有楽町
監督:テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ、ベルギー・北マケドニア
1948年、インドのカルカッタで、ロレト修道女会を離れ、自らの修道会を設立しようとしていた時代のマザー・テレサの一週間。後継者に指名しようとしていた修道女が妊娠し、中絶を望んでいることを知って、葛藤するテレサ。聖人マザー・テレサのイメージとは違う姿にちょっと戸惑いました。

●18:45〜20:54 『シネマ・ジャジレー』 (トルコ他)★シネスイッチ1
監督:ギョズデ・クラル、トルコ・ブルガリア・ルーマニア
タリバン政権下のアフガニスタン。レイラは、行方不明になった息子を捜すため、男装して旅に出る。かつて映画館だった「シネマ・ジャジレー」にたどり着く。そこは女装した少年が男性相手に性的サービスを行う場所だった…。
このような場所があることは、以前にも映画で観たことがあるのを思い出しました。女性でなく、若い男性をそのような形で使うとは!

★22:32〜23:02 『アラーの神にもいわれはない』 トークショー ★シャンテ スクリーン2 
登壇:ザヴェン・ナジャール(監督/脚本/編集/美術)
プロデューサーのセバスチャン・オノモから原作を紹介され、映画化することに。
セバスチャンはカメルーンの出身、ナジャール監督はシリア・レバノン出身のアルメニア人というルーツで、二人とも子どもの頃から内線を身近に感じていた。原作者からもアドバイスをもらって、長い原作の中から少年兵の目線で描く形にしたとのこと。

10月30日(木)
●10:15〜11:55 『一つの夜と三つの夏』 ★シネスイッチ2
監督:カンドゥルン(岗珍)、中国
故郷・チベットのラサに戻ってきた若い女性サムギ。かつて幼なじみの家に遊びに行った時に、こっそり持ち帰った財布のことがずっと心の傷になっていて、そのことをテーマに映画を撮るのが目的で帰ってきたのですが、突然の幼なじみとの再会・・・ 娘を見守る父親の思いも描かれていました。甘酸っぱい青春の物語。
40年程前に訪れたラサの街には、まだ高層の建物はなかったのですが、すっかり街の様相が変わっていました。それでも、川沿いの道はかつての雰囲気でちょっとほっとしました。

●13:35〜15:11 『雌鶏』 ★HTC有楽町
監督:パールフィ・ジョルジ、 ギリシャ・ドイツ・ハンガリー
養鶏場から運ばれる途中に逃げ出した雌鶏の目線で描かれる物語。逃げた雌鶏が落ち着いた先は、海を見晴らす元レストラン。そこでは麻薬取引が行われたり、難民たちが搾取されていたりしています。雌鶏の産む卵をめぐって争いが起こり、雌鶏は必死になって卵を守ります。 いや〜 面白い作品でした。雌鶏に主演女優賞をあげたいと思いました。
*この回も、グイ・ルンメイさんがすぐ近くで、身を乗り出してご覧になっていたのですが、受賞ならずでした。 

★16:39〜17:09 『パレスチナ36』Q&A  ★シネマズ日比谷 スクリーン12 
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登壇:アンマリー・ジャシル監督
「私たちの視点で描くのが重要でした。『アラビアのロレンス』では語られていないもの。イギリスがパレスチナに来たのは、108年前ですが、パレスチナ側から語られていないものが多いので、それを描こうと思いました。当時の村や町で何が起こっていたのか。国の歴史の中で重要な転換点でした。そこをパレスチナ側から描きたかったのです」
(『パレスチナ36』 記者会見 Q&A報告 に詳しく記載しています。東京グランプリ受賞!) http://cineja3filmfestival.seesaa.net/article/518868514.html

★19:01〜『最も美しい葬儀の歌』Q&A (トルコ)
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登壇:ズィヤ・デミレル(監督/脚本/プロデューサー)、チャアダシ・エキン・シシマン(俳優)、ヒダエット・ティリ(俳優)
「リビングルームに大勢いて、話がなんだかわからないような感じを持ってもらうような作りにしました」と監督。確かに、いくつかのエピソードが脈絡なく続いた感じでした!
19:31までの予定でしたが、これから空港に向かうとのことで、19:20に終了。

お陰で、19:10から始まっていた『パレスチナ36』のアンマリー・ジャシル囲み取材に途中から参加することができました。お友達のお母さまから、1936年当時の経験談を聞き、映画に生かすことができたことを伺うことができました。


10月31日(金)
●10:00〜11:53 『虚空への説教』 ★HTC有楽町
監督:ヒラル・バイダロフ、 アゼルバイジャン・メキシコ・トルコ 
『クレーン・ランタン』『鳥たちへの説教』に続く、「説教三部作」の最終章。
世界が終末を迎えるなか、「命の水」を探して広大な砂漠をさまよう詩人シャー・イスマエルの旅。これまでの作品以上に、よくいえば幻想的。抽象画の連続画を観ているようでした。う〜ん、よくわからない・・・

●13:30〜14:52 『老人と車』 ★シネスイッチ2
監督:マイケル・カム、シンガポール
妻を亡くし、カナダにいる息子のもとへ移住準備をする老人。大切にしていた古い車を売る決意をし、購入を希望する高齢のトランスジェンダー女性と出会う・・・。
娘がいて、父親がカナダにいる長男にばかりお金を出していると不満に思っています。老人は愛着のある車を手放すのですが、そのあとに待っていた運命に涙。

●15:45〜17:05 『ノアの娘』 ★シネスイッチ2
監督:アミルレザ・ジャラライアン、イラン
ペルシア湾の島でキャンプを張る若い女性。彼女は海辺で年配の女性と会い、過去、未来、そして指先ひとつで人間の脈を聴く静かな技術について語り合う。近くでキャンプしている若い男性と知り合い、生と死について語り合う。やがて彼女は荷物をまとめテヘランの自宅に帰る・・・。
彼女が時折会う年配女性は、母親なのか? 出会った男性と特に恋愛に発展することもなく、静かに映画は終わりました。 あ〜これは監督の話を聞いてみないと!

★18:00〜シネマチリによる現代チリ映画のプロモーション @交流サロン
会場では、TIFFCOMの打ち上げらしきイベントが開かれていて、皆さん飲みながらワイワイガヤガヤ。司会の女性が話し始めても、一向に静かになりませんでした。
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数分のプロモーションビデオのあと、この映画祭で上映されるチリ映画『波』の セバスティアン・レリオ監督が少しお話をされ、18:10頃には、あとはチリワインをどうぞと、あっけなく終了。チリの映画事情が聞けると楽しみにしていたのに、がっかりでした。

★19:00〜19:30 『雌鶏』プロデューサーのタナシス・カラタノス氏囲み取材
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CGを一切使わず、ニワトリの演技に頼って撮影した様子を語ってくださいました。
私からは、難民の少年が「baba jan」とペルシア語でお父さんに語りかけていたので、難民のキャスティングについて伺ってみました。実際に、ギリシャの難民キャンプにいる難民の方たちに出演依頼。イランやアフガニスタンをはじめ、アフリカ出身の方もいたとのことでした。

11月1日(土) 
前から高校の同級生のコンサートの予定が入っていたのですが、よりによって、イラン映画『遥か東の中心で』の上映日。でも、その上映時間中に、もう1本のイラン映画『ノアの娘』のQ&A取材が組まれていて、どちらかを選ばなくてはいけないという状況。潔く、両方諦めて、イラン映画の2本は4日に。
映画祭から一日離れて、コンサートを楽しみ、始まる前には女性3人でランチ、終わってからは、男性も交えて、8人で50年以上前の高校時代に戻っておしゃべりを楽しみました。

11月2日(日)
●10:20〜11:51 『ハッピー・バースデイ』 ★シネスイッチ2
監督:サラ・ゴーヘル、エジプト
カイロの裕福な家でメイドとして働く8歳の少女トーハ。その家の娘ネリーは同年代で、大の仲良し。ネリーの誕生日の日、トーハもピンクのワンピースをもらって、彼女のパーティーの準備を手伝う。だが、ネリーの母親はトーハの実家に連絡してトーハを迎えに来させる。大勢を招くパーティーにトーハは目障りという次第。なんとしてもネリーの誕生日を一緒に祝いたいと、トーハは奔走するが・・・。
東京国際映画祭の事前審査で視聴したイスラーム映画祭主宰の藤本高之さんイチオシの作品。少女の前に立ちはだかる格差社会に涙。

●12:35〜14:49 『囚われ人』 ★シネスイッチ1
監督:レハンドロ・アメナーバル、スペイン・イタリア
「ドン・キホーテ」の著者ミゲル・デ・セルバンテスの若き日を描いた歴史劇。
1575年、スペイン海軍の兵士として参戦したセルバンテスは、オスマン帝国支配下の海賊に捕らえられ、アルジェリアで囚われの身となる。セルバンテスは一緒に囚われている捕虜たちに物語を語り、皆を勇気づける。アルジェの支配者ハサン・バジャとセルバンテスとのホモセクシャルを連想させる場面も。
ムスリムに改宗した捕虜は、待遇がよくなるということも描いていて興味深かったです。

●16:15〜18:14 『パレスチナ36』 ★シネスイッチ1  
『ガールズ・オン・ワイヤー』(中国)を観るという選択もあったのですが、細かいところを確認したいと、もう一度観ました。 今の混迷を極めるパレスチナの原点ともいえる時代を描いた映画。ぜひ多くの人に観てもらいたいと、再度、思いました。

●18:50〜20:47 『私はネヴェンカ』 ★シネスイッチ2
監督:イシアル・ボジャイン、スペイン・イタリア
2000年、スペイン北部ポンフェラーダ市。市長の後押しもあって、市議となったネヴェンカ。その後、市長から性暴力を受け、告発するが、そのために社会的立場は危うくなる・・・。
実際にあった事件を映画化したもの。セクシャルハラスメントを訴えるのは、勇気のいること。黙っていても、訴えても、つらい思いをするのは当事者の女性であることを、つくづく感じました。
ビクトル・エリセの『エル・スール』(83)に主演し、その後監督に転じたイシアル・ボジャインの監督作品。

★22:31〜23:01 『雌鶏』 Q&A取材 シネマズ日比谷 スクリーン12 
登壇:タナシス・カラタノス氏(プロデューサー)
黒い雌鶏のキャスティングにあたっては、ブダペストでトレーニングした8羽の中から、主に2羽を交代で起用。2羽のスタントの雌鶏もいて、飛ぶ場面や、火の中から飛び出てくる場面で活躍したと笑わせてくれました。

11月3日(月・祝)
●10:20〜12:00 『人生は海のように』★シネスイッチ1
監督:ラウ・ケクフアット(廖克發)、台湾
父の葬儀のためにマレーシアに戻ったアーヤオ。先祖は107年前に福建から移住し、苦労してマラヤの森を開拓。当然、福建式に埋葬するつもりが、父は密かにイスラームに改宗していて、宗教警察からムスリムの墓地に埋葬しなければならないといわれる。
なぜ父は改宗したのか・・・ 思いもかけない事情が明かされました。
多民族国家マレーシアならではの物語。

★12:14〜12:44『遥か東の中心で』Q&A シャンテ2 
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登壇:アラシュ・アニシー(監督/脚本/編集/ライン・プロデューサ)
映画はまだ観てなかったのですが、一足早く監督の話が聞きたくて取材。
憧れの日本で、自分の作品がワールドプレミアされることの喜びを語りました。
映画の内容にかなり深く入り込んだ質問が多くて、翌日、観るのが楽しみになりました。

●13:05〜14:52 『ポンペイのゴーレム』 ★シネスイッチ2  
監督:アモス・ギタイ、フランス 
2025年6月、イタリアのポンペイで開催された演劇祭で披露された、アモス・ギタイ演出の舞台劇「ゴーレム」を記録したドキュメンタリー。中世ヨーロッパを舞台に、カバラ神話に登場する土人形「ゴーレム」にまつわる物語。
出演俳優が、それぞれ母語で語る自身のルーツに興味津々。使用言語は、フランス語、イディッシュ語、アラビア語、ヘブライ語、スペイン語、英語、ロシア語、ドイツ語、英語! 
ポーランド生まれのユダヤ人で、ニューヨークで亡くなったイディッシュ語で書いた作家。父方はセファルディウム、母方はアシュケナージのユダヤ女性。父方の祖母の話す言葉はアラビア語の響きに似ていて、リビアのアラビア料理が美味しかったたと語りました。ユダヤ人も様々なことがわかる興味深い内容でした。

シネスイッチから日比谷に向かって、数寄屋橋のスクランブル交差点を渡ってしばらくいったところでショーレさんと、『遥か東の中心で』のアラシュ・アニシー監督にお会いしました。まだ映画を観ていないので、「明日、観るのが楽しみです」としか言えなくて残念!

★16:15〜16:45 『一つの夜と三つの夏』Q&A取材  @シャンテ スクリーン1 
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登壇:カンドゥルン(監督/脚本)、ツェリン・ヤンキ(俳優)、ツェリン・トゥンドゥプ(俳優)
3人とも若い! 
チベットでは、小学校を卒業すると、2割くらいの成績上位者はチベット外の北京や上海などに進学するそうです。この物語も、監督自身の親元を離れて都会で勉強し、故郷に帰ってきた時の経験がもとになっています。

★18:00〜18:50 黒澤明賞授賞式 @帝国ホテル
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今年の受賞者は、李相日監督とクロエ・ジャオ監督。
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李監督の『国宝』で主演を務めた俳優の吉沢亮さんがサプライズ登場!李監督とジャオ監督に花束をプレゼント。私にとっても、嬉しいサプライズでした。

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暁さんとベトナム料理バインセオ(ITOCIA地下)で、サイゴンセット

11月4日(火)
★11:43〜12:13 『アトロピア』Q&A取材@シネマズ日比谷 スクリーン12 
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ヘイリー・ゲイツ監督登壇
アメリカ国内に200ヶ所ほどもある、戦争地域の街を模した訓練の為の街。監督、「こんなことをしてるから、世界から戦争がなくならない」ときっぱり。

●13:20〜15:34『遥か東の中心で』  (イラン)@TOHOシネマズ シャンテ スクリーン1 
イラン南部の美術館で、父親に殺された女優を描く監督デビュー作を撮る女性監督。、南部出身の女優ザーラをヒロイン役に抜擢してリハーサルを開始するが、ザーラの父親は娘の女優業に猛反対。一方、美術館では絵画を盗み出そうとする一味の計画が遂行中…
鑑賞後、Q&A
登壇:アラシュ・アニシー(監督/脚本/編集/ライン・プロデューサ)

●16:30-17:50『ノアの娘』(イラン) @TOHOシネマズ シャンテ スクリーン1 鑑賞後、Q&A
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アミルレザ・ジャラライアン(監督/脚本/プロデューサー)、カティ・サレキ(俳優)
旧約聖書のノアには3人の息子がいたとされています。もし、ノアに娘がいて、預言者になっていたら、とても静かで、人の話を聞く人だろうとイメージしたのが、この物語。なるほど! 

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イラン映画2本一緒に観た友人たちとタイ料理をいただきながら、今年の東京国際映画祭を振り返りました。

11月5日(水)
●13:00〜15:06 クロージング作品 『ハムネット』 ★丸の内ピカデリー

★17:00 クロージングセレモニー
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東京グランプリは『パレスチナ36』

報告記事は、こちらで!
http://cineja3filmfestival.seesaa.net/article/518839994.html

★18:50〜 審査委員+受賞者記者会見

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2025年11月24日

『ラッキー・ルー』@フィルメックス(白)

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ロイド・リー・チョイ監督

今年のフィルメックスは『ラッキー・ルー』の1本だけ鑑賞しました。
久しぶりのチャン・チェン主演で、アメリカに移住したルーが懸命に働いて、やっと妻子を呼び寄せる算段ができます。元は中華料理店を開いたのですが、資金繰りに行き詰まり泣く泣く手放して遅れながら借金を返済。今は自転車でデリバリーの仕事をしています。知り合いに大金を払い、証明書は不要だと譲ってもらった部屋は新しくはありませんが、窓から朝日が差し込むと聞いて明日が楽しみになります。
ところが、デリバリー中に留めておいた自転車が盗まれ、仕事ができなくなってしまいます。借り物だったために弁償金が必要、さらに悪いことに、借りた部屋は前の住民が家賃を滞納していたうえ、大家に黙ってまた貸ししたものとわかります。お金は大家ではなくその知人が持ち逃げした…とこれだけでも「えっ、全然ラッキーじゃなくてアンラッキー・ルーじゃん」と気持ちが灰色になります。妻子はすでに飛行機でこちらに向かい、あと何時間か後には到着します。迎える家がなくなった今、楽しみにしていた再会は苦しいタイムリミットつきになりました。
消えた知人と自転車を探し、不義理をした友人に頭を下げてお金を借り、大家に事情を話して一日だけ泊まっていい約束を取り付けます。何重もの問題を解決しようと走り回る間にも、妻から電話が入りその都度嘘を重ねるルー。デリバリーの仕事に戻ろうと、せっぱつまったルーは他人の自転車を盗もうとして見つかり、逃げたとたんに車にはねられてしまいます。

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結局仕事も失いますが、やっと到着した妻子にほんとのことは打ち明けられません。何も解決しないまま、朝を迎え日の出を眺めるルーに一人娘が一緒に仕事に行きたいと言い出し、小さな嘘をつきつつ金策に走り回ります。連れ歩いているうちに待っているはずだった娘がいなくなり、肝を冷やします。(子どもに「ここにいて動くな」はききません。必ず連れて歩くこと)
見ているこちらまで胃が痛くなってきそうでした。ルーは野心満々でアメリカで成功しようとやってきたのですが事業に失敗、妻子を5年も待たせて再会したとき手の中に残っていたのは借金だけ、危うく泥棒にもなるところでした。まだまだいろんなことがあったのです。不運もふりかかりましたが、思えば命があり、動ける身体があり、自分を信じる妻と娘がいます。弱みを見せられず、悪循環に陥っていたルーのこれからは変わるはず。それは「ラッキー」なんだと見終わってつくづく思いました。
チャン・チェンはこの意固地でプライドの高いルーを体現し、観ているこちらを思い切りハラハラさせました。うまいなぁ。
2026年秋公開予定だそうです。(白)

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2025年11月23日

『道草キッチン』舞台あいさつ

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11月22日(土)
新宿K’sシネマにて『道草キッチン』初日の舞台挨拶が催されました。

写真左から 
出演の村上穂乃佳さん、金井浩人さん、中江有里さん、荒木知佳さん、白羽弥仁監督
白羽監督には昨年の『フィリピンパブ嬢の社会学』でのインタビュー以来です。
ヒロインの立(りつ)役の中江有里さんは、映画主演は26年ぶり!新しいふるさとで新しい人生を始める同年代のヒロインを自然体で演じています。
白羽監督は「小さい映画なので、ご覧になったみなさまが”大きな声”で周りに知らせていただけると嬉しい」と観客へアピール。
ロケ地の吉野川市、板野町の全面協力のもと、たくさんの市民も登場しています。里山の風景はホッと息がつけるようで、ロケ地マップを片手に訪ねてみたくなりました。(白)


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2025年11月05日

東京国際映画祭2025(9)

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11月4日(火)
本日プレス試写はお休み。連日の鑑賞だったので、私も休み。
お昼前に区役所で用事を一つすませ、友人とランチをして銀座の展覧会を観ているうちに夕方。
いつもこの時期に赤くなる柿の実が今年はまだ食べごろになりません。暑さが長引いて、気温が下がるのが遅かったせいでしょう。

11月5日(水)
『ハムネット』(イギリス/クロエ・ジャオ)クロージング
とても逞しいヒロインでした。来春一般公開予定です。

長いと思った映画祭も最終日。受賞結果はこちらです。
来年4月末発行の本誌に映画祭特集でもう一度まとめ記事を掲載予定です。

★東京グランプリ、東京都知事賞『パレスチナ36』(監督:アンマリー・ジャシル)!!
▼審査員特別賞:『私たちは森の果実』(監督:リティ・パン)
▼最優秀監督賞:アレッシオ・リゴ・デ・リーギ、マッテオ・ゾッピス(『裏か表か?』)、チャン・リュル(『春の木』)
▼最優秀女優賞:福地桃子、河P直美(『恒星の向こう側』)
▼最優秀男優賞:ワン・チュアンジュン(『春の木』)
▼最優秀芸術貢献賞:『マザー』(監督:テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ)
▼観客賞:『金髪』(監督:坂下雄一郎)

アジアの未来部門
▼アジアの未来作品賞:『光輪』(監督:ノ・ヨンワン)

アジア学生映画コンファレンス
▼アジア学生映画コンファレンス作品賞:『フローティング』(監督:イ・ジユン)
▼審査委員特別賞:『エンジン再始動』(監督:チョン・ヘイン)
『永遠とその1日』(監督:チェン・リーシュエン)

事務局&プレスセンターのスタッフの皆様、各会場のボランティアスタッフの皆様お世話になりました。
また来年 元気でお目にかかりたいものです(白)。



posted by shiraishi at 01:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする