10月31日(金)雨
『Little Amélie or the Character of Rain(英題)』(フランス/メイリス・ヴァラード、リアン=チョー・ハン)アニメーション
日本在住のベルギー人の外交官一家。3人の子供のうち末っ子のアメリは、2歳半になっても歩いたり話したりしなかったが、ベルギーから訪ねてきたおばあちゃんとお土産のチョコのおかげで覚醒した。お手伝いの日本人のニシオさんはおばあちゃんの次にアメリを理解し、アメリは彼女から様々なことを学ぶ。
知識や考えを小さな身体にため込んでいたアメリは、覚醒して(笑)突然話し出します。パパママは大喜び。アメリの内心は2,3歳の子どもではなくそのギャップが面白いです。
★アヌシー国際アニメーション映画祭2025観客賞受賞作
『老人と車』(シンガポール/マイケル・カム)アジアの未来
妻を亡くした老人は、カナダに住む息子と同居することになった。家を売りに出し家財を手放し、最後に愛着のある車を売ることにした。息子を留学させ、住宅の頭金も出したことに娘は不満をぶつけ。仕事がピンチだからと無心をされる。出発が近づいたある日、息子から今同居は無理だと電話がある。
元教師の男性の友人たちも、本人が認知症になったり介護に疲れていたりです。自分の健康も含めて、先々不安の種が多い世代で身につまされました。まぎわに先延ばしにする息子もひどい。これからどうするのか気になりますが、みな手放したけれど新しく友人ができたところにちょっとホッとします。
『コピティアムの日々』(シンガポール/監督6人のオムニバス映画)ワールドフォーカス
独立60周年になるシンガポール、気鋭の若手監督6人が昔ながらのコーヒー店を舞台に、過去、現在、未来の6通りの物語を紡ぎました。
どれもほっこりした人情でつながっていきます。
『木々の隙間』(台湾/チャン・ジュンユー)ワールドフォーカス
中国で事業をしていたニァンの母が帰ってきたが、祖母の誕生祝いの席で倒れて入院した。母は癌で余命わずかで治療を拒み樹木葬にと願う。祖母は母が亡くなった後も居続け、ニァンは同性の恋人ザイザイを隠し切れなくなる。ザイザイはタイに娘を残して来台、マッサージ店で働き仕送りを続けていた。
2025年10月31日
東京国際映画祭2025(4)
これまでのデイリーニュース
10月30日(木)
『黄色い子』(日本/今井ミカ)アジアの未来
台北に暮らすろう者のチェンは、旅行中に迷子になった日本人のろうの女児と偶然出会った。迷子を台湾ろう協会に送っていくが、女児はチェンと離れたがらない。協会は親を探す手がかりを聞き出してほしいとチェンに依頼、仕方なく自宅に連れ帰った。チェンは日本統治時代に使っていたので女児と日本手話で会話ができ、心を通わせていく。やがて心の奥にしまい込んでいた自分の過去とも向かい合うようになった。
台北の夜市で娘とはぐれたお父さんもろう者でした。外国の人混みの中、手話も通じず必死で警察署を探し、娘が見つからないことを訴えます。どんなにか心配したことやら。自分の子育てのころを思い出しました。なので、チェン老人やろう協会の人がすぐに警察に届けないのが疑問でした。
Q&Aでも聞いた方があったそうで、監督は女児役の子に「警察に行くのはどうか」と尋ねたところ、「言葉が通じないからイヤ、コワイ」と答えたそうで、それが映画に取り入れられています。ストーリーの都合もあると思いますが、本人を連れていかなくとも一刻も早く知らせることはできるのにと、ここだけは納得いかず。
ろう者の役は実際のろう者の方々が演じていて、父親は『ぼくが生きてる、ふたつの世界』でも父親役だった今井彰人さんでした。(白)
『トリツカレ男』(日本/橋 渉)アニメーション
いしいしんじ氏による小説「トリツカレ男」(新潮文庫刊)がアニメ映画化。
何かに夢中になると、ほかのことは一切見えなくなってしまう“トリツカレ男”の主人公ジュゼッペの声を佐野晶哉(Aぇ! group)、ヒロイン・ペチカの声を上白石萌歌が担当し、Awesome City Clubのatagiによる楽曲をふたりが歌い上げる! せつなく眩しい、ラブストーリー・ミュージカル。
★11月7日公開
『私はフランケルダ』(メキシコ/アルトゥーロ・アンブリス)アニメーション
19世紀のメキシコの作家フランケルダは、自らの無意識の世界へと旅立つ。そこで彼女は自分が書いた怪物たちと対峙することになる。苦しむ王子に導かれながら、彼女は手遅れになる前に、現実と虚構のバランスを取り戻そうとする。メキシコ初のストップモーションによる長編作品。途中まで拝見。
『蜘蛛女のキス』(アメリカ/ビル・コンドン)ワールドフォーカス
軍事政権下のアルゼンチンが舞台。刑務所に収監された政治犯バレンティン(ディエゴ・ルナ)の監房にわいせつ罪で逮捕されたゲイのモリーナが入れられた。口を割らない彼をさぐるための刑務所長の策略だった。モリーナは自分が好きな映画『蜘蛛女のキス』の話を聞かせる。はじめは応じなかったバレンティンだったが、少しずつ会話が増え心を開いていく。
ジェニファー・ロペス、ディエゴ・ルナ、トナティウがそれぞれ二役。モリーナが憧れる銀幕の歌姫オーロラの舞台劇が華麗なミュージカル・シーンとなって目を奪います。(白)
2025年10月30日
東京国際映画祭2025(3)
日比谷ミッドタウン前のゴジラ像
観光客にも大人気
観光客にも大人気
10月29日(水)
『ビトゥーカ ミルトン・ナシメント フェアウェルツアー』(ブラジル/フラヴィア・モラエス)ワールドフォーカス
ブラジリアンポップスの巨人、ミルトン・ナシメントをめぐるドキュメンタリー。
1942年生まれ、「ブラジルの声」と呼ばれているブラジルを代表するシンガーソングライターのミルトン・ナシメント。ピトゥーカは愛称。2022年、80歳になったのを契機にライブ活動からの引退を宣言して最後のフェアウェルツアーを行った。密着して撮影した映像と著名人の証言を織りまぜてみんなに愛される人物像と音楽世界を見せています。
『風林火山』(中国、香港/ジュノ・マック)ガラ
香港の繁華街で武装集団が無差別銃撃、現場は大混乱する。警察の一団も駆けつけるが病院の入ったビルが爆破され、入院中の富豪も巻き込まれて死亡した。この富豪の係累たちは、実は裏で違法薬物を扱って富を築いていた。警察とも周到なつながりを作っている。跡継ぎである二人の息子の思惑、周りの人々の中に事件の黒幕が存在するのか?
久々に金城武が出演、ルイス・クー、レオン・カーファイ、ラウ・チンワンら香港のスターたちの競演です。ベテランから名前がわからない若手までたくさん登場します。映像もスタイリッシュで美しく、香港では降らないはずの雪が舞っていて、気候変動後の近未来の話かと思ってしまいました。長くかかった末に完成した作品。最初っからクライマックスかと思うほどの派手な銃撃戦、さぞ製作費がかかったことだろう、潤沢だったのだろうと想像。
今日は組み合わせがうまく行かず、2本のみ。香港映画ファンの友人と久しぶりに会い、お茶しているうちに話に花が咲いて、そのまま2年ぶりのおしゃべりタイム続行。
早く帰宅したので、勢いで香港映画のオンライン試写を観ることにしました。エアバスのハイジャック事件に孤軍奮闘するアンディ・ラウの『フライト・フォース 極限空域』(11月14日公開)は後半が超人的すぎ。(白)
2025年10月29日
東京国際映画祭2025(2)
10月28日(火)
『SHE HAS NO NAME』(中国/ピーター・チャン)ガラセレクション
一般上映@ヒューリックホール
昨日のファン・ビンビンは農婦役でしたが、こちらの主演はチャン・ツィイー。日本の統治下の上海。DV×ギャンブル好きな夫に虐待される妻役です。この悪縁が生まれ変わっても続くと言われ、思い余って殺したうえ切断したと逮捕されます。長編の大作はカンヌ映画祭で上映されていますが、今回は再編集バージョン。男の権力に女がどれほど虐げられていたか、ウィメンズのほうに入れてほしい作品でした。
事件の真実が気になるこの続きはいつ観られるんでしょう。
チャン・ツィイーは10代の学生のころにチャン・イーモウ監督に見いだされ、1998年『初恋の来た道』でデビュー。可憐さが評判でした。以来順調にキャリアを重ねて今は40代半ばです。上映後ピーター・チャン監督のQ&Aがありましたが、次の試写にまにあうように飛び出してしまいました。
『アラーの神にもいわれはない』(フランス/ザヴェン・ナジャール)アニメーション
ギニアの村で育った10歳のビライマ少年。母が亡くなって、叔母を探して旅したリベリアで反乱軍に捕らえられてしまう。少年兵になり、勇敢な兵士になる予定だったのですが・・・
実写なら目を覆うような過酷な日々です。子どもまで引きずり込んでこんなに争う人間ってどうかしている。
『死のキッチン』(タイ/ペンエーグ・ラッタナルアーン)コンペ
女性シェフのサオがかつて自分を傷つけた男性に再会し、料理で復讐していくというお話。前半分が長くてなかなか進まず、3本目とあっていつのまにか寝落ち。肝心なところを見逃したらしく後の展開が理解不能となりました。すみません。モノクロの撮影は美しいです。
『アトロピア』(アメリカ/ヘイリー・ゲイツ)コンペ
米軍の兵士の訓練のために作られた架空都市アトロピア。中東の町に似せて作られ「仕事」として暮らすキャストも揃えられています。高校中退したような若い兵士たちがそこで様々な命令を遂行し、鍛えられます。が『愛と青春の旅立ち』ほどの鬼教官はいません。イラク人役の女優がメインのコメディタッチの風刺劇。そんな中途半端な訓練で死ぬ覚悟もできていない若者を戦争に送り出さねば、兵士が足りないらしいです。アメリカにはこんな施設?が実際に200か所もあるとラストのテロップが出ます。
政治家のみなさんは戦争にそなえるより、戦争しない努力をしてください。なかなかやらないのは、敵を作れば国民が同じ方を向いてまとまるし、戦争で誰かが儲かるからなんだよね、きっと。(白)
『SHE HAS NO NAME』(中国/ピーター・チャン)ガラセレクション
一般上映@ヒューリックホール
昨日のファン・ビンビンは農婦役でしたが、こちらの主演はチャン・ツィイー。日本の統治下の上海。DV×ギャンブル好きな夫に虐待される妻役です。この悪縁が生まれ変わっても続くと言われ、思い余って殺したうえ切断したと逮捕されます。長編の大作はカンヌ映画祭で上映されていますが、今回は再編集バージョン。男の権力に女がどれほど虐げられていたか、ウィメンズのほうに入れてほしい作品でした。
事件の真実が気になるこの続きはいつ観られるんでしょう。
チャン・ツィイーは10代の学生のころにチャン・イーモウ監督に見いだされ、1998年『初恋の来た道』でデビュー。可憐さが評判でした。以来順調にキャリアを重ねて今は40代半ばです。上映後ピーター・チャン監督のQ&Aがありましたが、次の試写にまにあうように飛び出してしまいました。
『アラーの神にもいわれはない』(フランス/ザヴェン・ナジャール)アニメーション
ギニアの村で育った10歳のビライマ少年。母が亡くなって、叔母を探して旅したリベリアで反乱軍に捕らえられてしまう。少年兵になり、勇敢な兵士になる予定だったのですが・・・
実写なら目を覆うような過酷な日々です。子どもまで引きずり込んでこんなに争う人間ってどうかしている。
c2025 SPECIAL TOUCH STUDIOS - CREATIVE TOUCH STUDIOS - PAUL THILTGES DISTRIBUTIONS - YZANAKIO - NEED PRODUCTIONS – LUNANIME
『死のキッチン』(タイ/ペンエーグ・ラッタナルアーン)コンペ
女性シェフのサオがかつて自分を傷つけた男性に再会し、料理で復讐していくというお話。前半分が長くてなかなか進まず、3本目とあっていつのまにか寝落ち。肝心なところを見逃したらしく後の展開が理解不能となりました。すみません。モノクロの撮影は美しいです。
『アトロピア』(アメリカ/ヘイリー・ゲイツ)コンペ
米軍の兵士の訓練のために作られた架空都市アトロピア。中東の町に似せて作られ「仕事」として暮らすキャストも揃えられています。高校中退したような若い兵士たちがそこで様々な命令を遂行し、鍛えられます。が『愛と青春の旅立ち』ほどの鬼教官はいません。イラク人役の女優がメインのコメディタッチの風刺劇。そんな中途半端な訓練で死ぬ覚悟もできていない若者を戦争に送り出さねば、兵士が足りないらしいです。アメリカにはこんな施設?が実際に200か所もあるとラストのテロップが出ます。
政治家のみなさんは戦争にそなえるより、戦争しない努力をしてください。なかなかやらないのは、敵を作れば国民が同じ方を向いてまとまるし、戦争で誰かが儲かるからなんだよね、きっと。(白)
東京国際映画祭2025(1)
有楽町駅前
10月27日(月)
今日のプレス試写はコンペティション『母なる大地』(マレーシア)です。中国の女優ファン・ビンビンが呪術師役(農家と兼業)、Q&Aにも参加というので、会場は大盛況でした。田植えの場面から始まり、どこに彼女がと探してもわからないほど。鑑賞後の監督の話で特殊メイクをして、鼻の形も変えていたと知りました。農婦、2児の母、呪術師という役柄、これまでのイメージが全くありません。それは本人の希望でもあったそうです。Q&Aではご覧の人魚のような衣装、いつものあでやかさでした。レッドカーペットでの白黒のドレスもインパクト大でした。(白)
左からバイ・ルンイン、ナタリー・スー、ファン・ビンビン、
チョン・キット・アン監督
チョン・キット・アン監督
公式のイベント動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=YGqBv165gG8


